「千歳」って「ちとせ」以外になんと読む?ご存知ですか?
11月15日といえば、古来、七五三のお参りが行われる日でしたので、今年は週末も重なり、かわいらしいお子さんの晴れ着姿があちこちで見られそうですね。
11月15日に七五三が行われるのは、旧暦11月が稲などの収穫を終えた時期で、その実りを神に感謝する月であり、
また、旧暦15日は暦(こよみ)の上で「鬼宿日(きしゅくにち=鬼の出歩かない日)」とされ、大変縁起の良い日、とされることから…と言い伝えられています。
七五三と言えば、主役のお子さんの年齢ごとに成長を感謝する日ですが、3歳、5歳、7歳という年齢に、それぞれのお祝いの意味がある…というのは、皆さま、なんとなくご存知でしょう。
…というところで、本日1問目のクイズです。
【問題1】「着袴」ってなんと読む?
「着袴」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「幼児の成長を祝い、初めて袴を着せる儀式。」という意味の言葉です。
<使用例>
「お孫さんは男の子、というと、今年、七五三の着袴のお祝いですね!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 着袴(ちゃっこ) です。
「袴(はかま)」と、訓読みは皆さまご存知だと思いますが、音読みの「袴(こ)」は意外と浸透していませんよね?読めましたか?
さて、七五三のお祝いは、もともと、年齢によって、以下のような意味があります。
3歳のお祝い「髪置(かみおき)の儀」
…平安時代、3歳になると、それまで剃っていた髪を伸ばし始めることから、こう呼ばれました。昔は特に3歳までは死亡率が高かったので、男女ともに3歳をお祝いしました。
5歳のお祝い「着袴(ちゃっこ)の儀」
…男の子のお祝いで、5歳になると、子ども用の着物ではなく、大人と同じ袴を着るようにすることから、初めての袴の着用をお祝いしました。「袴着(はかまぎ)」とも呼びます。
7歳のお祝い「帯解(おびとき)の儀」
…女の子のお祝いで、それまで紐でとめていた着物を、大人と同じように帯を使って着るようになる時期お祝いです。
言葉の部分で気をつけたいのは、5歳の男の子のお祝いの読み方です。
「袴着」と、「袴」が1文字目だと「はかまぎ」と読み、「着袴」と、「着」が1文字目だと「ちゃっこ」と読みます。
意味は同じですが、お祝い事に関する誤読は大人として恥ずかしいので、覚えておきましょう。
…というところで、2問目のクイズです。
【問題2】「千歳」って「ちとせ」以外になんと読む?
「千歳」の「ちとせ」以外の、一般名詞としての読み方をお答えください。
ヒント:「千年。または長い年月」「能の演目『翁(おきな)』に登場する役名」などの意味を持つ言葉です。
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 千歳(せんざい) です。
七五三に欠かせない「千歳飴(ちとせあめ)」ですが、「千歳」だけですと、「ちとせ」のほか「せんざい」とも読みます。
「千載一遇(せんざいいちぐう)」という四字熟語がありますが、現在は「千載」の字を使うことが多いものの、実は「千載=千歳」であり、「千歳一隅」と書いても正解なのです。
…と、一般名詞として考えると、「千歳(ちとせ/せんざい)」ですが、
「年齢」を表現する「歳」と考えると「千歳(せんさい)」とも読めますね!そこまで歳を重ねられる生き物というと、筆者は樹木くらいしか思い当たらないのですが、他にあるでしょうか?…余談でした(笑)。
本日は七五三にちなんで、
・着袴(ちゃっこ)
・千歳(ちとせ/せんざい)
などの言葉をおさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:村松山虚空蔵堂ホームページ/『晴れ着のアレコレ』株式会社丸昌
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱