「刃」と「刀」、どう違う?似ているけれど、別々の漢字ですよ!
本日11月8日は『刃物(はもの)の日』という記念日です。「いい(11)は(8)」の語呂合わせと、古来、この日に『ふいご祭(刀鍛冶が鍛冶場の火力調整装置・ふいごの、火の神を祀(まつ)る行事)』を行っていた事から制定されました。
…ということで本日は刃物にちなんだ日本語クイズです。
【問題1】「刃傷沙汰」ってなんと読む?
「刃傷沙汰」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「刃物で人を傷つけるような争いや、騒ぎ。」という意味の言葉です。
<使用例>
「昨夜の帰り道、繁華街で酔った男性同士が、あわや刃傷沙汰?って勢いでもめていて、怖かったわ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 刃傷沙汰(にんじょうざた) です。
今回、タイトルでは「刃傷」の読み方を問いましたが、
「刃」という字の音読みには「じん/にん」があり、「刃傷」の2文字熟語ですと「にんじょう」というポピュラーな読み仮名のほか、漢語的に「じんじょう」とも読めます。意味は「刃傷(にんじょう/じんじょう)」ともに「刃物で人を傷つける事」です。
今回お届けしたいテーマの焦点は「にん」か「じん」か、という部分ではないので、この後に続く焦点がわかりやすいよう、1問目の出題は「刃傷沙汰」にいたしました。「刃傷」は後ろに「沙汰」がつくと「刃傷沙汰(にんじょうざた)」としか読みません。
…これをふまえて、2問目のクイズに続きましょう。
【問題2】「刀傷」ってなんと読む?
「刀傷」という日本語の読み方をお答えください。
※正解は、同じ意味の言葉に対し、音読みと訓読みの2種類あります。
ヒント:「刀できられた傷。また、その傷痕。」という意味の言葉です。
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 刀傷(とうしょう/かたなきず) です。
2問続けたところで改めて確認したいのは「刃(やいば)」という字と「刀(かたな)」という字の違いです。字の形も意味も似ており、混同しやすいですよね?
「刀」という字は訓読みで「かたな」、音読みで「とう」と読み、「刀(かたな)」の象形文字であり、この字が表現しているのは、そのものズバリの「刀(かたな)」です。
「刃」という字は訓読みで「は/やいば/き(る)」、音読みで「じん/にん」と読み、「刀(かたな)」の象形の中に「刃(やいば)の部分」を特に示す「点」を加えることで、「刃物(はもの)」を表現した字です。
「刀」はまるごと1本の刀(かたな)、
「刃」は、刃物(はもの)の部分、をそれぞれ表現しています。
「刃(やいば)」と読むと、単なる刃物(はもの)全般ではなく、「抜刀(ばっとう=鞘から抜いた)状態の刀(かたな)=戦闘状態の刀(かたな)」という意味になります。
「『やいば』って、『刀』と『刃』、どっちの字だったかしら?」と混乱したことはありませんか?
「刀」と「刃」の違い、字の成り立ちを知るとわかりやすくなりますよね?
本日は、『刃物の日』にちなんで、
・刃傷(にんじょう/じんじょう)
・刃傷沙汰(にんじょうざた)
・刀傷(とうしょう/かたなきず)
・刃(やいば)
など、混乱を招きやすい言葉をおさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱