「霰」ってなんと読む?「あめちり」ではないですよ!おいしいものもあります!
本日10月23日から、二十四節気の秋の暦(こよみ)の最後、晩秋の「霜降(そうこう)」に入ります。「霜(しも)が降る」と書いて「霜降(そうこう)」です。本日から11月6日ごろまで、手紙やメールのあいさつ文に「霜降の候」が使えますよ。
「霜(しも)」といえばもちろん、寒い季節に地面の水分が凍って、柱のように地表を持ちあげる、あれです。「雨かんむり」に「相」、つまり、「人相」など「すがた」を表現する字を合わせて「霜(しも)」とは、雨の降るようすを可視化するように凍る霜にぴったりの表現ですね。
本日は「霜」同様、「あめかんむり」を部首に持つ、成り立ちの面白い漢字をクイズにしてみました。さっそく1問目です。
【問題1】「霰」って何と読む?
「霰」という字の、1文字で日本語として成立する読み方をお答えください。
ヒント:空から降るモノと、おいしいモノ、両方を表せる言葉です。
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 霰(あられ) です。
「あめかんむり」に「散る」と書いて「霰(あられ)」。
もちろん、「空中の水蒸気が凍って降る小さな粒」という気象現象のことですが、
お料理で食材をさいの目状に切ることを「霰に切る」と表現したり、
その形に切ったお餅を上げた小さな餅菓子を「霰(あられ)」と呼んだりもしますね。
氷の粒を散らしたような「霰」は、気象用語上は「直径5㎜未満のもの」を指します。もっと大きな粒(=ひょう)だと、事によっては人や建物が被害を受ける事もありますが、粒の小さな「霰(あられ)」は、てのひらに乗るとチョコンとした愛らしさがありますよね?
調理法やお菓子の呼び名に転用されているのは、愛らしさゆえの親しみからでしょうか?
…さて、2問目に参ります。
【問題2】「霖」ってなんと読む?
「霖」という字の、1文字で日本語として成立する読み方をお答えください。
ヒント:「林」には「ものごとが多く集まっていること」という意味があります。「雨」が多く集まると…?
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 霖(ながあめ) です。
これ一文字で「霖(ながあめ)」と読むのですね!
何日も降り続くような雨を言う「霖雨(りんう)」、
秋に降るそうした雨を指して「秋霖(しゅうりん)」という言葉もあります。
「ながあめ」をデジタル漢字変換すると、ほとんどのツールで「長雨」だけでなく「霖」も出て参りますよ!
晩秋最後の二十四節気「霜降(そうこう)」の時期に入った本日は、「霜(しも)」のように「あめかんむり」を部首に持つ面白い漢字
・霰(あられ)
・霖(ながあめ)
をおさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:NHK放送文化研究所ホームページ
- ILLUSTRATION :
- 小出真朱