「天邪鬼」ってなんと読む?「てんじゃおに」?…いえいえ、ひねくれ者です!

本日10月7日は『ミステリー記念日』です。

ミステリー小説の先駆者エドガー・アラン・ポーの忌日(1849年10月7日)にちなんでこの日に決まったのだとか。

ポーといえば、世界初の推理小説と言われる『モルグ街の殺人』、初めて小説に暗号トリックを登場させた『黄金虫』、多くのSF作家に影響を与えた『アーサー・ゴードン・ピムの冒険』、恐怖小説の金字塔『黒猫』などなど、どれを代表作、と書いていいのかわからないような鬼才です。

彼の影響を受けたクリエイターは世界中に出現しており、日本でも、文豪・江戸川乱歩をはじめとし、多くの表現者が、ポーをオマージュしています。

Precious.jp読者の皆さまには、少女漫画『ポーの一族』萩尾望都作・小学館)に胸をときめかせた方が多いかもしれません。タイトルに「ポー」、主人公の少年たちが「エドガー」と「アラン」の名を持つこの大傑作は、独特の美しい世界観とキャラクターの魅力、永遠のごとく永い時を生きる吸血鬼一族を描く上での、あえて時系列順に並べられていない構成が見事で、読み進めるうちに、気になっていた部分にパズルのピースがはまっていくような感動を、次々と味わう事ができます。

1972年~1976年で完結したと思われていたシリーズが、40年の時を経て、2016年からシリーズ再開した事も、大変な話題になりました。主人公の一族のごとく、永遠の時を生きるかのようなこの作品は、現在も『月間フラワーズ』(小学館)で連載中です。

…さて、本日の1問目は、鬼才・ポーの作品の日本語タイトルにも登場する「鬼」の入った言葉を出題します。

【問題1】「天邪鬼」ってなんと読む?

「天邪鬼」という日本語の読み方をお答えください。

ヒント:「わざと人に逆らう行動をする人。ひねくれ者」という意味の日本語です。

<使用例>

「ポーの『黒猫』の主人公は、酒乱による天邪鬼な心理のせいで、どんどん道をはずれて行くのよね」

「天」は「てん」と読まず、「鬼」は「おに」と読みません。
「天」は「てん」と読まず、「鬼」は「おに」と読みません。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 天邪鬼(あまのじゃく) です。

こういう性格だと、本人も周囲も疲れますね。
こういう性格だと、本人も周囲も疲れますね。

「天邪鬼(あまのじゃく)」は、もともと民間説話に出てくる小鬼のことですが、その行動性が、人間のひねくれた心理の代名詞として定着しました。

「あなたってホントに天邪鬼ね!」など、口語でもしばしば使われますよね?

ポー作品では『黒猫』の主人公も天邪鬼ですが、そのものずばり『天邪鬼』というタイトルの作品も存在します。

…というところで、2問目のクイズです。

【問題2】「完遂」ってなんと読む?

「完遂」という日本語の読み方をお答えください。

ヒント:「完全に成し遂げること」という意味を持つ言葉です。

<使用例>

「ポーの『天邪鬼』の主人公は、黙っていれば完全犯罪を完遂できただろうに『自分が犯人だと知らしめたい』という衝動で、語っちゃうのよね」

こちら、簡単なようで、大変に誤読の多い熟語なのです。
こちら、簡単なようで、大変に誤読の多い熟語なのです。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 完遂(かんすい) です。

「遂(つい)」とも読みますが、この熟語では「遂(すい)」と読みます。

こちら「かんつい」というカン違いが大変に多いようで、なんと複数の国語辞書に

「完遂(かんすい)」…「完遂(かんすい)」の誤読。

など、誤読について掲載されるほどの、定番にして大間違いなのです。お気をつけください。

本日は『ミステリーの日』、エドガー・アラン・ポーの忌日にちなんで、

・天邪鬼(あまのじゃく)

・完遂(かんすい)

という難読漢字をおさらいしました。

 

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ILLUSTRATION :
小出 真朱