A.ランゲ&ゾーネの歴史は、フェルディナント・アドルフ・ランゲが、1845年12月7日、ドイツ・ザクセンの山間にある小さな町グラスヒュッテに懐中時計工房を設立したことにはじまり、同時にザクセン高級時計産業の幕開けとなった。今回発表された「“F.A.ランゲへのオマージュ” アニバーサリーエディション」は、F.A.ランゲの功績を称える限定コレクションとして製作。
誕生年にちなんで名付けられた、A.ランゲ&ゾーネの伝統技法を現代に伝える“1815” ファミリーのコレクションとなる、「1815ラトラパント・ハニーゴールド」、「1815フラッハ・ハニーゴールド」、「トゥールボグラフ・パーペチュアル・ハニーゴールド」の3モデルで構成され、ともに製作数限定で展開される。
立ち止まらない最新のランゲがここに!
3モデルに共通するエレメントは、ランゲが専用使用権を有する革新的なケース素材ハニーゴールド。ムーブメントにはいずれも、表面に粒状感を持たせた洋銀製プレート、エングレービングにブラックロディウム仕上げを施した受け部品とプレートが組み込まれている。
トゥールボグラフ・パーペチュアル・ハニーゴールド “F.A.ランゲへのオマージュ”
50本限定の「トゥールボグラフ・パーペチュアル・ハニーゴールド“F.A.ランゲへのオマージュ”」。2017年にチェーンフュジー機構、トゥールビヨン、クロノグラフ、ラトラパント、永久カレンダーの5種類の複雑機構を初めて1本の腕時計に搭載した「トゥールボグラフ・パーペチュアル“プール・ル・メリット”」に、特別な装飾仕上げを施したムーブメントと、今までになかったダイヤルが収められている。
時刻とカレンダーを表示する針、ブラックロディウム仕上げのムーンディスクも、ダイヤルと同じハニーゴールドで製作。創造性に富んだデザインを完璧な形で実現するため、ダイヤルとムーンディスクは本社アトリエで製作され、ムーンディスクにあしらう艶があり表面が少し盛り上がった2つの月を、手彫りの星々が縁取る。
キャリバーL133.1は684個の部品を使用。ラトラパント・クロノグラフを制御するコラムホイール、チラネジテンプ、そして職人の手作業による仕上げまで、時を経て受け継がれる高級時計製作技法が用いられる。
1815ラトラパント・ハニーゴールド “F. A.ランゲへのオマージュ”
製作数100本限定で、1分までのラップタイムも計測できる本モデルは、ラトラパント秒針が、クロノグラフ秒針とは別に一旦停止した後、再びクロノグラフ秒針に追いつき一緒に動くことから、フランス語の「追いつく」を意味する動詞rattrapareをもとに、ラトラパントと名付けられた。初めてハニーゴールドをシルバー無垢製のブラックダイヤルと組み合わせ、都会的で洗練された印象を醸し出している。
複雑なラトラパント・クロノグラフ機構は、新たに開発された手巻きキャリバーL101.2のムーブメント側に取り付けられ、タイムやラップタイム計測を制御するために、2個のコラムホイールを用いる伝統的かつ高精度な方式を採用している。サファイアクリスタルのシースルーバックから、ランゲがつくりあげた、精緻な切り替えプロセスの様子をつぶさに見ることができる。
1815フラッハ・ハニーゴールド “F.A.ランゲへのオマージュ”
製作数175本限定。高さわずか6.3ミリのハニーゴールド製ケースに、艶やかなホワイトエナメルで仕上げたツーパーツ構成のダイヤルが映える。明るい地色に、ダークグレーでプリントされたアラビア数字と線路をイメージしたレイルウェイモチーフの分目盛りが、くっきりと浮かび上がる。
手焼きによって青く染められた3個のビスで固定されたゴールドシャトンは、動力が香箱から調速機へ伝わってゆく道筋を示し、機械的にも見た目にも完璧に仕上げるため、ムーブメントは手作業による二度組みが行われている。
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- TEXT :
- 安藤政弘 ライター