2021年春の新作スーツが出揃う中、伊勢丹で面白いスーツを発見した。それが、伊勢丹がエルネストに別注をかけたミディアムグレーのスーツ。ひと言でそのスーツを表現するならば、「アメリカ風のイタリアスーツ」だ。昨今のトレンドであるアメリカンテイストを随所に取り入れつつも、堅苦しさは全く感じさせないイタリアらしい軽くて柔らかい着心地が特徴だ。ベーシックに見えるが細部へのこだわりが実に素晴らしい。悪目立ちすることなく、さりげなく個性を発揮できるスーツだから、もう購入するしかない。

一年を通して着られる、汎用性の高さも魅力的!

この着心地と見た目が癖になる!

スーツ¥121,000(伊勢丹新宿店〈エルネスト〉)
スーツ¥110,000(伊勢丹新宿店〈エルネスト〉)

芯材をほぼ使用せず、アンコンのように非常に軽やかで柔らかい着心地が得られる伊勢丹別注のエルネストのスーツ。ウエストはシェイプを緩やかにし、パンツはノープリーツにすることでモダンで若々しいシルエットを構築。ウール素材で適度なハリ感がありつつも背抜き仕立てだから、真夏を除けば一年を通して着こなすことが可能だ。また、ジャケットやパンツの単品使いにも適しているので、スーツ以外での着こなしにも活躍が期待できる。

問い合わせ先

伊勢丹新宿店

TEL:03-3352-1111

こだわりのディテールに要注目!

スポーティーな印象のラペルはまさにアメリカ式スーツに見られるディテール。端から●●mmに設定したミシンステッチがその証だ。
スポーティーな印象のラペルはまさにアメリカ式スーツに見られるディテール。端から7mmに設定したミシンステッチがその証だ。
ジャケットのポケットには、フラップを施したパッチポケットを採用。さらに袖のボタンは2つ。アメリカ様式のブレザーなどに見られるディテールだ。
ジャケットのポケットには、フラップを施したパッチポケットを採用。さらに袖のボタンは2つ。アメリカ様式のブレザーなどに見られるディテールだ。
ジャケットの後身頃にはセンターフックベント。アメリカントラッドに見られる代表的なディテールもしっかり踏襲。
ジャケットの後身頃にはセンターフックベント。アメリカントラッドに見られる代表的なディテールもしっかり踏襲。
デニムやワークパンツなどに見られるシンチ・バック(尾錠)。サスペンダーでパンツを吊るしていた時代ではサイズ感調整のための機能的なディテールだったが、現代では装飾的な役割の方が強いかもしれない。
デニムやワークパンツなどに見られるシンチ・バック(尾錠)。サスペンダーでパンツを吊るしていた時代ではサイズ感調整のための機能的なディテールだったが、現代では装飾的な役割の方が強いかもしれない。

アメリカントラッドをモダンに着こなすなら

スーツ¥110,000〈エルネスト〉、シャツ¥18,000〈ブリスコラ〉、タイ¥28,000〈セブンフォールド〉/以上、伊勢丹新宿店 靴¥128,000(ラコタ〈オールデン〉)

柔らかさと軽さが特徴的なスーツには、重々しいVゾーンは似合わない。合わせるアイテムにも適度な軽快感をもたせたアメリカントラッドなスーツの着こなしが今日的だ。新年度を迎える春なら、シャツはロイヤルオックスで柔らかい生地感のシャツに透け感のあるフレスコタイで、涼しけで爽やかな着こなしが正解だ。

スーツ本来の着心地と遊びを盛り込んだディテールの融合は、洋服好きをも唸らせる一品。そのうえ、コストパフォーマンスやクオリティの高さなどにも追求したスーツだからこそおすすめである。

※価格はすべて税抜きです。

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PHOTO :
島本一男(BAARL)
STYLIST :
河又雅俊
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