「発端」ってなんと読む?「はったん」と読むと大恥ですよ!
本日10月6日は、アメリカで世界初の長編トーキー(発声映画)が上映された日です。1927(昭和2)年のことです。
日本では昨年末、活動弁士(無声映画の音の代わりに肉声で映画の内容を語る職業)を描いた映画『カツベン!』(周防正行監督)が公開されましたが、こちらは約100年前の日本が舞台でした。
トーキー(発声映画)が登場したのはその数年~10年後になるわけですが、この100年のさまざまな技術の進歩は、大変めまぐるしいものだったのだな、と、改めて感じさせられますね。
100年前はまだ、映画ですら音が同期できなかったのに、いまや、日本中のほとんどの人がスマートフォンでいつでもどこでも、個人が世界中に向けて発信した動画を見ている時代です。
…ということで本日は「発声映画」「発信」の「発」という漢字にスポットをあてたクイズをお送りします。
まずは小手調べの1問目から。
【問題1】「発端」ってなんと読む?
「発端」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「ものごとの始まり。いとぐち。」という意味の日本語です。
<使用例>
「映画の役者の声が聞こえたら、どんなに素敵だろう!という憧れの気持ちが、音の出る映画システム開発の発端だったんじゃないかしら?」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 発端(ほったん) です。
「発」の音読みには「はつ/ほつ」がありますが、「はつ」のほうがポピュラーなので、「ほつ」と読む単語には要注意です。「ほつ」と読む熟語は、出題の「発端(ほったん)」のほか、「発起(ほっき)」「発作(ほっさ)」などなど、いろいろあります。
「新内閣発足」などの「発足(ほっそく)」は、実は「はっそく」と読んでもOKなのですが、「ほっそく」のほうが浸透度が高いので、「はっそく」と読むと、教養が無いゆえの誤読だと思われそうですね。無難に「発足(ほっそく)」と呼んでおくのが良いでしょう。
さて、2問目は、「これが読めたらスゴい!」と感心されるレベルの難読問題です。
【問題2】「発条」ってなんと読む?
「発条」という日本語の「はつじょう」以外の読み方をお答えください。
ヒント:「金属などを巻いたり曲げたりして弾力を持たせたもの。スプリング」「足腰などの弾力性」「行動を起こすきっかけ」などの意味を持つ言葉です。
<使用例>
「どんなにひどい失敗でも、人間は、失敗を発条に成長することができます。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 発条(ばね) または 発条(ぜんまい) です。
ヒントや<使用例>は「発条(ばね)」という読み方に特化して出題しました。
「発条(ぜんまい)」は「巻きしめた発条(ばね)がほどけようとする動力を利用するもの」ということで、「発条(ばね)」と同じ表記をするようです。
意外な難読漢字のように感じますが、「条」という字には「のびる」という意味もあるので、「発」+「条」で「ばね」と読むのは、知れば納得できますね、
本日は「発」という漢字を取り上げ、
・発端(ほったん)/発起(ほっき)/発作(ほっさ)
など、「発(ほつ)」と読む熟語、
・発足(ほっそく/はっそく)
という、実は2つの読み方を持つ熟語、
・発条(ほつじょう/ばね/ぜんまい)
という、意外な意味を持つ熟語
をおさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱