フェラーリジャパンが、2021年1月13日に新型車「ポルトフィーノM」を日本でお披露目。格納式のハードトップを備えたFR(フロントエンジン/リア駆動)モデルで、従来のポルトフィーノよりパワーアップしているのが特徴だ。

ファミリーでも楽しめる(ただし人並み外れた自制心が必要!)

流れるようなスタイリングにも手が入れられ、フロントバンパーはよりアグレッシブな形状に。ボディサイドのエアベントにも変化がみられる。リア部分はバンパーと最下端の整流パーツ(ディフューザーが分割された。
流れるようなスタイリングにも手が入れられ、フロントバンパーはよりアグレッシブな形状に。ボディサイドのエアベントにも変化がみられる。リア部分はバンパーと最下端の整流パーツ(ディフューザー)が分割された。
V8エンジンは最適化を追求した結果、従来モデルより20馬力向上。
V8エンジンは最適化を追求した結果、従来モデルより20馬力向上。

いまフェラーリは、孤高の存在というより、さまざまなユーザーのライフスタイルに合わせたモデルラインナップを揃えていることを謳う。東京都内も発表会の場で、フェラーリジャパンのフェデリコ・パストレッリ代表取締役は、「リアにシートも備えているポルトフィーノMは、ヤングファミリーにも乗ってほしい」と話した。

ファミリーで楽しめるかどうか。ドライバーに人並みはずれた自制心があればそれも可能かもしれない。でもむずかしそうだ。なにしろ、3855ccのV8エンジンは456kW(620馬力)の最高出力を5750rpmと高めの回転域で発生。760Nmの最大トルクは3000rpmから。回せば回すほど力がもりもり出てくる楽しいパワープラントである。

しかも、2ペダルで運転できるツインクラッチのギアボックスは今回、8段化するとともに小型軽量化。かつ、搭載位置を下げて重心高を低くし、低重心化で操縦性に寄与している。かつ、ドライブモードセレクター「マネッティーノ」は5モードに。「レース」というポジションが新設された(もうひとつは「ウェット」)。

生粋のスポーツカーという核は失っていない

大画面ディスプレイが新設された、ラグジュアリーかつスポーティなコクピット。ステアリングから手を離さずにあらゆる操作ができる。ウィンカーのスイッチも「9時15分」で握りながら操作する位置にある。オプションでパッセンジャー用の操作ディスプレイを付けることもできる(写真右上)。
大画面ディスプレイが新設された、ラグジュアリーかつスポーティなコクピット。ステアリングから手を離さずにあらゆる操作ができる。ウィンカーのスイッチも「9時15分」で握りながら操作する位置にある。オプションでパッセンジャー用の操作ディスプレイを付けることもできる(写真右上)。
きめの細かいレザーをあしらったスポーツシートは、体の収まりが抜群によく、長時間の運転でも疲れにくい。新たにネックウォーマーも付いた。
きめの細かいレザーをあしらったスポーツシートは、体の収まりが抜群によく、長時間の運転でも疲れにくい。新たにネックウォーマーも付いた。

これにドライブトレインの電子制御システムが組み合わされ、限界ぎりぎりまで、スピードを楽しめるようになっている。限界が訪れる前に、車両がドライバーにそのことを伝えるアラートも組み込まれた。フルオープンのファンカーでありつつ、サラブレッドにもたとえられる生粋のスポーツカーという核は失っていないといえる。

英国などスポーツカー好きは、秋から春にかけてがオープン走行を楽しむのに最適な時期とする。ポルトフィーノMも、真冬にトップを開けてのドライブはぴりりっとする空気のなか、爽快感が味わえそうだ。今回は首元に温風を吹き出す機構も追加された。

全長4594ミリと、それほど大きなサイズでないものの、大きく張り出したリアフェンダーをはじめ、複雑な表情をみせる面づくりは迫力だ。かつ、見飽きない。価格は2737万円と発表された。

集まったメディアに向けてポルトフィーノMの特徴を解説する、フェラーリジャパンのフェデリコ・パストレッリ代表取締役。
集まったメディアに向けてポルトフィーノMの特徴を解説する、フェラーリジャパンのフェデリコ・パストレッリ代表取締役。

問い合わせ先

フェラーリ・ジャパン

この記事の執筆者
自動車誌やグルメ誌の編集長経験をもつフリーランス。守備範囲はほかにもホテル、旅、プロダクト全般、インタビューなど。ライフスタイル誌やウェブメディアなどで活躍中。