揺るぎない上質さゆえに色あせず、 旬カジュアルの主役に再登板エルメスのコート
雑誌『Precious(プレシャス)』で、洗練シンプルなスタイリングが人気の大西真理子さん。今回は、大西真理子さんによる、エルメスのオーバーサイズコートを取り入れたコーディネートをご紹介します。
●着こなしは…
「きちんと着ると、かつてのトレンド感が強調されてしまうから...」。シルエットに動きが出るようにゆったりとはおるのが今らしさのポイント。肩ひじ張らないシックトーンスタイルの仕上げに。
「流行を超越していく度となく心満たされる。それは、自分らしさの再確認ともいえるでしょう」(大西さん)
2000年ごろ、マルタン・マルジェラがプレタポルテを手がけていた当時のエルメスのオーバーサイズコート。「細身シルエット主流の時代を経てトレンドが回帰した今、再びぐっと心に響いて」。
やわらかなニュアンスベージュや上質なリラックス感を醸す素材感は、今も昔も変わらない好み。マイスタイルの軸を確認するきっかけにもなって。
「ファッションは流行とともにあるもの。だからどんなアイテムも進化するし、自分らしさをアップデートする醍醐味につながります」と語る大西さん。
カジュアルが基本のご自身のスタイルを支える名品とのつきあい方もしなやかです。
「極端にいうと、"ファッションに一生ものはない"かもしれません。それは、どんなに高価でも、手に入れたときは気に入っていても、時代のムードや自分の気分によって愛が増減するから。それでも、流行が巡ってきたときに再び輝きを取り戻すパワーのあるアイテムが、私にとっての名品。以前とは違う、今の気分にフィットする取り入れ方を楽しみたいですね」(大西さん)
エルメスのオーバーサイズコートは、その好例。大西さんの確固たる美意識で選ばれているからこそ何度でも心に回帰する「タイムレス名品」なのです。
- PHOTO :
- 佐藤 彩
- EDIT&WRITING :
- 岡本治子、遠藤智子(Precious)