クロノスイスは、1981年にドイツ人時計師ゲルト・R・ラング氏によってミュンヘンに創設された独立系のウォッチブランドである。組み立て工房をドイツに置き、パーツやムーブメントはすべてスイスメイドを使用。設立当時、クオーツ全盛期にあったが、ラング氏は、あくまでクラシックな機械式時計にこだわり、時計師としての高い技術力を注ぎ込んだ腕時計づくりを独歩する。
技術にかける情熱が機械式時計復権に導いた
1987年に、時、分、秒を独立して表示する、レギュレーター式ダイヤルの腕時計としては初の量産モデルを、1995年には、世界初のスケルトンダイヤルを搭載した自動巻きクロノグラフ「ヴィータ」を発表。腕時計愛好家に称賛され、同時に、機械式時計復権にも貢献を果たした。
2012年、オリバー・エブシュタインが新CEOに就任し、本社をドイツから、スイスのルツェルンに移転する。2013年には、技術が失われつつある伝統工芸を再生するため、ルツェルンにエナメル焼成装置およびギョーシェ彫刻機を設備したアトリエを設立。ゲルト・R・ラング氏の哲学を受け継ぎながら、ダイヤルからムーブメントまでを熟練した時計職人が手作業で仕上げている。高品質・小ロットに徹っし、アトリエで年間に生まれる機械式時計は3000本にとどまるが、時計好きの評価は極めて高い。
伝統とモダンの融合から生まれた逸品
現在、クラシックとスポーツの2本柱で展開しているが、誇るべき両輪を融和したタイムピースが、新作の『レギュレーター クラシック カーボン・レーサー』だ。
ダイヤルには、レーシングカーの車体やヘルメット素材に用いられる、軽く、強度が高く、剛性にも優れるカーボンファイバーを採用。ダイヤルのベース部分にはブラックカーボン、ミニッツスケールと秒針は鮮やかなレーシングレッド。さらにインデックス、トライアングルハンド(時分針)はスーパールミノバのホワイトは塗布され、レーシングカーのスピードメーターを連想させるレーシーな雰囲気をまとっている。
ダイヤルの12位置の時表示にあるインナーサークルにはギョーシェ彫り装飾が施され、6時位置のレーシンググレッドの秒針がセットされるスモールセコンドはスケルトン仕上げ。クロノスイス伝統のディテールであるオニオンスタイルのリューズや側面をコインエッジ加工とヘアラインで仕上げたベゼルも健在。細部に至るまで、伝統と最新技術が融合したモダン・メカニカルなディテールを見ることができる。
バリエーションはSS製ケース&ブレスレットと漆黒のラバーストラップの2種類。どちらもパワーリザーブ42時間を有する、自動巻ムーブメントキャリバーC.295を搭載し、その精緻な動きを、ネジ込み式のシースルーケースバックから楽しめる。ケース素材をステンレス・スティールにすることで、腕時計ファンを魅了するレギュレーターモデルでありまがら、買い求めやすい価格も実現している。スポーツスタイルの新たなエポックとして、紳士の腕を飾ってくれるだろう。
問い合わせ先
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
Faceboook へのリンク
Twitter へのリンク