クルマのネーミングに女性名詞を使うのは、イタリアならでは。かつて、小型実用車を基本としながら、色気のあるデザインと爽快な走りで一世を風靡した名車、ジュリアが現代に蘇った。先代同様、無二の美しさと速さを堪能できる、紳士のセダンだ。

イタリアの伝統銘柄がモダンになって復活!

本国デビューから2年の歳月を経て、ついに日本への導入が始まった。照明の影響でボンネットが橙色に見えるが、現車は美しいアルファ レッド。左奥に見えるのが初代ジュリアだ。

ジュリアの名は、1960年代のヨーロッパ文化に憧れる男たちにとって、特別な響きを持つ。50年代に大ヒットした小型車、アルファロメオ ジュリエッタの発展・後継モデルであるジュリアは、セダンのベルリーナに続いてクーペのスプリントGTが登場。以後もスポーツ性を高めたバリエーションが続々と現れては、エモーショナルなドライビングフィールと色気あるデザインで世の男たちを魅了した。当時の空気を肌で知らない世代も、イタリアやフランスの映画などでその姿を自然と脳裏に焼き付けてきたことだろう。すでにジュリエッタのほうは、ハッチバックボディになった3代目が2012年から日本に導入されていて(2代目は70後半から80年代半ばに生産されていた)、ラインアップの少ないアルファロメオを支えてきた。そして新生ジュリアもモダンなセダンボディをまとい、2015年にイタリアで発表。正規導入を待ち望むファンの期待に応えて、2017年9月、ようやく日本でその姿を現した。

美しく、速く、気持ちいいのがイタリアの伝統

ジュリアのラインアップ中、写真のジュリア ベローチェのみが4WD。ハイエンドモデルのジュリア クワドリフォリオは、最高出力510馬力のV6ツインターボエンジンを搭載。

かつての名車が現代に蘇った場合、デザイン的な近似性はあったとしても、中身はまったく別物であり、駆動方式も異なることが多い。実際、ジュリエッタも初代の後輪駆動から前輪駆動に変わっているのだが、ジュリアは初代同様、後輪駆動及び、それをベースとした4WDを採用している。前輪駆動車は操舵輪と駆動輪が同じであるがゆえに、走行フィーリングに癖があるのだが、近年は技術進化の甲斐もあり、昔ほどのデメリットはないと言える。それでもジュリアが後輪駆動を継承したのは、ナチュラルな操舵感やコーナリング時の姿勢制御のしやすさなど、スポーツカーの復権を意識した現れだろう。紳士たるもの、顔がいかついだけで深みのないクルマや、峠の走り屋めいたスポーツカーで目立ってはいけない。今選ぶべきは、歴史に裏打ちされた美と速さを兼ね備えた、大人かっこいいセダン、ジュリアである。イタリアからやってきた、この勝ち気な令嬢こそ、紳士のパートナーにふさわしい。

メディアを招いての発表会では、サプライズとして、ジュリアをベースに開発された新型SUV、ステルビオも披露された。初代の歴史をなぞるように、2代目ジュリアにもさらなるバリエーションが追加されるのは間違いない。

<アルファロメオ ジュリア スーパー>
全長×全幅×全高:4645×1865×1435㎜ 
車両重量:1590kg 
排気量:1995cc 
エンジン:直列4気筒ターボ 
最高出力:200PS/5000rpm 
最大トルク:330Nm/1750rpm 
駆動方式:2WD 
トランスミッション:8AT 
価格:543万円 
■お問い合わせ 
アルファコンタクト 
TEL:0120-779-159 
http://www.alfaromeo-jp.com

この記事の執筆者
男性情報誌の編集を経て、フリーランスに。心を揺さぶる名車の本質に迫るべく、日夜さまざまなクルマを見て、触っている。映画に登場した車種 にも詳しい。自動車文化を育てた、カーガイたちに憧れ、自らも洒脱に乗りこなせる男になりたいと願う。