アウディジャパンがピュアEV「アウディe-tron 50 quattoro」を2021年1月に発売。従来の「e-tron Sportback 55 quattro」に対して、SUVもバリエーションとして加わったことと、すこしバッテリー容量を小さくし価格もそれに応じて低めに抑えられていることが特徴だ。

バッテリー容量が小さくなったぶん150kg軽い

全長4900ミリ、全幅1935ミリ、全高1630ミリと余裕あるサイズ。
全長4900ミリ、全幅1935ミリ、全高1630ミリと余裕あるサイズ。
モーターは後輪用に2つ、前輪用に1つ、搭載している。
モーターは後輪用に2つ、前輪用に1つ、搭載している。

SUVとクーペ的なクロスオーバーのスポーツバック、2つの車型のうち、3月に試乗したのはSUVの「アウディe-tron  50 quattoro」(以下50)だ。スポーツバックとの違いは、車型に加えて、実用性。スポーツバックの荷室容量が616リッターなのにたいして、e-tronは660リッターと大きい。

車名のサブネームになっている数字はバッテリー容量とパワーの指標だ。従来の55は95kWhのバッテリー容量を持ち、最高出力は300kW、最大トルクは664Nm。50は71kWhで、パワーは230kW、

最大トルクは540Nmだ。こちらの航続距離は316キロとされている。

私が最初に乗ったe-tronは今回とおなじくSUVだった。アブダビで試乗したのが国際試乗会のタイミングである。このときは、フロントサスペンションが硬くて、切り遅れて車両が外側にふくらまないように気をつかった記憶がある。でもいまは、ハンドリングがとても改善されて、e-tron 55スポーツバックなどはスポーティな走りを箱根のワインディングロードで楽しめた。

50は、バッテリー容量が小さくなったぶん、なんと150キロも軽量化している。加速を体験すると、たしかにパワーが落ちたぶん軽いボディで、差し引きゼロ、というかんじもある。とりわけ、ドライブモードで「ダイナミック」を選択すると、パワフルなEVの面目躍如たる加速を味わわせてくれるのだ。

「新しい感覚」はしっかり味わえる

ステアリングホイールやドライブポジションなどは人間工学的に考えぬかれている印象。
ステアリングホイールやドライブポジションなどは人間工学的に考えぬかれている印象。
慣れれば使いやすいシフター。
慣れれば使いやすいシフター。

室内は静かで、液晶モニターに囲まれたダッシュボードは、やっぱり特別感があって、オーナーならことさら嬉しいだろう。ダイヤルなど物理的なコントローラーはほぼ皆無。エアコンなど液晶画面で操作する。慣れれば、自分の”道具”として使いこなせるだろう。

アダプティブエアサスペンションとはいえ、足まわりは(コンフォートモードでも)やや硬め。コーナリングのときの動きなどは、ちょっと独特だ。ナチュラルさでは55スポーツバックのほうが上、と思わざるをえなかった。ま、日常的に使うなかで、どれだけスポーツハンドリングを重視するか。そこはひとそれぞれで、街中と高速が中心というひとなら、50でけっして失望しないと思う。

バーチャルエクステリアミラーは死角の存在もみつけやすい。
バーチャルエクステリアミラーは死角の存在もみつけやすい。
この車体色はキャラクターに合っている。
この車体色はキャラクターに合っている。

e-tron 50には、「base、「advanced」「S line」なるつのグレードが設定されている。価格は933万円から。いっぽう、同時発売のe-tron Sportback 50は、「S line」のみの設定だ。カメラを使い、後方の映像をモニターに映し出す「バーチャルエクステリアミラー」はオプション。これはつけなくてもいいかもしれない。

「(50を購入にあたっては)約30万円相当の減税メリットがあり、またクリーンエネルギー自動車導入事業費補助金(e-tron:23.2万円、e-tron  Sportback 50:23.6万円)も受けられます」

アウディジャパンではそのように購入時のメリットをあげている。

問い合わせ先

アウディ

TEL:0120-598106

この記事の執筆者
自動車誌やグルメ誌の編集長経験をもつフリーランス。守備範囲はほかにもホテル、旅、プロダクト全般、インタビューなど。ライフスタイル誌やウェブメディアなどで活躍中。