日本的サラリーマンを揶揄する言葉として、ねずみ色のスーツが挙げられる。もはやそれは昭和の遺物だ。現状に甘んじ、さらなる高みを望まない男はそれでいい。だが、人生を通じて気高くあり続けるのであれば、グレーは男が絶対に制するべき色である。偉大なる中間色のすべてがわかるメンズプレシャス秋号で、紳士の道を貫いて欲しい。
グレー=無個性の象徴という間違い
昭和のビジネスマンにとって、グレースーツはもっとも無難な選択肢だった。集団のなかで決して目立つことなく、あり合わせのシャツやネクタイで着られる無個性の象徴として…。だがそれは、一度入ってしまえば定年まで段階的に給料が上がっていく旧来の就寝雇用制度の時代の考えであり、そもそもグレーを色とみなさないこと自体が間違いである。タイムカードに縛られることなく、持てる能力を最大限に発揮して、成果に見合った収入を得るのが当然となった現代。男は知性や色気、精悍さなどといった心情をそこはかとなく主張しながら、己を磨き続けていかなければならない。ことさらに個性的である必要はないが、だからといって装いに無頓着であることは、挑戦者の権利を放棄したも同然である。そんな、紳士のアイデンティティを確立するうえで欠かせないのが、実はグレーなのである。
グレーをまとい100の表情(かお)をもつ男になる!
もっとも身近に思えるこの中間色こそ、その繊細なトーンと豊かな素材の組み合わせによって、無限の表情を生み出すことができることを、日本人は知っておかねばならない。グレーには、男に必要なすべてがあるのだ。メンズプレシャス秋号では、「グレーは100の表情(かお)をもつ」と題し、この美しく、奥深い色について、総力をあげて特集しているので、ぜひ手にとっていただきたい。グレーを味方に付けたとき、貴方は「千の顔をもつ男」と呼ばれた偉大な覆面プロレスラー、ミル・マスカラスに匹敵する多彩な表情を手に入れることができ、彼の十八番たるフライングクロスチョップのごとき華麗な振る舞いで周囲を魅了するに違いない!
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
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