【第9問】高価な紬(つむぎ)の訪問着は、親族の結婚式や入学式など正式な式典に着ていかれる「格」の着物である。
YES と答えたあなた、不正解です。
着物の生地にも「フォーマル向け」と「カジュアル向け」があります。
最もフォーマル度が高いのが「正絹の後染(あとぞ)め」で、正式な礼装に使用します。
「後染(あとぞ)め」とは、白い生地に後から柄を染め上げる手法で、この手法で作られた着物を「染(そめ)の着物」と言います。
これに対し「先染(さきぞ)め」は、染め上がった糸を組み合わせて柄を織り出した「織(おり)の着物」と呼ばれ、
着物に関しては、「織(おり)の着物」はカジュアル用のカテゴリになります。
「紬(つむぎ)」は、糸にヨリをかけて織る硬めの風合いが特徴の「織(おり)」の素材であり、これで作った着物は基本「カジュアル用」です。
ですので「紬の訪問着」を大雑把に洋服に置き換えて表現するなら「デニム等、カジュアル代表の生地を、あえてフォーマル向けにこだわって仕立てたフォーマル・ドレス」のようなアイテム、ということになります。
ファッショニスタの集いにそうした装いで出席すれば「なんてお洒落なの!」「こだわりのファッションね!」と注目されそうですが、
「親族の結婚式」「入学式」などには、遊び心やお洒落心に寄りすぎていてフォーマル度が低いので、着用を避けますよね?
「入学式」の保護者の装いとしてよく見かける着物に、地紋の入った生地を黒以外の一色・模様なしで染めた「色無地」がありますが、こちらは「準礼装」に入り、一般的に一つ紋を入れることが多いようです。
ゲストも華やかさを添えたい結婚式は「色留袖」や「訪問着」、
保護者として教場を敬いつつ付き添いたい学校行事なら「色無地」など、
和装は、「格」とイメージを併せて考慮した装いが必要です。
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- Precious.jp編集部
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- 参考資料:『きものの種類とTPO』株式会社さが美/『きものと』株式会社京都きもの市場/『キモノ日和は旅気分』たまがわきもの教室