女優・綾瀬 はるかさんが4月号で『Precious』に初登場!

親しみやすさと気高さと。その両方を兼ね備える女性はそうはいない。そんな稀有な存在として輝きを放つ綾瀬さんが纏うのは、永遠の定番でありながら、旬のエッセンスで常に更新が止むことのない「白シャツ」。

普遍性と瑞々しさ。一見相反する表情を併せもつ両者が出合えば、呼応するように最高の魅力を放って…。

そんな綾瀬さんに、3月公開の映画について伺いました。

綾瀬 はるか | 白シャツと生きる「今」_インタビュー編

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シャツ¥112,000・パンツ¥135,000(ドルチェ&ガッバーナ ジャパン)
綾瀬 はるかさん
女優
(あやせ はるか)1985年生まれ、広島県出身。主演作に、大河ドラマ『八重の桜』(NHK)、映画『本能寺ホテル』、ドラマ『精霊の守り人』(NHK)『義母と娘のブルース』(TBS)ほか。2015年、映画『海街diary』で、第39回日本アカデミー賞優秀主演女優賞ほかを受賞。
映画『奥様は、取り扱い注意』
元特殊工作員の菜美(綾瀬さん)と、現役エリート公安の夫・勇輝(西島秀俊さん)は、菜美が記憶を失ったことで名前を変え、地方都市で新しい生活を始めていた。しかし過去の因縁と国家に追われ、大事件に巻き込まれる――。綾瀬さんがほぼスタントなしで挑んだ、迫力のアクションシーンにも注目。3月19日(金)より全国東宝系にて公開。

綾瀬 はるか | 白シャツと生きる「今」_白シャツコーディネート編】は、こちら。

過去を悔いたり、未来を憂うのではなく、目の前の「今」を存分に味わって慈しみたい

まるで白シャツのような女性だ──。綾瀬はるかさんを前に、そのまっすぐな瞳と視線が合うと、ふとそんな想いに駆られる。清潔感、プレーンなムード。品格溢れる佇まい。彼女が纏うしなやかで凛としたオーラは、私たちをどこかクリーンな世界へと誘う。

「白シャツって、すごく気持ちがいいですよね。袖を通すと背筋が伸びて、『新たなスタートを切る!』という晴れやかな気持ちになります。今回は4パターンのスタイリングを堪能しましたが、同じ白シャツでもそれぞれ表情が違うのがおもしろい。強い意志を感じさせながら、どんな人物像も受け入れる懐の深さがある。改めてそんな印象を受けました」

そう言って笑うが、それはまさに綾瀬さん自身の姿と重なるようだ。ひとりの女性としてしなやかな芯を感じさせながら、女優としてどんな役柄にも美しく染まる。

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シャツドレス¥315,000・靴¥89,000(ジルサンダージャパン〈ジルサンダー〉)

3月公開となる大ヒットドラマの劇場版『奥様は、取り扱い注意』では、特殊工作員だった女性が記憶喪失に陥り、さらに国家的な事件に巻き込まれるという複雑な役どころを演じている。

「いつも海の底を漂っているような、もやもやした感情をそのままお芝居に乗せています」

記憶喪失を経てなお生じる、本来の自分の生き方への渇望。さらに正反対の立場である公安警察の夫との夫婦愛など、繊細な心の機微を見事に表現している。

「自分の道を生きるとは何か。本当の意味での絆とはどんなものか。前作からスケールアップして、人生と愛を描いた物語に仕上がっているので、ぜひご覧いただきたいですね」

2021年、俳優業をスタートしてから20年という節目を迎えた。改めて、この仕事における最上の喜びについて聞いてみると、「共演者、スタッフ全員で息を合わせ、素晴らしい映像が完成したとき」と語る。

「例えば今作はアクションシーンが多かったのですが、相手との息が1秒でもずれると危険な事故につながるし、カメラワークが乱れてしまう。それを全員が集中してビシッとキメたときの達成感と高揚感といったら! もう思わずガッツポーズ(笑)。これだからやめられない、と毎回毎回心が震えるんです」

一方、悔しさを抱えるのは、台本を読んで心が大きく動いたにもかかわらず、その心情を思うように表現できなかったときだ。

「脚本に対して失礼なことをしたと、ひたすら落ち込みます。スタッフさんに対する申し訳なさ、自分への不甲斐なさ…そのときの感情は、もう言葉にできないですね」

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シャツ¥134,000・ドレス¥99,000(ザ・ロウ・ジャパン〈ザ・ロウ〉)、「ミキモト コム デ ギャルソン」のネックレス¥3,000,000(ミキモト)

ただキャリアを経るにつれて、少しずつ変わってきたことがある。それは「完璧ではない自分を受け入れる」こと。

「年齢を重ねて経験を積んだ今、周囲からの高い要求と『できて当然』という空気を自らプレッシャーに変えて、押しつぶされそうになることがあるんです。でもそういうものはいったん手放そう、と。必要なのはここぞというときに最高のパフォーマンスを発揮する力。ならばそのために、まずは自分に優しくする、そして自分を信じることが必要だと感じ始めました。アスリートの世界でも、結果を出すためにはリラックスが必須といいますよね。私にとって『力の抜き方』を会得することは、人生最大のテーマかもしれません」

不安定な日々が続いた2020年を経て得た、ある「気付き」も心境に大きな変化をもたらしたという。

「戻れない過去を悔やんだり、起きてもいない未来を想像して憂いたり…。これまで、実はあまり『今』を生きていなかった。自分と向き合う時間ができて、そう気が付きました。だからこれからは、目の前の『今、ココ』という時間、空間、そして自分の心模様を存分に味わって、大切に慈しみたい。余計なものにとらわれず、できるだけシンプルに。生き方も装いも、そうありたいと思います」

 

※掲載した商品は、すべて税抜です。

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PHOTO :
石倉和夫
STYLIST :
押田比呂美
HAIR MAKE :
中野明海
COOPERATION :
バックグラウンズファクトリー、PROPS NOW
WRITING :
本庄真穂
EDIT&WRITING :
小林桐子(Precious)