伝統工芸のつくり手たちは、ただ同じことを続けているわけではない。核となる技術を継承しながら、常に新しいアイデアを考え、実行していく勇気を忘れない彼らは、マーケティング主導のプロダクトでは生まれ得ない逸品を世に出す力を持っているのだ。フランスが誇るシルバーウェアの老舗、クリストフルもしかり。気鋭の日本人デザイナーとコラボした新作は、名品の本質が感じられる逸品だ。
シルバーの魅力を再認識させる新作が登場
食卓に並ぶ美しいシルバー製テーブルウェアの数々…。1830年の創業以来、最高の品質を唯一の哲学としてクラフトマンシップを守り続けてきたクリストフルのシルバー製品は、現在ホームウェアやギフト、ジュエリーなど幅広いラインアップを揃え、本物を愛する人々のライフスタイルに輝きを添えている。この世界に名だたる老舗から新たに登場したのが、コンステレーションだ。デザインを手がけたのは、建築からプロダクト、ブランディングまで幅広い分野で活躍する日本のデザインオフィス、nendo。製品化に至る経緯を、代表の佐藤オオキ氏に聞いた。
「クリストフルさんからオファーが来たのは3年前で、まずフランスの工房を訪ねて製品づくりの現場を勉強し、その後は意見交換しながらアイテムとデザインを固めていきました。より幅広い層に向けて興味を持っていただけるものは何か、という課題を一緒に考えながら、ブランドの成長に繋げていくプロジェクトで、マーケティング主導のモノづくりではないところが、伝統あるブランドらしい点だと思いましたね」
ラグジュアリーの老舗だけが持つエネルギーを体感できる
そうして出来上がったコンステレーションのアイテムは、桜色やうぐいす色、藍色といった繊細で美しい色彩を取り入れると同時に、トレイやティーボックスなどではウッドに漆処理を施している。まさに、日欧の伝統工芸が融合した、日常使いの逸品だ。
「シルバーと異素材をどう組み合わせるかについては、とくに注意しました。シルバーは経年変化が楽しめる素材ですし、魅力的に見えなくては意味がありませんから」
斬新に見えるなかにも芯が通っているのは、ラグジュアリーの老舗が蓄えてきたエネルギーが、それぞれのアイテムに凝縮されているからだろう。複数の点を線で繋いで、さまざまな物語を紡いでいく星座=コンステレーションへの想いを込めて名付けられた新作は、ギフトやもてなしを通じて人とのつながりを深めるだけでなく、生活の何気ないひとときに、新鮮な風を吹かせることができる。そして、長い時間が経過して、完全に日常の一部となってからも、持ち主の心にそっと囁きかける力を秘めている。それこそが名品たる所以であり、「本物」に囲まれた暮らしは、大人の男が絶対にたどり着くべき領域である。
(問い合わせ先)
■クリストフル 青山本店
住所:東京都港区北青山3-6-20 青山T&E
営業時間:11:00〜19:30
定休日:無休(年末年始を除く)
TEL:03-3499-5031
https://www.facebook.com/ChristofleJapan
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
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