「関(せき)の山」の「関(せき)」って何?…意外な語源にびっくり!

本日11月28日は『税関記念日』です。

税関といえば、輸出入に関する業務を行っている機関ですね。昔は「運上所(うんじょうしょ)」と呼ばれており、1872(明治5)年11月28日に、現在の「税関」という呼称に統一されました。これにちなんで、旧大蔵省(現在の財務省)が制定したのか『税関記念日』です。

一般の人々が税関に係わる機会で最も多いのが、海外旅行時の税関検査でしょう。外国に渡航したり、外国から帰国する際に持ち込む荷物を「関税」がかからない範囲に抑える…という方が多いのでは?

「関税」検査をしている「税関」、同じ漢字を使っていて混乱しそうですが(笑)、

税関」は「輸出入に関する業務を行う行政機関」で、

関税」は「輸入品にかかる税金」です。

「関」という漢字は、「門をとざすための道具、かんぬき」を表現した字で、「関所(せきしょ)」「物と物のつなぎめ」「かかわり」など、「かんぬき」のイメージと関連するさまざまな意味を持っています。

「税関」「関税」という熟語で、どちらも「関所」という意味で使用されていますね。

…というところで、本日1問目のクイズです。

【問題1】「関(せき)の山」の「関」って何?

「できる最大の限度/精いっぱい」という意味で使われる慣用句「関の山」の「関」とは何でしょうか?次の選択肢の中から正しいものを選んでください。

1:人間同士の関係

2:関所

3:地名

「関の山」の「関」ってなに?
「関の山」の「関」ってなに?

・・・さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 3:地名 です。

「関の山」の「山」も、意外な意味だったりします。
「関の山」の「山」も、意外な意味だったりします。

「私ができることといえば、この程度が関の山よ」など、日常会話でも自然に出てくる慣用句「関の山」ですが、「関の山」という言葉が何を意味しているか、深く考えた事はない、という方が多いのでは?

「関の山」とは、「三重県関(せき)町(現在は市町合併し、亀山市)から、祭の時に出される山車(だし)」に由来する言葉です。

関西では「山車(だし)」のことを「山(やま)」と呼ぶそうで、関町から八坂神社の祇園祭に出される山車が、大変に立派なものだったため、「これ以上のものはない」という意味で「関の山」という言葉が使われるようになったのです。

ですので「関の山」の「関」は「地名」です。

さて、2問目のクイズは、「税」という字にスポットを当てましょう。

【問題2】「税」って「ぜい」以外になんと読む?

「税」という字の「ぜい」以外の読み方と、同じ読み方を持つ漢字を、選択肢の中から選んでください。

1:貢(みつぎ)

2:賃(やと-う)

3:貪(むさぼ-り)

どれでしょうか…?
どれでしょうか…?

さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 1:貢(みつぎ) です。

「税」は「みつぎ」とも読むのです!

「貢」という字は「貴重なものを差し出す」という状況を表現した字で、「貢物(みつぎもの)」という言葉は、「献上品」という意味のほか、「物で税を納めていた時代の、税となる物」を意味します。

「税」という字は、「穀物」を表す「禾」と、「脱」の原字「兌」から成り、「身につけた収穫から抜き取る」という状況を表現した字で、訓読みは「税(みつぎ)」なのです。

お金で貢(みつ)ぐのは「税金」というわけですね。

本日は『税関記念日』にちなんで、

・関の山

という慣用句の語源と、

・税(みつぎ)

という読み方をおさらいしました。

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Precious.jp編集部 
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参考資料:『漢字カフェ』公益財団法人日本漢字能力検定協会
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小出 真朱