「湯湯婆」ってなんと読む?「ゆばーば」じゃないですよ!…ほっこりします

本日から、暦(こよみ)は「立冬(りっとう)」に入り、いよいよ冬…ということになります。寒さや乾燥対策は大変ですが、空気が澄み、食べ物がおいしくなる…などなど、冬ならではの美点も楽しめますよね。四季のはっきりした国・日本の冬をじっくり楽しんで参りましょう。

本日は、現代俳句の冬の季語から、難読クイズをお送りします。

【問題1】「炭竈」って何と読む?

「炭竈」という日本語の読み方をお答えください。

ヒント:「木材を蒸し焼きにして炭を製造する窯(かま)」という意味の言葉です。

<使用例>

「小学生の甥が『炭竈』なんて難しい字をスラスラ書いていて、驚いたわ!」

「○○○○」と読み仮名4文字です。
「○○○○」と読み仮名4文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は…炭竈(すみがま) です。

最近の小学生は、本当にこの字が書けるらしいです。…なぜ?
最近の小学生は、本当にこの字が書けるらしいです。…なぜ?

「竈」と言う字は、1文字では「竈(かまど)」と読みますが、「炭竈(すみがま)」は「塩竈(しおがま)」などと同じように、他の要素と組み合わさって「かま」と略語で読む例です。

こちらは初秋・仲秋・晩秋すべて、三冬(さんとう)を通して使える季語になります。

山の中に、粘土や石煉瓦などで築かれ、まとめて炭を製造する道具が炭竈ですが、昔は炭を暖房器具の熱源としても使用していましたから、冬の季語…ということでしょう。

さて皆さま、例文のように、最近は小さなお子さんが「炭竈」という難しい字を正確に書ける・・・という現象が起きているようです。なぜだかご存知ですか?

実は社会現象とも言われる大ヒットコンテンツ『鬼滅(きめつ)の刃』の主人公が、炭焼きをなりわいとする家のの息子で、「竈門炭治郎(かまど たんじろう)」という名前なのです。「炭竈」という言葉、子どもたちならば「竈門炭治郎の略称かなにか?」とカン違いの連想をするかもしれません。

『鬼滅の刃』は大正時代を舞台としており、和のテイストも魅力的な作品で、作中にはキャラクター名や難しい技(わざ)の名前が印象的な書体で登場します。そこで子ども達は大好きなヒーローの似顔絵を描いては、横に「竈門炭治郎」とキャラクターの名前も書道風に書き入れ、同時に難しい漢字も覚えてしまう…というわけです。

「炭竈(すみがま)」の「竈(かまど)」という字、いきなり正確に書ける方は少ないと思いますが、子どもたちにとってはもはや「当たり前に覚える字」になっているようです。

…さて、2問目も、冬の季語の難読クイズです。

【問題2】「湯湯婆」ってなんと読む?

「湯湯婆」という日本語の読み方をお答えください。

ヒント:昔からある、簡便な暖房器具の名称です。

<使用例>

「雑貨屋さんでカラフルな湯湯婆を見つけて買ってみたの。温かいし、エコだし、ベッドに入れるとよく眠れるの。」

「○○○○」と読み仮名4文字です。
「○○○○」と読み仮名4文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 湯湯婆(ゆたんぽ) です。

実は難読漢字クイズの定番的な問題なのですが、読めましたか?

こちらはスタジオジブリのアニメーション作品『千と千尋の神隠し』のキャラクター、『湯婆婆(ゆばーば)』と混同してしまいそうですが、

『湯婆婆(ゆばーば)』は「婆」の字が二つ、

「湯湯婆(ゆたんぽ)」のほうは、「湯+湯婆(たんぽ=湯を温める器)」で、「湯」の字が二つ重なっています。

「湯湯婆」は懐かしい道具、というイメージがありますが、最近はエコロジカルな暖房器具として見直され、雑貨店に可愛らしいデザインのものが色々登場しているようです。

本日から「立冬」ということで、冬の季語から

・炭竈(すみがま)

・湯湯婆(ゆたんぽ)

という難読漢字をおさらいしました。

 

この記事の執筆者
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ILLUSTRATION :
小出 真朱