「挨拶」のもともとの意味、ご存知ですか?とってもアカデミックでびっくりです!
本日から3連休ですね。11月21日は、三連休の最初にふさわしい、国際的な記念日であること、ご存知でしょうか?
『世界ハロー・デー(World Hello Day)』です。
1973(昭和48)年のこの日、当時のエジプトとイスラエル間で紛争危機が起きていました。この紛争を収めるために奔走した人々の提唱で「紛争よりも対話を」というメッセージを込めた記念日『世界ハロー・デー』が制定されたのです。
『世界ハロー・デー』は、個人的コミュニケーションも平和を維持するために重要である、という考え方のもと、「この日に、10人の人と挨拶をする」ことを推奨しています。
現在はコロナ禍もあり、10人と対面での挨拶は難しいかもしれませんが、幸いなことに、現代の私たちには、メールやSNSなど、気軽なコミュニケーション・ツールがあります。せっかくの連休初日でもありますし、ふだん連絡しにくい方と『世界ハロー・デー』を話題にコミュニケーションしてみる、というのも素敵ですね。
さて、本日は「挨拶」という言葉を、クイズで掘り下げていこうと思います。
さっそく1問目です。
【問題1】「拶る」ってなんと読む?
「拶る」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「すぐそばまで近づく。すり寄せる。ぎりぎりまで押し寄せる。」などを意味する言葉です。
<使用例>
「対話によって、相手の心や精神状態に拶ることもできるのよね。」
・・・さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 拶(せま)る です。
「挨拶(あいさつ)」の「拶(さつ)」の訓読みです。
ちなみに「挨(あい)」のほうの訓読みは「挨(お)す」「挨(ひら)く」で、
「挨拶(あいさつ)」という熟語の、字のままの意味は「おしひらいて、ちかづく」になります。
さて、ここで2問目に参りましょう。
【問題2】「挨拶」って、もともと、どこで使われた言葉?
「挨拶」という言葉は、もともと、どのような場から誕生した言葉でしょうか?選択肢の中から正しいものを選んでください。
1:仏教
2:政治
3:武道
さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 1:仏教 です。
「挨拶」とは、もともと、禅宗の僧侶が交わす問答を意味した言葉でした。
問答と言っても、趣向をこらしたクイズのようなものではなく、
日々の共同生活の中や、久しぶりに出会った際などに交わす、なにげない対話に込められた精神性を意味しています。
ちょっとした問いかけに、相手がどう答えるか?…という「問答」の中から、相手の精神性、つまり、修行の度合いを察し取る…というような一連の流れを表現した仏教用語が「挨拶(あいさつ)」だったのです。
そんな深みのある言葉が、ここまで広く一般に流布した、と知ると、興味深いですね。
修行僧でなくとも、軽い挨拶の中から、相手の方の心持ちをなんとなく察する…という事、ありますよね?言葉づかい、声のトーン、表情…ごく短い対話の中からも、汲み取れることはあるものです。それが可能なのは、相手を察する気持ち…つまり、対話によって、自然と相手を思いやる気持ちが発生するからかもしれません。
『世界ハロー・デー』から始まる3連休、「挨拶」や「対話」について、改めて意識してみてはいかがでしょうか?
本日は、
・拶(せま)る
・挨(お)す
・挨(ひら)く
の読み仮名と、
・「挨拶(あいさつ)」の語源
についておさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:The World Hello Day web site/『漢字文化資料館』株式会社大修館書店
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱