マックスマーラやドルチェ&ガッバーナなど、Precious.jpでも人気の海外トップブランドのプレスを歴任してきたロイ・明美さんによる連載企画。

結婚を機に英国へ渡りロンドンで暮らし、2014年からはスコットランドへと住まいを移した彼女の素敵なカントリーライフを、自然、食、インテリアなどさまざまな側面からお伝えします。

今回は、ロイさんが暮らすコテージの周囲にある草原や川などから素材を調達してつくってきた、エコなDIYについて教えてくれました。

チャーミングな作品の数々は、コテージを取り巻く自然と調和。まるで童話の世界のワンシーンのようにほっこりと優しい景色を生み出しています。

本格的な寒さがやってくる前に、自然素材を使ってメイクオーバー!

10月最終週末から冬時間に変わり、日照時間も短くなっていきます。うんと寒くなる前のこの時期は、フィールドに咲くワイルドフラワー、敷地内の大木や川で拾った小石などの自然素材を使って、コテージのフィールドやインテリアをメイクオーバーします。

夏に摘んだワイルドフラワーは、押し花にして額装しました。押し花を作るプレス器も即席DIY。丈の長い花も入るように、50cm四方の厚手の木の板を重ねて、四方にネジをつけました。

押し花のバックグランドには和紙。和紙が持つ優しい温もりや自然の風合いが、スコットランドの素朴な花を際立たせてくれます。

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奥行きのあるフレームはIKEAのもの

暖炉の後ろの壁に備え付けられた赤煉瓦も、清流で洗われた天然の小石でメイクオーバー。

夫が何度も川に平たい小石を拾いに行って、根気よく時間をかけてセメントで貼っていきました。私は、ティータイムにお茶とお菓子の用意をするのが役目です。

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小石をひとつずつ丁寧に貼り付けます。
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完成形!暖炉の色ともしっくりなじみました。

仕上げにまわりを黒くペイントした木材で囲んで、天然小石の壁のでき上がりです!

間伐したフィールド内の木々を、すべて残さずリサイクル!

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木々が密にならずに呼吸できて、光が程よく入るように間引きます。

フィールド内の木々は、お互い近くなりすぎないよう、地面に光が当たるように間伐します。伐った木は、残さず全部リサイクル。暖炉の薪に使ったり、ベンチをつくったり、橋やオブジェにリフォームしています。

プロのテクニックが必須の電気ノコギリを使う大きな仕事の場合は、村のtree surgeon(植木職人)さんにお願いするのがお約束です。

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木でつくったマッシュルームのオブジェと、我が家の愛犬ビッツ

村に住んでいたエドワードさんがつくってくれた大小5つのマッシュルームのオブジェ。池の真ん中の小さなアイランドに無造作に置いて、椅子代わりにもなっています。

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木を組んで、川に架けた橋を渡るビッツ

魚釣りに絶好のスポットには、景観にブレンドするようにと、まわりにある木を切って橋をつくりました。最初は恐々とだったのに、慣れてきたら橋の途中から小走りで渡っていた愛犬ビッツの姿も、懐かしい思い出。とっても可愛かったです。

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木のベンチの脚はカットした丸太です。

フィールドの一番見晴らしのいい丘の上にベンチを置きました。座面部分は大木を縦に半分に切ったもの、脚は丸太を使っています。

この丘は、私たちが結婚式を挙げたところでもあり、5年前に亡くなった愛犬ビッツも眠っている、我が家にとってスペシャルな場所なのです。

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芝を刈ってつくった道を行くとベンチに辿り着きます。

コテージ名「もぐら塚」を記した表札や標識もハンドメイド!

玄関の表札や、ドライブウェイに立てたコテージへの標識は、端材を利用。

村のコテージにはそれぞれ名前がついていて、表札や標識にはコテージ名を記します。我が家のコテージ名は、Cnoc Famh(ノック・ファーム=もぐら塚)です。

表札はカットした端材の板にヤスリをかけて、東急ハンズで購入した木製文字を貼り付け。緑と石と調和するように、文字を茶色に塗って全体をニスでコーティングしました。

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コテージ名を記した、玄関の表札

ドライブウェイの標識は、矢印の形にカットした端材を白く塗り、コテージ名を黒でレタリング。細い木に釘で打ち付けて完成です。

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ドライブウェイの標識もハンドメイド

色褪せてきたら塗り直して、大切に使っていく。古くなっても手をかけることで長持ちするし、よりしっくりと風景になじんでいきます。

東京に住んでいたときには経験しなかった、そんな自然のなかの発見がいっぱいあるのも、この暮らしの魅力です。

今日のおすすめ「なごみワンコ」は…ボールがご飯より好きなピクシーくん 

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ビッツの行動を真似することが多かった、ボールが大好きなピクシー

ビッツの最初の飼い主で、我が家にビッツをゆだねてくれた仲良しの友人宅のワンコ“ピクシー”は、ボール遊びが何よりも好き。

一体、何回投げたら気が済むのかと100回試したけれど、それでもボールを持ってくるのでこちらが断念。ビッツと一緒に育ったピクシーは、いつもビッツのあとを追いかけていく健気な可愛いワンコです。


以上、スコットランド在住のロイ明美さんの連載第4回をお届けしました。

ささやかだけれど丁寧で、センスのよさが随所に感じられる「リアル・ラグジュアリー」なライフスタイル。次回はどんなエピソードが届くのか、ぜひお楽しみに!

この記事の執筆者
東京生まれ。父の仕事の関係で小学生時代をペルーのリマで、高校から大学までを米国シカゴで過ごす。帰国後、ジョルジオ・アルマーニ、マックスマーラ、ロメオ・ジリ、シンシア・ローリー、モスキーノ、ドルチェ&ガッバーナと海外有名ブランドのプレスを歴任。東京で知り合ったスコットランド出身のカメラマンのご主人と8年の遠距離恋愛の末、2005年に結婚して英国へ。 撮影コーディネートや、伝統工芸の取材執筆などを手がけながら、温かくセンスのいいカントリーライフを楽しんでいる。掲載写真の多くは夫のコリン・ロイ氏によるもの。インスタグラムアカウント:akemi_okumura_roy