「服う」ってなんと読む?「服」という字はこんな意味もあるんです!
本日11月12日は、『洋服の日』という記念日です。
1872(明治5)年のこの日に、太政官布告(明治初期の法令の形式)により、「礼服には洋服を採用す」という令が発されたことに由来します。それまでの日本では、礼服として「直垂(ひたたれ)」」「狩衣(かりぎぬ)」「裃(かみしも)」など、古来の和服礼装を用いていましたが、これらが廃止され、役人の礼装として洋服を用いることになったのです。
…ということで本日は「服」という字にスポットをあてて深掘りして参ります。
さっそく1問目です。
【問題1】「服む」ってなんと読む?
「服む」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「(薬や茶などを)経口摂取する」という意味の言葉です。
<使用例>
「このお薬は、お食事後30分以内に服んでくださいね。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 服(の)む です。
「服」という字は「衣服」「服飾」などの熟語に使用されるように「着るもの」という意味を持ち、
「服(ふく)」という一種類の読み方のみが常用漢字表に採用され、現在、小学校で学習します。
しかし、「服用」「内服薬」などの熟語上の「服」の意味は「着るもの」ではおかしいですよね?これらの言葉があるのは「服」という字に「経口摂取する」という意味の「服(の)む」という意味と訓読み(常用漢字表に入らない表外読み)があるからです。
「服用」も「内服薬」も日常的すぎて「なぜ服と言う字を使うのかしら?」と疑問を持たれた方は少ないかもしれませんが、改めてひもとくと「なるほど!」と納得できる気づきがあって興味深いですよね?
…というところで、2問目のクイズです。
【問題2】「服う」ってなんと読む?
「服う」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「後につき、ついていく。くだる。」「心から受け入れ、慕う」などの意味を持つ言葉です。
<使用例>
「はねっかえりの私も、尊敬する恩師の言葉にだけは、服うことにしております。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 服(したが)う です。
「服(したが)う」も、表外読みになりますが、「服務規程」「敬服」などの熟語で、意味だけは当たり前のように受け入れ、日常的に使用していますよね?
「着るもの」「のむ」「したがう」、一貫性が無いようにも感じますが、「服」という字はもともと「そえるもの」「ぴったりとよりそうもの」を意図して作られた文字のようです。…由来を知ると、「服(ふく)」「服(の)む」「服(したが)う」、すべて納得できますね!
本日は『洋服の日』にちなんで、「服」という字を深掘りし、
・服(の)む
・服(したが)う
という読み方をおさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:東京都洋服商工協同組合ホームぺージ/『角川新字源海底新版』(株式会社KADOKAWA)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱