「混ぜる」と「交ぜる」の違い、ご存知でしたか?どう違うの?

本日8月20日は、日本初の「電気交通信号機」が設置された日です。赤、青、黄色の、あの信号です。

今では当たり前に目にする電気交通信号機ですが、初めて設置されたのは1930(昭和6)年の本日で、それ以前の交通整理は、警察官が挙手で合図したり、「止」と書かれたポールを使っていたのだそうです。人の手だけで交通整理を行っていたなんて!よく考えれば「それはそうよね」という時代のお話しですが、今の世の中に慣れきっていると、改めて驚いてしまいますね。

…というところで、本日の1問目です。

【問題1】「号ぶ」ってなんと読む?

「号ぶ」という日本語の読み方をお答えください。

ヒント:「大きな声を出す。大声で呼ぶ。」という意味の言葉です。

<使用例>

「信号機の意味が知れ渡るまでには、警察官は号びっぱなしだったかもしれないわね!」

「○○ぶ」と読み仮名2文字です。
「○○ぶ」と読み仮名2文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 号(さけ)ぶ です。

「号泣」は「泣きさけぶ」、「怒号」は「怒鳴りさけぶ」事ですよね。
「号泣」は「泣きさけぶ」、「怒号」は「怒鳴りさけぶ」事ですよね。

「信号」の「号」という字はもともと「号(さけ)ぶ」という意味があり、そこから「合図/しるし」という意味も持つようになりました。

「信号」の「信」という漢字も「にんべん+言」で「人の言葉」という意味を持っており、転じて「合図/しるし」という、「号」の字と同じ意味を持っています。

「信号」という言葉、改めて考えると「=合図。しるし。」なのですね。

さて「合図」というものは、受け取る相手が理解してくれなければ、当然、伝わりません。

実は電気交通信号機が導入されてしばらくの間は、電車以外の通行者には「赤=止まれ」「青=進め」といった色灯の意味の理解が浸透しておらず、結果として信号無視だらけだったのだとか!現代のように情報伝達手段が発達していない時代ですから、新たな情報を「常識」にするのも大変な作業だったのです。

というところで、2問目のクイズです。

【問題2】「綯交ぜ」ってなんと読む?

「綯交ぜ」という日本語の読み方をお答えください。

ヒント:「種々の色糸をより合わせて紐(ひも)などをなうこと」「いろいろのものをまぜ合わせて一緒にすること」などの意味を持つ言葉です。

<使用例>

「私の気持ちを伝えたいのだけれど、いろいろな感情が綯交ぜになって、うまく表現できないの。」

「○○○ぜ」と読み仮名3文字です。
「○○○ぜ」と読み仮名3文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!

正解は… 綯交(ないま)ぜ です。

「縄を綯(な)う」の「綯」という字です。
「縄を綯(な)う」の「綯」という字です。

「交通」の「交」の字は「交(ま)ぜる」とも読みますが、「混ぜる」という表記とは、明らかな違いがあります

問題2のヒントで触れたように、「綯交(ないま)ぜ」という言葉の成り立ちは「種々の色糸をより合わせる」ところにありますが、

より合わせられた糸は、一緒になって一つのアイテムにはなりますが、もともとの糸の形は保たれたままですよね?「交ぜる」は、「元の形を保った状態のモノが一緒になる」ことを表現します

対して「混ぜる」は、「コーヒーに砂糖を混ぜる」などのように、「溶け合って混ざる前の形は保たない」状態に使用します。

ですので「ないまぜ」という言葉は「綯混ぜ」とは書きません。

日本語の微妙なニュアンスの違い、面白いですね。

本日は、日本初の電気交通信号機が設置された日にちなんで、

・号(さけ)ぶ

・綯交(ないま)ぜ

という難読漢字と、

・「交ぜる」と「混ぜる」の違い

に関するトリビアをおさらいしました。

 

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Precious.jp編集部 
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参考資料:『警察の装備・施設の歴史~信号機』警察庁 /『漢字の基礎』公益財団法人日本漢字能力検定協会
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ILLUSTRATION :
小出 真朱