「復び」ってなんと読む?「ふくび」ではおかしいし…。なるほど!と納得の読み方です!
本日11月27日は『ノーベル賞制定記念日』です。
1895年のこの日、スウェーデンの科学者ノーベルが、自らの発明であるダイナマイトで得た富を、人類に貢献した人に与えたい…という遺言を書いたことがきっかけで、のちにノーベル財団が設立され、世界中に知られる『ノーベル賞』が設立されました。
ノーベル賞の授賞者は例年10月ごろに発表され、ノーベルの忌日である12月10日に授賞式が行われています。
さて皆さま、ノーベルがこの賞を設立したきっかけの一つと言われる、ノーベルに大変なショックを与えたエピソードをご存知でしょうか?
…というところで、本日1問目のクイズです。
【問題1】「評う」ってなんと読む?
「評う」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「ものごとの理非や可否などを論じたてる」「非を取り立てて言う」などの意味を持つ言葉です。
<使用例>
「彼の研究が人類に貢献したのは確かなのに、マイナスポイントを評うような記事が書かれるなんて!」
・・・さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 評(あげつら)う です。
さて、ノーベルの発明で最も有名なのが「ダイナマイト」です。大きな爆発力があることはわかっていたものの、安全に取り扱う技術がなかった化合物・ニトログリセリンを、大量かつ安全に使用できるようにしたのが「ダイナマイト」です。この発明により、採掘や建築の現場は画期的な効率性を得て、鉄道や道路などのインフラ整備に多大に貢献。ノーベルは30代にして巨万の富を得ます。
ノーベルが50代半ばのころ、彼に関連する誤報記事が新聞に掲載されます。ノーベルの兄が亡くなった際、ノーベル自身が亡くなったとカン違いした記者が、こんな見出しを使ったのです。
『死の商人、死す』
ノーベルが火薬・爆発物の優秀な研究者であったことは言うまでもなく、彼の発明は軍事兵器をも発展させました。しかし、この書き方は人類の生活の向上に大きく貢献した研究者に対して、あまりにも辛辣です。この記事を目にしたノーベルは大きなショックを受けたそうで、この経験が『ノーベル賞』設立に大きく影響したのではないか?と言われています。
ノーベルは生前から、若い研究者の援助や、研究所への寄付に熱心な人でもあり、『ノーベル賞』という偉大なアイデアのために財産を遺す、という発想は、いかにも彼らしくも見えます。
さて、『ノーベル賞』と言えば、日本で記憶に新しいのは、昨年、「リチウムイオン電池」の開発が評価され、化学賞を受賞された吉野彰さんでしょう。「リチウムイオン電池」はスマートフォンのバッテリにも使用されていますので、皆さま身近に触れていらっしゃると思いますが…なにが画期的なのか、説明できますか?
というところで、2問目のクイズです。
【問題2】「復び」ってなんと読む?
「復び」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「同じ状態や動作をくりかえす」という意味の言葉です。
<使用例>
「従来の電池が一方通行で使いきるタイプだったのに対し、リチウムイオン電池は復び充電して使用できるのです。」
さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 復(ふたた)び です。
「再(ふたた)び」という表記がポピュラーですが、「復活」「回復」などの熟語にも使用する「復」の字をこう読むのは納得ですね。そうです、「リチウムイオン電池」の画期性は「使い切り」ではなく「充電で電力供給力が復活する」ところにあるのです。
従来の電池は、電子の流れが一方通行だったのに対し、
「リチウムイオン電池」は一つの電池の中に仕込まれた二つの板の間を、電子が行ったり来たりできる構造になっており、充電によって「くりかえし使える」特性を備えています。
本日は、『ノーベル賞制定記念日』にちなんで、
・ノーベル賞関連トリビア
と、
・評(あげつら)う
・復(ふたた)び
の読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:The official website of the Nobel Plize /『ノーベル賞2020 NHK特設サイト』日本放送協会
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱