ボルボが、コンパクトSUV「XC40」にマイルドハイブリッド仕様を追加し、日本でも発売が開始された。これがなかなかヨイ。2021年までに内燃機関のみのモデルは廃止すると宣言している同社だけに、パワフルで、気持ちよい出来なのだ。

おすすめは「XC40 B5 AWD R-Design」

「B」シリーズは1968cc4気筒ガソリンエンジンと、専用の48ボルトバッテリーで駆動されるモーターの組合せ。
「B」シリーズは1968cc4気筒ガソリンエンジンと、専用の48ボルトバッテリーで駆動されるモーターの組合せ。
全長4425ミリ、全幅1875ミリ、全高1660ミリのボディは扱いやすいサイズ。
全長4425ミリ、全幅1875ミリ、全高1660ミリのボディは扱いやすいサイズ。

とくに感心させられたのは、ボルボXC40 B5 R-Designというモデル。インタークーラー付きターボチャージャー装着の1968cc4気筒ガソリンエンジンと、専用の48ボルトバッテリーで駆動されるモーターを組み合わせている。

今回は同時にXC40 B4というモデルも発売された。B4とB5のちがいは、ボルボに親しんでいるひとなら先刻ご承知と思う。出力である。前者がB4は145kW(197ps)の最高出力と300Nmの最大トルクであるのに対して、後者は184kW(250ps)と350Nmだ。

仕様は、B4では「モメンタム」「インスクリプション」「R-Design」となり、B5は「R-Design」に一本化される。駆動方式は、B4は前輪駆動とAWDとよばれる全輪駆動が用意されるいっぽう、B5はAWDのみだ。

で、お勧めしたいのは、XC40 B5 AWD R-Designだ。アールデザインとはボルボのなかでも足回りなどがスポーティな設定のモデルをいう。じっさいにキビキビとしたハンドリングであるものの、いっぽうで、スムーズで、じつに気持ちがいい。

「B」というシリーズは、小さな電気モーターでエンジンのサポートを行うところに特徴をもつ。たとえば、エンジンがあまり得意でない発進時。瞬時に最大トルクを立ち上げるモーターでスタートする。おかげでもたもた感はいっさいなし。しかも、アクセラレーターを強く踏み込んでガソリンを無駄遣いしているような罪悪感とも無縁。

ステアリングフィールは、すこしゆるい、というか、中心ふきんでウルトラクイックではない。しかし鈍ではない。切ったらちゃんと曲がる。クルマはドライバーの意思にきちんと従ってくれる感覚を保ち続ける。ボルボ車の操舵感はほんとにうまい設定だ。

モーター付きの効果は思いのほか高い

パワフルなB5 AWD R-Designは、全輪駆動で、かつスポーティな足回りが組み込まれている。
パワフルなB5 AWD R-Designは、全輪駆動で、かつスポーティな足回りが組み込まれている。
Lavaというバーミリオン主体の内装はオプション。
Lavaというバーミリオン主体の内装はオプション。

高速道路での巡航時の急加速でもモーターは動くし、いっぽう、低負荷の走行はエンジンが休止するシステムにおいても重要な役割をはたす。急加速が必要になったときは、モーターの大トルクが瞬時に発生するのだ。これによって燃費にも貢献、とボルボではしている。

モーターはエンジンの出力軸にかけられたベルトを使う。一般にはインテグレーテッドスタータージェネレーターと呼ばれることもあるシステムだ。

エンジンの出力の出方と、モーターのサポートぐあいがうまいぐあいに噛み合っているのがB5だと思う。どの回転域でもトルクが途切れることのないバッテリー駆動の電気自動車のようなスムーズさだし、アクセラレーターを強く踏み込んでの加速でも、いっさい息継ぎが感じられない。

モーターを組み込んだ“電気化”によって、燃費は実生活での使用条件とほぼおなじ数値が出るWLTCモードで、リッター12.8キロ。モーターを組み込んだことで、たしかに、環境適合性(走行距離あたりのCo2排出量の低減)が高まっている。

いっぽうで、ここで記してきたとおりで、走りがよい。とりわけB5は、ボルボのエンジニアが目標としていたとおりの仕上がりになったのではないだろうか。

価格は、「B4モメンタム」479万円、「B4 AWDモメンタム」499万円、「B4 AWDインスクリプション」539万円、「B4 AWD R-Design」539万円。今回の「B5 AWD R-Design」は589万円となる。

問い合わせ先

ボルボ

TEL:0120-922-662

この記事の執筆者
自動車誌やグルメ誌の編集長経験をもつフリーランス。守備範囲はほかにもホテル、旅、プロダクト全般、インタビューなど。ライフスタイル誌やウェブメディアなどで活躍中。
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