「重複」の正しい読み方は?大人として恥ずかしい「慣用読み」ってナニ?
一般社団法人日本記念日協会によれば、本日10月10日は「一番記念日が多い日」です。なんと50もの記念日が登録されているのだとか!『まぐろの日』『赤ちゃんの日』『目の保護デー』『島の日』などなど、実にいろいろな方向性の記念日となっており、すべてご紹介するのもナンセンスですので、さっそくクイズと参りましょう。
【問題1】「数多」ってなんと読む?
「数多」という日本語の「すうた」以外の読み方をお答えください。
ヒント:「数量の多いさま。たくさん」「程度がはなはだしい」などの意味を持つ日本語で、正解の読み方のほうが「数多(すうた)」よりポピュラーな単語です。
<使用例>
「彼は優秀だから、転職するにしても、引く手数多でしょう!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 数多(あまた) です。
「数多(すうた)」と読んでも言葉の意味は同じですが、
「数多(あまた)」という言葉のほうが浸透しておりますので「数多」という熟語を見たら「あまた」と読むのが一般的です。
もともと「余(あま)る」などの語幹にある「豊富にゆきわたる=あま」に、接尾語の「た」をつけ「あまた」となった言葉だとされ、浸透した「あまた」という音に「数多」という表記がついた形です。
本日は数多の記念日が重なった日、ということで、出題してみました。
というところで2問目です。
【問題2】「重複」ってなんと読む?
「重複」という日本語の、本来の読み方をお答えください。
ヒント:「同一のものごとが二度以上重なること」などの意味を持つ日本語です。
「企画書のこの部分、一つの文章の中で同じ言葉が重複しているので、別の表現に直してください。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 重複(ちょうふく) です。
「重複(じゅうふく)」と読んでいた方、多いのででは?本来の読み方は「重複(ちょうふく)」です。
最近は「重複(じゅうふく)」でも正解とされるようになりましたが、そうなった経緯が問題です。「そのように誤読する例があまりにも増えたので、もともとは間違っていた読み方を、いっそ正解の一つにしてしまう」という形で採用された読み仮名を「慣用読み」と言います。「重複(じゅうふく)」は、もともとの日本語「重複(ちょうふく)」の誤読から生まれた「慣用読み」の代表例です。
一応、正解になったとはいえ、ビジネスや公的な場などで使うのは、ちょっと恥ずかしい表現、というイメージですので、大人としては「重複(ちょうふく)」のほうを使用したほうがよろしいでしょう。
本日は、
・数多(あまた/すうた)
・重複(ちょうふく/じゅうふく)
という読み仮名と、
・慣用読み
の意味をおさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱