「チャリティ」「ボランティア」の語源は!?以外で驚くかもしれません!
本日9月5日は国際デーの一つ『国際チャリティーデー(Intenational Day of Gharity)』です。
9月5日が、貧しく弱い立場の人々にために生涯を捧げたマザー・テレサの命日であることから、2012年の国連総会でこの日に制定されました。
さて皆さま「チャリティ」という言葉はどういう意味が、はっきりと説明できますか?
「福祉」や「ボランティア」などの言葉はどうでしょう?
本日は、これらの言葉にスポットをあてて、正確な意味や背景をひもといて参ります。
…というところで、本日1問目のクイズです。
【問題1】「祉い」ってなんと読む?
「祉い」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「幸福。めぐみ。神から受ける幸せ。」という意味の言葉です。
<使用例>
「福祉とは、社会全体が祉いであるように、という理念なのです。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 祉(さいわ)い です。
「さいわい」と言えば「幸い」という表記がポピュラーですが、「祉い」とも書くのです。
「祉」という字の成り立ちは「神・祭り・運」などに関係する「ネ(示す偏)」と「止まる」という字の合体で「神がとどまる=幸福。めぐみ。」という意味を持った漢字です。
神といえば「自然の恵み」であったり「社会全体の意識」のようにもとらえらますので、
「祉」という字は個人的感情レベルの幸福ではなく、「相対的な幸福」を表現するようです。
つまり、個人的な幸せを「幸い」、社会全体の幸せを「祉い」ととらえると良いようです。
「福祉」という言葉を辞書で調べると、以下のように出て来ます。
福祉…公的な配慮・サービスによって社会の成員が等しく受けることのできる充足や安心。幸福な生活環境を公的扶助よって作り出そうとすること。 ~小学館『デジタル大辞泉』より
また、日本国憲法には、以下のように定められています。
「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で最大の尊重を必要とする。」~日本国憲法第13条より
やはり、個人的な幸せを「幸福」、社会全体の幸せを「福祉」とらえていますね。
「社会全体の幸せ」については、社会を構成する個人それぞれが「皆が幸せであるためにはどうすべきか?」という意識がなくては成り立たない、という前提を含んでいて、こうした意識を含めて「福祉」ということでしょう。
さて、2問目に参りましょう。
【問題2】「ボランティア」はもともとどういう意味?
「ボランティア」という言葉の本来の意味として正しい説明を、以下の選択肢の中から選んでください。
1:無償で献身すること
2:慈善・慈愛の心
3:自由意思で自発的に行うこと
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 3:自由意思で自発的に行うこと です。
2:慈善・慈愛の心 は、「チャリティ」の語源です。
「ボランティア」は日本では「無償労働」と誤解されがちですが、もともとラテン語の「ボランタス(Voluntas)=自由意思」を語源とする言葉であり、ここから生まれた英語「ボランティア(volunteer)」は、動詞では「自発的に申し出る」、名詞では「志願兵」などを意味し、本来「無償」という意味は含んでいません。
日本でも「自発的に行う社会参加活動」を意味しますし、「有償ボランティア」という表現は、経理上も成立します。
「有償ボランティア」は労働基準法で保護される「労働」とは別で、たとえば
「チャリティイベントなので、スタッフとして参加してくださる皆さまへのお礼はお弁当代程度、具体的には1日につき一律800円支給になります。」
というような条件のもとで「自発的にスタッフとして働く」場合、1日800円受給の経理処理を伴う「有償ボランティア」になります。
「ボランティア」は対価に関わらず、その活動に対して「自発的に申し出る自由意思」を意味する言葉なのです。
「チャリティ」は「慈善の精神(による公益的活動)」を意味します。
「福祉」や「チャリティ」に対しては、対価よりも参画の意思が重要であるので「ボランティア」という表現がつきもの、というのが、正しい理解でしょう。
本日は、『国際チャリティーデー』に関連して
・祉(さいわ)い
という難読漢字から、
・福祉(ふくし)
・ボランティア
・チャリティ
などの言葉を深掘りしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱