「首め」ってなんと読む?「くびめ」ではないですよ!順番を示す言葉です
日本の次期総理大臣が誰になるか?が、連日話題になっていますね。
さて「総理大臣」は「首相」とも呼ばれますが、なぜ二つ呼び方があるのでしょうか?
…という疑問に迫る、本日1問目のクイズです。
【問題1】「首め」ってなんと読む?
「首め」という日本語の、この2文字で単語として成立する読み方をお答えください。
ヒント:「一番目のもの。先頭。最上位。」などの意味を持つ日本語です。
<使用例>
「『首相』は、『首め=第一位、の席次にいる大臣』という意味なのね!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 首(はじ)め です。
「首相」とは「首席の大臣」という意味で、
「首」という字には「首(はじ)め=先頭/最上位」という意味があります。
「はじめ」という日本語には、ほかに
・初(はじ)め=物事の最初の段階
・始(はじ)め=新しく行うこと。事の起こり。
・創(はじ)め=今までになかった物事の、新しい起こり。
などがありますが、「首(はじ)め」という表記は特に、
・首(はじ)め=順に並ぶ場合の先頭。主だったもの。
を意味します。
「首相」の「相」は、「外務相」「環境相」などと同じように「大臣」を意味しますので「首相=主席の大臣」という意味になります。
「首相」という役職名は世界各国にありますが、「総理大臣」という役職名は日本独特のものです。
「(内閣)総理大臣」とは、日本では国会の議決によって選ばれる「首席の国務大臣=首相」です。
日本国内での正式な役職名は「内閣総理大臣」で、「首相」は日本国内では「内閣総理大臣の通称」になります。
二つの呼称の使い分けとして、主に放送など音で聞かせる媒体では「(内閣)総理(大臣)、新聞など文章媒体では「首相」を使用する傾向があるようです。
放送媒体では正式名称を基本とし、
文章媒体では、「外務大臣」を「外務相」と表記したほうが簡潔に情報を表せるため「大臣=相」の表記を基本とする傾向があり、その法則にのっとって「首相」表記が多いようです。
さて、2問目に参りましょう。
【問題2】「首班指名」ってなんのこと?
「首班指名」という日本語の意味として正しいものを、次の選択肢の中から選んでください。
1:組織の長となる者を指名すること
2:組織の長となるグループを決めること
3:国会議員の選挙で内閣総理大臣を選出すること
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 3:国会議員の選挙で内閣総理大臣を選出すること です。
「次期総理」について書いた記事などを読むと、出題した「首班指名」という言葉をよく目にすると思います。
しかし「首班(しゅはん)」という言葉、あまり見慣れませんよね?
「首班」とは「第一の席次。首席。特に、内閣総理大臣」という意味の日本語ですが、「首班」という日本語がほとんど使われていない現状では「首班=内閣総理大臣」という認識で問題ないでしょう。
「首班指名」という「首班+指名」という成り立ちの言葉に至っては、ほとんどの辞書に「国会議員の選挙で内閣総理大臣を選出すること」として掲載されています。
さて、言葉は時代に沿って日々変化するものですが、
一般的には形骸化した言葉が、ある限定された環境内でだけずっと使われている、という事もあるものです。
「首班指名」は後者を代表するような言葉かもしれません。新聞や政治家のコラム記事などで、当たり前のように「首班指名」という言葉が出て来ますが、
「首班指名」という表現では、もともと政治に深い関心のある人しか、「=内閣総理大臣を選出する国会議員の選挙」と理解しづらいかもしれません。
「若者の政治離れ」が問題視されている昨今、発信する専門家の側にも、そうしない工夫が必要なのでは?と感じます。
本日は、
・首(はじ)め
・首班指名(しゅはんしめい)
という言葉をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱