せっかく新しい服に袖を通したのに、なんとなくシルエットがキマらない…その原因は下着にあるのかもしれません。では、どんな下着を選べば美しく見せることができるのか? そのコーディネート術の極意を、「下着も洋服と同じ感覚で選ぶとおしゃれはもっと楽しくなる」と語る「MADISONBLUE(マディソンブルー)」のディレクター兼デザイナーの中山まりこさんにお聞きしました。

 
中山まりこさん
「マディソンブルー」ディレクター・デザイナー
1980年代よりスタイリストとして活動。1980年代後半、ニューヨーク在住時にアメリカの雑誌『Interview Magazine』等でスタイリスト活動・ 雑誌のコーディネーターの他、NOKKO全米デビューのディレクターとして活躍。1993年KiKi inc.所属。広告・雑誌・音楽のスタイリングをメインに活動。2014年自身のブランド「マディソンブルー」を立ち上げる。2015年に、著書『大人のおしゃれRULE BOOK A to Z』を手がける。

服を着たときのシルエットをイメージして下着を選ぶべき!ファッションプロに学ぶコーディネートの極意

上質で心地よい、大人のリアルクローズを提案する「マディソンブルー」。そのディレクター兼デザイナーを務める中山まりこさんは、1980年代からスタイリストとして日本や米国で活躍されてきた方。ベーシックなアイテムをベースにしつつ、エレガンスを漂わせるそのスタイリングは、おしゃれな大人の女性から絶大な支持を得ています。

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「つくり過ぎないナチュラルなバストシルエットが、大人の女性を魅力的に見せる」と中山さん

ランジェリー好きでもある中山さんは、「La Perla(ラペルラ)」の大ファンであり愛用者。「下着も洋服と同じファッションの一つとして捉えて欲しい」との思いから、マディソンブルー表参道に3月5日(金)・6日(土)の2日間限定で「ラペルラ」のポップアップコーナーをオープン。そこでは、着こなしのお手本になるような洋服と下着のコーディネートがディスプレイされていました。

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中山さんが提案するのは「カジュアルな洋服の下にレースの美しい下着を着けることで生まれるリュクス感」

「デザインやレースの美しさも素敵だけれど、何よりラペルラの女性感が好き。バストを高く見せたり、盛ったりするのではなく、そっと手を添えたかのようなナチュラルなシルエットはヨーロッパの下着ならでは。その抜け感のあるシルエットが、シルプルなニットやシャツをすごく美しく見せてくれるんです」と中山さん。

「年齢を重ねると、どうしてもデコルテ部分がそげたりバストが柔らかくなりますが、だからこそラペルラが似合う。20代の頃もインポートの下着を買っていたけれど、その頃より今の方がからだに合っていると私は思います」それが中山さんの“大人の下着論”。そして「下着は女性としての意思を表現するもの」。だからこそ、大切にして欲しいといいます。

これを押さえれば間違いない!プロが教える3つのコーディネート術

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コーディネートをする中山さん

中山さんが提案する3つのコーディネートを見ながら、洋服に合わせた下着の選び方のポイントをマスターしましょう。

■1:カジュアルなシャツスタイルのときこそ、繊細なレース使いのランジェリーを合わせて

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シャツ¥27,000/マディソンブルー、トライアングルブラ¥21,100/ラペルラ(ラペルラ ジャパン)

「ラフでシンプルなシャツの下には、繊細なレースのランジェリーを纏って欲しいですね。そうすることで、カジュアルな装いにリュクス感が生まれ、女性の魅力に奥行きが増します」と語る中山さん。ラフな服に合わせて下着までスポーティにしないところが、“大人の下着選び”なのだそう。美しい下着を着けているという自信が、立ち居振る舞いをエレガントにして、魅力が増すのかもしれませんね。

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トライアングルブラ¥21,100/ラペルラ(ラペルラ ジャパン)

中山さんが「最近知った、新しい下着の楽しみ」というのが、ノンワイヤーのブラジャー。小さいバストも魅力的に見せてくれる「ラペルラ」のノンワイヤーブラは、着こなしにフランス女優のようなニュアンスのある雰囲気が宿るといいます。

■2:ワンピースのときに注意したいのは下着でできる段差。ボディスーツで回避して

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ワンピース¥68,000/マディソンブルー、ボディスーツ¥35,200/ラペルラ(ラペルラ ジャパン)

「大人の女性がワンピースを着たときにチェックして欲しいのは、下着の線よりショーツのウエストにできた段差。凸凹ができてしまっては、せっかくおしゃれが台無し」とはヒヤリとする指摘。「ブラジャーのベルト下にも段差はできやすいので、それを避けるためにはボディスーツを着るのが正解」です。

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ボディスーツ¥35,200/ラペルラ(ラペルラ ジャパン)

白の下着というと清純なイメージが先行しますが、中山さんは「大人の女性こそ白の下着が似合う。白の下着を着けたときの高揚感を味わって欲しい」といいます。大人にふさわしい白の下着は、上質な素材やレースと洗練されたデザインを兼ね備えていること。それは「ラペルラ」の真骨頂でもあります。

■3:Vネックニットのときはブラジャーとネックラインの角度を合わせて

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ボディスーツ¥50,000/マディソンブルー、Vカットブラジャー¥21,900/ラペルラ(ラペルラ ジャバン)

「胸元からブラジャーをのぞかせないためにも、デコルテに違和感のある段差をつくらないためにも、アウターとブラジャーのネックラインの角度を合わせるのがベスト」。このボディスーツは、ラペルラのVカットブラジャーの美しいシルエットに中山さんが惚れ込んで、ネックラインの角度を合わせてデザインしたもの。ここまでぴったりに合わせられなくても、Vネックのアウターを着る際には、フロントが深いブラを選ぶのが基本と考えましょう。

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ブラジャー¥21,900/ラペルラ(ラペルラ ジャバン)

ハイゲージのニットのときはブラジャーがひびかないように、カップ表面に装飾のないシンプルなブラジャーを。さらにストラップが外側についているものなら、肩から見えることもなく安心。「もしボートネックのカットソーなどストラップが見えそうな場合は、細めで見えてもOKのデザインのストラップのブラジャーを。間違っても伸びてしまったストラップが見えるような失敗は避けて」と注意を促します。​


中山さんからは最後に「洋服のおしゃれは上級者でも、下着に関しては保守的だったり無頓着だったり。下着も洋服と同じ感覚で選ぶとおしゃれはもっと楽しくなるし、自分のスタイルが生まれます」とのアドバイスをいただきました。さっそく明日は、洋服とのコーディテートを考えて下着を選んでみませんか?

※掲載した商品はすべて税抜き価格です。

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この記事の執筆者
文化服装学院卒業後、流通業界で販売促進、広報、店舗開発を約10年経験した後、フリーランスとして独立。下着通販カタログの商品企画などを経て、現在はランジェリーを中心に、雑誌、新聞、ウェブサイトなどで執筆・編集を行なう。モットーは「ラグジュアリーからプチプラまで」。国内外の展示会・店舗を幅広く取材する。
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PHOTO :
黒石あみ
WRITING :
川原好恵
EDIT :
石原あや乃