ラグジュアリーマガジン『Precious』では、4月号から新連載『現代の紳士たち』がスタート! 本連載では毎号、現代において第一線で活躍する男性を取り上げ、その人ならではの考え方や魅力に迫っていきます。

初回である今回お話を伺ったのは、俳優の竹野内 豊さん。竹野内さんは、4月からスタートする月9ドラマ『イチケイのカラス』(フジテレビ系)で、11年ぶりに主演を務めます。俳優として活躍し続けてきたなかでの葛藤や、作品への向き合い方について語ってくださいました。

インタビューの前半は、こちらから。

竹野内 豊さん
俳優
(たけのうち ゆたか)1971年、東京都出身。モデルを経て、1994年、ドラマ『ボクの就職』で俳優デビュー。以降ドラマ、映画、CMと活躍。映画『冷静と情熱のあいだ』で第25回日本アカデミー賞優秀主演男優賞受賞。『太平洋の奇跡』で、第54回ブルーリボン賞主演男優賞受賞。●『イチケイのカラス』:自身11年ぶりとなる月9主演作は、民放連続ドラマでは初の刑事裁判官を主人公に描くリーガルドラマ。4月より毎週月曜日21:00~フジテレビ系にてオンエア。共演に黒木華ほか。●『連続ドラマW 東野圭吾 さまよう刃』:5月15日(土)より毎週土曜日22:00~WOWOWにて放送・配信予定(全6話)※第1話無料放送

頑なな心を溶かしてくれた、緒方拳さんの言葉(俳優・竹野内 豊さん)

インタビュー_1
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そんな頃、緒形拳との出会いがあった。「結構長くやさぐれていたのですが(笑)、『瑠璃の島』というドラマでご一緒して、沖縄の鳩はと間ま島じまに長期滞在したんです。あるとき『散歩しようか』って誘われて浜辺を歩いた。そのとき言われたんです。『タケ、俺は頑固になることは、全然、かまわんと思う。ただ、どんなことがあっても、卑屈な方にだけはいっちゃいかん』って。

インタビュー_2
苦しんでいたときは、自分という人間を好きになれていなかったのだと思う。それに気が付けてよかった。

見透かされていると思いました。誰にも打ち明けられなかった葛藤を、役者であり、人生の大先輩でもある緒形さんには見抜かれていたんです。……恥ずかしかった。でも本当にありがたくて。緒形さんとの出会いは自分の人生の財産になっています」

竹野内にとっての忘れがたい光景だ。

「頭でっかちだったなと、気付きがたくさんありました。ひとりでは何もできないとか、苦しんでいたときは、結局、自分が自分自身を好きになれていなかったということなんだ……とか。あれから少しずつ仕事の取り組み方が柔軟になっていきました。もちろん今でも自分の芯の部分、大切にしている価値観を譲れないことはありますけれど」

インタビュー_3
ムダな時間なんてない。よい作品をつくろうと命がけでやる。熱い現場にいる、そのことこそが喜びです。

今年、50歳となった。纏う、静かな大人のダンディズムは、ひとりもがきつつ、自身の俳優人生に真摯に向き合って生きてきた、その年月が醸し出すものだろうか。

「きっとムダな時間というのはないのだと思います。チームが一丸となって、よい作品をつくり上げようと命がけでやる。そういう現場にいられることが、なによりの喜びです。一本でも多く、観てくださる方の心に残る作品に携わりたい」

プロとしての美しい覚悟を感じさせる。「ただこの道をいくだけです」


※掲載した商品は、すべて税抜です。

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クリスチャン ディオール

TEL:0120-02-1947

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PHOTO :
秦 淳司(Cyaan)
STYLIST :
島津由行
HAIR MAKE :
ヤダチハル
MODEL :
竹野内 豊
EDIT&WRITING :
水田静子、小林桐子(Precious)