大人が堪能できるスタイルに進化したミリタリーアウター。上質な素材を使い、機能的なディテールを魅力あるデザインに変え、洒落た男たちの美意識に応えている。本来の味わいを残し、モダンな香りのあるトレンチコート、フィールドジャケット、アビエーターブルゾン、ダッフルコートの4種のアウターは、気骨ある男のスタイルをつくり上げる注目アウターだ。
大人のミリタリー は、優雅な気骨で着こなせ!
代表的ミリタリーアウターを粋に仕立てたトレンチコート
ミリタリースタイルのなかでも、最も人気の高いトレンチコートは、時代を超越して紳士に愛用され続けるアウターだ。各時代で活躍する勢いのあるクリエイターやブランドは、その意味を踏まえて、最も旬なスタイルをつくり上げるのだ。
ディオール|綺麗にベージュトーンを操る、品格あるスタイル
ミリタリー本来の色合いを残した、ベージュのゆったりとしたトレンチコートに、巧みな織り柄のカシミアニットを合わせる。パンツは、ツヤのあるモヘア混で、都会的に着こなす。大判のストールとベレー帽でアクセントを。
普遍的なトレンチの意匠を残し、ツヤっぽいデザインに進化
コシのあるしっかりとした質感のコットンツイルを素材に、シングルのフライフロントでつくり上げた一着。ステッチを何本もデザインしたベルトやそで口のストラップなどの細かい部分や、ラグランスリーブに見立てた巧みなそで付けなど、トレンチの魅力的な細部を鮮やかにデザインする。クリエイターの感性が光る、サイドスリットは実にエレガントだ。
ラルフ ローレン パープル レーベル|レザー素材の骨太なトレンチは、まさにダンディ
十分な重さが感じられるフルグレインレザーによるトレンチに、カシミアのタートルニットを合わせ、大柄チェックのウールパンツで力強いミリタリーを楽しむ。コーディネートをダークにまとめ上げることで、大人の存在感が際立つ。足元のマウンテンブーツに対して、カシミア×シルクのストールが粋な効果を生み出す。
重厚感のあるロングシルエットで無骨な男の存在感が際立つ
イタリア製のフルグレインレザーをヴィンテージ調に加工した革を用いた、男らしさが漂う重厚なトレンチスタイル。着脱可能なムートンの襟、左胸にデザインした大きなマップポケット、後ろ身頃のガゼット付きのセンターベントなど、洒落者の琴線に触れるディテールが満載で、唯一無二の完成度を誇る。経年変化が楽しめるダークブラウンも絶妙だ。
洒落たディテールが際立ち都会で似合うフィールドジャケット
洒落者のワードローブにおいて、フィールドジャケットは最も親しみのあるカジュアルアイテムだ。『M-43』や『M-65』などがその代表格だが、ここでは、さらに進化した軽快かつ機能的な、つくりの凝った都会的なジャケットを深掘りする。
ブリオーニ|極上素材と巧みな仕立てで品格あるスタイルを堪能
フィールドジャケットと言えば、『M-43』や『M-65』を思い浮かべるが、品格ある紳士には、技のあるデザインがふさわしい。起毛感をたたえた極上素材のジャケットに、カシミア×シルクの薄いニットを合わせ、スマートに見せるイージーパンツでリラックス感を表現。
カシミア混の上質素材を使うタウンユースの上品な仕立て
精悍なブラックでありながら、ウール×カシミア×シルクを混紡した起毛感のあるしなやかな素材によって、品のいい佇まいを表現する。世界最高峰のスーツを仕立てるブリオーニならではの、卓越した手縫いの技を使い、素材の持ち味を活かした軽快な着用感が絶品だ。ファスナー&ボタンが見えない、すっきりとしたフロントの仕上げにモダンな香りが漂う。
ジョルジオ アルマーニ|ジャケットの持ち味を活かす落ち着いたトーンの重ね着
はっ水加工を施した、スーパー200Sの高品質なウール素材によるブルゾン風のジャケット。ストライプ柄のジャケットをインナーに、ニットとゆったりとしたパンツを合わせ、くつろいだミリタリースタイルを演出する。スエードのレースアップブーツが、味わい深い表情を加える。
軽やかさと繊細なつくりの「都会の」フィールドジャケット
胸や脇ポケットに正統的なジャケットのデザインを残しながら、立ち襟やそで口の仕上げは、スポーティなスタイルを表現する。素材はスーパー200Sのウールに、はっ水加工を施す。裏地にはカシミアジャージーを使い、軽快でやわらかな着心地だ。都会の街並みになじむ、落ち着いたダークブラウンは、大人の男たちを魅了する色合いである。
上質素材とモダンなデザインがさえる唯一無二のアビエーターブルゾン
飛行操縦士が求める機能やディテールを詰め込んだ、着丈の短いシャープなスタイルを特徴とするアビエーターブルゾン。普遍的かつ代表的な『MA-1』『ボマージャケット』などを基本に、洒脱な大人の男に向けたより上質なミリタリースタイルへの提案だ。
エルメス|シックな色彩と絶妙な着丈のバランスで際立つ、男のツヤ
着丈が短めなアビエータータイプのブルゾンは、精悍なスタイルだ。はっ水加工を施したテクニックサージ素材のブルゾンに、襟の部分をスカーフのように結べるコットンシャツを合わせ、エレガントな表情を加える。グリーングレーのパンツをはき、絶妙なカラーコーディネートで色気を放つ。
『MA- 1 』からインスパイア!グラフィックな刺繍で新鮮に
はっ水加工を施したナイロンのテクニックサージ素材を使い、リブ編みの立ち襟をデザインした新鮮なブルゾン。『MA- 1 』のデザインを感じさせながらも、前身頃の大胆な刺しゅうはインパクトがあり、印象に残る。フロントはダブルジップ仕様で、脇ポケットを左右にデザインする。そで口は、軽快に仕上げたスナップボタン。体に沿いながらも、ゆったりとしたラインが今の気分の着心地だ。
ブルネロ クチネリ|最上級の素材をミリタリーに活かす、粋な大人の遊び心
極薄のラムスエードを使い、リラックスした雰囲気のブルゾン。ネップが印象的なイエローのウール×カシミアのニットを合わせ、大きなポケットを配したウールのアビエーターパンツで極上のミリタリースタイルを楽しむ。
気品あふれるベージュでアビエーターブルゾンを格上げ
ミリタリーアイテムを洗練されたデザインにつくり替えるのが得意なブルネロ クチネリ。これは、『ボマージャケット』をベースに表現したブルゾンだ。とろけるようにしなやかな薄手のラムスエードを使い、贅沢な逸品に仕上げる。タイトなフィッティングではなく、体を優しく包み込むような新しいシルエットが絶妙。裏地は、超軽量ナイロンを使う。
伝統的なスタイルを継承し、今の時代に応えるダッフルコート
湾岸労働者のワークウエアを発祥とするダッフルコートは、英国陸軍のモントゴメリー将軍が着用した後、代表的なミリタリーアウターとなる。トグルやフードなど、象徴的なディテールを今の感性で形づくった、存在感のあるダッフルコートの登場だ。
プラダ|シンプルな着こなしにこそ上質なミリタリーが宿る
ダブルフェイスで仕立てたオーセンティックなダッフルコート。ミリタリー本来のディテールを残しながら、モダンな表情に仕上げているのがポイント。エスニックな柄を編み込んだ、厚手のウール×カシミアのニットに、チャコールグレーのウールパンツを合わせ、シンプルなコーディネートを表現。
正統的なダッフルのなかにモードの香りを漂わす
木製トグルやダブルフェイスウールのコシのある素材など、正統的なダッフルコートのスタイルを継承しつつ、プラダ特有のミニマルなモードの香りを投影させた。スクエアな両脇のポケットに響き合うそで口のストラップも、シンプルなデザインにアクセントを加えている。ベントのないボクシーなラインで、大人のダッフルを形づくる。
グッチ|ゆったりとしたシルエットが余裕ある男のスタイルをつくる
ミリタリーの特徴的な色彩のカーキを、ラムスエードで表現した鮮やかなダッフルコート。ゆったりとしたシルエットが、まさに大人の風格を演出する。キャメルカラーのタートルニットに、太畝のコーデュロイパンツを合わせ、カントリーモダンなミリタリールックを演出する。ストライプ柄の大ぶりのマフラーが洒落たアクセントに。
圧倒的な存在感を放つ重厚感あるスエードの質感
ほどよく弾力を備えたラムスエードで仕立てた、ラグジュアリーなロングシルエット。フードの形状やトグルをクルミボタンに替えたデザインなど、最小限に抑えたダッフルの意匠を見出すことができる。ベルトを加えたデザインが、モダンな表情を生み出している。シアリングを施したライニング使いで、十分に暖かい着心地を堪能できる。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2021年冬号より
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- PHOTO :
- 熊澤 透(モデル)、小池紀行・池田 敦(パイルドライバー/静物)
- STYLIST :
- 櫻井賢之
- HAIR MAKE :
- MASAYUKI(the VOICE)
- MODEL :
- Daisuke
- COOPERATION :
- バックグラウンズ ファクトリー
- EDIT :
- 矢部克已(UFFIZI MEDIA)