「透綾」ってなんと読む?「とうあや」ではありません。…繊細な美しさです!
1958(昭和33)年の本日12月1日、日本に初めて登場した、国民全員が知っているモノといえば、なんでしょうか?
ヒント:当時は高度経済成長期の初期にあたり、日本は空前のインフレを迎えていました。
…思いつきましたか?
答えは「一万円札」です。
各所で高額紙幣の需要が高まっていたのですね。
紙幣と言えば、印刷技術の最高峰に触れられるアイテムでもあります。超細密画像、ホログラムインク、潜在画像、パールインキ、マイクロ文字、特殊発行インキ…偽造防止のため、あらゆる高度な印刷テクニックが小さな1枚に惜しみなく盛り込まれており、改めて鑑賞すると美術品のような趣があります。
特に面白いのが「透かし」でしょうか?光源に透かすと、紙の繊細な厚みの変化を使って刷り込まれた肖像が浮かび上がり、マジックのようです!
本日は「透」という字の入った意外な日本語をクイズでおさらいして参ります。
【問題1】「透波ぬく」って何と読む?
「透波ぬく」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「秘密や醜聞を不意に暴露する」「刀などをだしぬけに抜く」という意味の言葉です。
<使用例>
「この記事を見て!すごい秘密が透波ぬかれてるわ!」
・・・さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 「透波(すっぱ)ぬく」 です。
「素破(すっぱ)ぬく」とも書きます。
「すっぱぬく」という言葉に、こんな漢字表記があったのですね!
「すっぱ(透波/素破)」とは、武家が雇った間者・つまりスパイ行為をする忍びの者を指す言葉で、あまりにも素早く意表をつく仕事ぶりから「透波のようにだしぬく=透波ぬく」という言葉が生まれたようです。
…さて、2問目も「透」の入った意外な言葉のクイズです。
【問題2】「透彩」ってなんと読む?
「透彩」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「透けて見えるような薄い絹織物」という意味の言葉です。
「来年の夏にはぜひ、透彩の和服を着てみたいわ。」
さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 透彩(すきや) です。
和服に、「絽(ろ)」や「紗(しゃ)」と呼ばれる、涼しげに透ける素材がいろいろありますが、こうした絹織物の総称が「透彩(すきや)」です。「透ける彩(あや=糸の交差)」という意味の「すきや」です。
夏の間しか身に着けられない和服は贅沢ですが、エレガントで大変美しく、素敵ですよね?
本日は、日本初の1万円紙幣が登場した日にちなんで、「透」という字の入った日本語
・透波(すっぱ)ぬく
・透彩(すきや)
をおさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:日本銀行ホームページ
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱