「思い出」と「想い出」の違いは何?書き分けの必要はあるの?
本日12月5日は、『アルバムの日』です。
最近はデジタルの記録媒体が発達しているので、「とりあえず写真をとっては残してある」という方も多いのでは?『アルバムの日』が12月5日になったのは、12月が「その年の思い出を振り返る月」であることと、アルバムづくりが「そのうち、いつか(5日)…」と後回しにされがちなことをふまえての選択だそうです。確かに、「いつか写真を整理しなくちゃ」と思いながら月日がたつ…ということ、ありますよね?
さて、アルバムと言えば、思い出を形に残す象徴的なアイテムですよね?本日の1問目は「形」という字から難読クイズを出題します。
【問題1】「形振り」ってなんと読む?
「形振り」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「身なりとふるまい」という意味の言葉です。
<使用例>
「お父さんが事故にあったって聞いて、形振りかまわず駆けつけてしまったけど、かすり傷でよかったわ!」
・・・さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 形振(なりふ)り です。
「形」という字は、「身なり」を意味する「形(なり)」とも読むのです。
アルバムの話題に戻りましょう。みなさま、「思い出」「想い出」ふたつの表記の意味の違い、意識していらっしゃいますか?
「思(おも)い」は常用漢字表に記載されている読み方ですが、
「想」の読み仮名で常用漢字として認められているのは「ソウ」「ソ」のみで、「おも-い」は常用外になります。ですので、公式の文書などでは「想(おも)い」という表記は避けたほうが無難、ということになります。
しかし一般的に「想(おも)い」をという表記は浸透していますし、「思い出」と書くより「思い出」と書いたほうが叙情的なイメージ、ありませんか?
字の成り立ちをひもといてみますと、
「思」は、「頭」を意味する「田」と「心」からできており、「頭と心で考える」ことを表す字です。
「想」は、「木を目で見る」という状況から「あい互いに」という意味ももつ「相」という字と「心」からできており、「対象を見て考える」ことを表す字です。
国語辞典では「思う」と「想う」は同じ意味である、とされているものがほとんどで、明確な違いは定義づけられてません。
しかし一般に「想う」のほうを、より情緒的に感じる人が多いのは、
「思う」という字が「自分の頭と心」のみで構成されているのに対し、
「想う」という字には「対象(相手)を見る目」で「考える」という、「相手を思う気持ち」ありきで構成されている、という部分を、使い手がなんとなく感じるからかもしれません。
アルバムで編集するのは「想い出」のほうがしっくりくる気がしますね?
さて、昨今はデジタル環境の発達もあり、写真のことを「画像」と呼ぶことが多くなりましたね。2問目は「画」という字の入ったクイズです。
【問題2】「画餅」ってなんと読む?
「画餅」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:慣用句でいう「画(え)に描いた餅(もち)」、つまり「実際に役にたたないもの」を意味します。
<使用例>
「壮大な理想ばかり語られても、画餅に過ぎないわ!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 画餅(がべい) または 画餅(がへい) です。
「画に描いた餅」の熟語が存在すること、皆さまご存知でしたか?
「画餅に帰す」という一文の慣用句もあり、こちらの意味は「思案したことが実際には行われなかったり、失敗したりして無駄になること。」です。
「よし、この年末こそアルバムを編集して、実家に贈りましょう!」と決意された方、画餅に帰す、なんてことにならぬよう、おうち時間を上手に活用いたしましょう(笑)!想い出のプレゼントは、高価な品物に代えられない、プライスレスな輝きを持っていますよね?
本日は『アルバムの日』にちなんで、
・形振(なりふ)り
・画餅(がべい/がへい)
という難読漢字の読み方と、
・画餅(がべい)に帰(き)す
という慣用句、
また、
・「思い出」「想い出」の表記にまつわるトリビア
をお送りしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱