季節の素材で仕立てた逸品で爽やかな見た目と着心地に酔う

狩猟服を引き立てるパルマ発のマイルド顔|ジャンフランコ ボメザドリ

ジャンフランコ ボメザドリのスーツ・ルイジ ボレリのシャツ(バインド ピーアール) ジャケット(バブアー銀座店〈バブアー〉) タイ(シップス 銀座店〈ニッキー〉) 靴(リエート〈サントーニ〉) 時計(フランク ミュラー ウォッチランド東京〈フランク ミュラー〉)
ジャンフランコ ボメザドリのスーツ・ルイジ ボレリのシャツ(バインド ピーアール) ジャケット(バブアー銀座店〈バブアー〉) タイ(シップス 銀座店〈ニッキー〉) 靴(リエート〈サントーニ〉) 時計(フランク ミュラー ウォッチランド東京〈フランク ミュラー〉)

北イタリアは、パルマのファクトリーブランドによるストライプスーツ。強撚糸によるネイビーのウールフレスコ生地にグレーのストライプというコントラスト弱めのトーンでマイルドな大人の魅力を優しく補強する。ワイルドな崩し技がいっそう映えるスーツのセレクトだ。合わせた〝バブアー〟は、オイルが抜けたあとの風合いを再現した、ノンワックスのピーチスキンで春らしさを高めた『ニューバーレー ジャケット』。乗馬用に開発された、トレンドにも呼応する長めのレングスはスーツのジャケットをカバーするクラシックのルールにも準拠。相反の美学を楽しんでいただきたい。

ミニマルな美を宿す名門らしい繊細な季節素材|イザイア

スーツ・シャツ・タイ(イザイア ナポリ 東京ミッドタウン〈イザイア〉)
スーツ・シャツ・タイ(イザイア ナポリ 東京ミッドタウン〈イザイア〉)

縦横の織り目に沿ったムラの作り出す、かすれた表情がヴィンテージテイストを醸し出す。ウールをベースに、シルクとリネンを混紡した光沢ある素材がミニマルな美観を紡ぎ出すのは、イザイアのベストセラーモデル『グレゴリー』。着心地を損ねない程度の極薄肩パッドや、立体感を生む独自のパターンで、快適さに加え、現代のスーツとしてのエレガンスも成立させている。ナポリサルトの美と技を象徴するブランドの逸品だ。

モダンとクラシックを横断する気軽に着られる黒スーツ|デ ペトリロ

デ ペトリロのスーツ・エリコ フォルミコラのシャツ(シップス 銀座店) タイ(ユナイテッドアローズ六本木ヒルズ店〈ユナイテッドアローズ〉)
デ ペトリロのスーツ・エリコ フォルミコラのシャツ(シップス 銀座店) タイ(ユナイテッドアローズ六本木ヒルズ店〈ユナイテッドアローズ〉)

ナポリの柔らかな仕立てによってドロップ7の程よいシェイプを表現する、シーンを問わないブラックスーツ。随所に入るネップや凹凸感がほのかな陰影を見せて、ウール×リネンの光沢感が奥ゆかしさに拍車を掛ける。サイドアジャスター付きのウエスマンをもつ2タックのテーパードスタイルのパンツからは、モダンとクラシックの共存が見て取れる。

個性的なアレンジでクラシカルな細部をモダンに|タリアトーレ

スーツ(トレメッツォ〈タリアトーレ〉 ) シャツ(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店〈ソブリン〉) タイ(シップス 銀座店〈フランコ バッシ〉)
スーツ(トレメッツォ〈タリアトーレ〉) シャツ(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店〈ソブリン〉) タイ(シップス 銀座店〈フランコ バッシ〉)

ボールドなラペルデザインが、いかにもタリアトーレらしいコットンスーツ。同社の看板でもある社長、ピーノ・レラリオ氏の名前を冠する新ラインに加わる本作は、低い位置へ流れるゴージラインや5mm幅のダブルステッチ、深めのタックが入るパンツなどクラシックな要素をモダンに解釈したデザインが魅力だ。正統的ななかに遊び心を加えたい人に。

ブレイキングルールの真髄を体現した正統的スタイル|ディオール

ジャケット・パンツ(クリスチャン ディオール〈ディオール〉)
ジャケット・パンツ(クリスチャン ディオール〈ディオール〉)

光沢あるヴァージンウールのサージを用いた、オールシーズン使えるセットアップ。ジャケットは、やや低めに設定されたゴージにクラシカルな面持ちを宿しながら、芯地や肩パッドの副資材を過不足なく備えたセンターベントの2Bスタイル。パンツは細身のノータック。正統的な佇まいは、メゾンの卓越したテーラリング技術の賜物だ。メンズアーティスティックディレクター、キム・ジョーンズが、そこに着目し、コレクションごとに刷新し続けているのにも納得。Vゾーンから覗く、取り外し可能な『ディオール オブリーク』のストラップは、ルールを心得てから破る紳士の愉悦そのものだ。

現代的な仕立てのスーツで堪能する「単品使い」の妙と着こなしの幅|ブルネロ クチネリ

スーツ・シャツ・タイ・チーフ(ブルネロ クチネリ ジャパン) 靴(ジョン ロブ ジャパン)
スーツ・シャツ・タイ・チーフ(ブルネロ クチネリ ジャパン) 靴(ジョン ロブ ジャパン)

リラックス感の高いウエアで世界中にファンをもつブルネロ クチネリのダブルスーツ。ジャケットとパンツを単品使いすることを視野に入れれば、1着の価値も高まる。バージンウールとリネンのブレンド素材にエラスタンを混紡して伸縮性をもたせた生地は、リネンのスラブ糸による立体的な表情がもち味。VゾーンはグレータイをインしたVゾーンで王道的なワントーンに。

 

ジャケット・Tシャツ・パンツ・靴(ブルネロ クチネリ ジャパン)
ジャケット・Tシャツ・パンツ・靴(ブルネロ クチネリ ジャパン)

スーツのジャケットを単品使いする場合は、着丈やテイストによっては、カジュアル服との合わせが難しくなる。その点、このジャケットはダブルブレストだが、打ち合わせが浅いワンアンドハーフブレストなので、フロントを留めずにさらりと羽織るのにも最適。コットンギャバジン製の2タック入り白パンツとフェイクレイヤード仕様のTシャツというくだけた上下もこのとおり品よく格上げしてくれる。

パンツ・カーディガン・Tシャツ・スニーカー(ブルネロ クチネリ ジャパン) サングラス(アイヴァン PR〈アイヴァン〉)

ここ数年で復権したワンタック入りのパンツは、カジュアルでも品よくキマる細身のテーパード。扱いにたけるピュアコットンヤーンをガーゼ織にしたショールカラーカーディガンとなら、肩肘張らない休日スタイルが洒脱にまとまる。すっきりした足元には軽快なスニーカーもハマり、装うシーンを選ばず、汎用性はすこぶる高いのだ。

<出典>
MEN'S Precious春号「この服とスタイルで生きていく!」
【内容紹介】竹野内 豊/この服とスタイルで 生きていく!/「変える」シャツ「、変えない」シャツ/「グレージュ」カジュアル/21世紀の「真名品」/ラグジュアリー・カー&ウォッチ/紳士の名品肌
2021年3月4日発売 ¥1,230(税込)

メンズプレシャス2021年春号の詳細はこちら

この記事の執筆者
TEXT :
MEN'S Precious編集部 
BY :
MEN'S Precious2021年春号より
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PHOTO :
唐澤光也(RED POINT)
STYLIST :
坂井辰翁
WRITING :
髙村将司
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