2017年1月1日の発売から爆発的に売れている、ポーラのシワ改善美容液「リンクルショット メディカル セラム」。その開発から発売までに15年もかかったという、その長い歳月には研究員の方々の熱い思いとドラマがありました。「リンクルショット」、そのヒット裏側に迫ります。

記録的大ヒットを遂げたシワ改善美容液「リンクルショット」

2017年、美容の歴史を塗り替えたといっても過言ではない、ポーラのシワ改善美容液、リンクルショット。2016年秋に製品が公式に発表されてから、その話題性は美容業界だけにはもちろんとどまらず、発売前に650件を超える予約が殺到した店舗があったほど。

元旦初売りの際には「福袋以外でこんなに行列が出来たのはポーラさんだけ! 異例のこと」と、百貨店のフロア担当者が驚くほどだったそうです。

その売り上げは目標を上回るペースで2017年10月末現在、発売9か月で「約80万個、約112億円」を販売。約44万人が体験しリピーターも多数と、驚異的な記録を達成。今もなお、その記録を更新し続けています。

ポーラ リンクルショット メディカル セラム 医薬部外品 20g ¥15,000(税抜)

リンクルショット、ここがすごい!

■ベストコスメ14冠達成!
■発売9か月で、約80万個、約112億円を販売


これまでの「シワに効くといわれる美容液」とは何が違うの?

さて、これほどまでに話題を呼んでいるリンクルショットですが、これまでにもアンチエイジングを叶える美容液はたくさんあったはず。「リンクルショット」は、既存の「シワに効くといわれる美容液」と何が違うのでしょうか。ポーラ研究所 肌科学研究部 主任研究員の竹内啓貴さんに伺いました。

「試してわかる」のではなく「本当に改善できる」美容液であるということ

「すでに世の中に出ていた『シワに効くといわれる美容液』といちばん違うのは、リンクルショットが『医薬部外品』であるということ。医薬部外品となると、商品化されるための評価基準も厳しくなります。つまり今までの「シワに効く」とされる製品の有効性試験は、各社が自由にやっていいとされる範囲のものだったため、試験のやり方は玉石混合。厳しいテスト基準のものもあれば、ゆるいものもあるというなかで、果たしてその製品や成分が本当に効いているのか? というのは誰も証明できません。

『医薬部外品』である以上、リンクルショットはかなり厳しい審査を通過しています。『これができたら、絶対に効く』という審査の基準が定まっており、そのうえで基準をクリアしているものなので『本当に改善できる』と言い切れる。この厳しい試験を突破したことが、その他の商品と一線を画しているのです。『試してわかる』のではなく、『本当に改善できる』ということがわかっている美容液なのです」

シワの原因となる酵素「好中球エラスターゼ」の働きを抑制する新成分を配合

「もうひとつ、リンクルショットの大きな特徴として、シワの原因となる酵素『好中球エラスターゼ』にアプローチしていること。これまで『好中球エラスターゼ』にアプローチしているシワ製品は、世の中にありませんでした。

『好中球エラスターゼ』がシワの原因であることを初めて突き止め、それを抑える成分「ニールワン」を初めて配合したのが、このリンクルショットなのです。

今まで何を使っても、シワが改善されなかったという女性はたくさんいます。それは使っている製品の成分が合わない、という場合もあるのですが、シワの大きな原因のひとつである「好中球エラスターゼ」の働きを抑制するという新しいアプローチを試していなかったため、という場合もあるのです。そのため、今までのシワ改善商品が効かなかった、という人も、十分に改善できる可能性があります。メカニズムがあるから、ちゃんと効く。それが証明されている製品なのです。

それだけ『好中球エラスターゼ』は大切なポイントのひとつ。リンクルショットを使って初めて、シワへの新しいアプローチが可能になったということです」


リンクルショット、誕生までの15年の軌跡と奇跡

——なぜ「今」、シワ改善美容液だったのでしょうか?

「シワは普遍的な悩みですよね。それはつまり言葉を変えると、これまで治らなかったということですが。昔からシワの悩みはあるけれど、それを解決するに至ってなかった、というのが事実です。2008年から2014年にかけて、シワやシミ、そばかすなどの肌悩みが増えているんです。これはひとつの考察ですが、化粧品の進化とともに、どんどん肌がきれいになって、細部の悩みにもフォーカスするようになった。

シワは昔からあって変わらない、普遍的な女性の悩み。だけれど、スマホが普及すると便利になって手放せなくなるのと同じで、コスメの『ニーズと効果』が底上げされているがゆえに、少しづつ小ジワだったり肌の細部の悩みにフォーカスされている時代が来ていると。そういう考えもありますね」

——発売に至るまでの研究員のみなさんの苦労を教えてください。

「普通はひとつの製品をつくるのに3年や5年といった期間で、開発に15年もかかる、ということはまずないです。リンクルショットは圧倒的に時間がかかってしまった製品といえます。

開発中は、心が折れるようなことも正直たくさんありました。15年もの間、モチベーションを保つには、化粧品の開発に限らずどんなプロジェクトにおいてもですが、相当に大変なことです。まずひとつにメンバーがよかったということがありますが、キックオフのときに共有した開発への思いや理念というのは、リンクルショットが完成する2016年の7月まで、ずっと変わらずに受け継がれていきました。もちろん15年も経つとチームメンバーの出入りもありますが、最初に共有した開発への思いや理念が一度もぶれなかったこと。モチベーションを下げずに15年もの間、耐えられたというのは、それがひとつの柱になったからだと思います。

あとは会社の戦略というか、風土ですね。会社から『やめろ』と言われたらその製品は終わりますが、ポーラという会社のいいところは、ひとつの研究を長期に渡ってやらせてくれる、そんな風土だと思います。生物学者の大隈良典先生が先日、ノーベル賞を受賞されたときにおっしゃっていましたが、最近の日本の研究は短期での実利を意識した短いスパンの研究が多く、研究力の低下につながりかねない、と。この話もちょっと似ていて、利益追求型のショートスパンの研究ではなくって、『本当にいいものをつくろう』という組織風土があること。それがリンクルショットが生み出されることになった、大きな理由だと思っています」

デザインひとつをとってもメッセージが。宇宙の暗闇にいるような研究から、やっと見つけた星がニールワンだった、ということから、宇宙をイメージしたパッケージに。ロゴの色は宇宙飛行士の飛び立つときの服、チャレンジングオレンジのイメージと、どこまでも宇宙がモチーフ

リンクルショットは開発から完成までに「3つの壁」があった

■1:シワの原因となる酵素「好中球エラスターゼ」を見つけるという壁

「ひとつめが、シワの原因の解明ですね。『好中球エラスターゼ』を見つけてこなくてはいけないというところから、そこに壁がありました。何が効くのか、探すのに時間がかかるのは当然なのですが、『好中球エラスターゼ』が原因ということがわかってから、どうやってそれを抑えたらよいのかを探すのに、とにかく時間がかかります。ゴールのないマラソンを走っているのと同じで、何km走ったらゴールなのか、42kmなのか100kmなのか。『好中球エラスターゼ』の抑制に有効な成分『ニールワン』と出合うまでに、数年かかりました」

■2:「好中球エラスターゼ」を抑制する新成分の配合に難航

「今度は、やっと見つけた『好中球エラスターゼ』の抑制に有効な成分『ニールワン』が、水へのなじみがよすぎて、水に溶けると分解してしまうという問題に直面。化粧品をつくるのに水を使えないなんて、味噌汁を水なしでつくるようなイメージです。それほど化粧品と水というのは切っても切れない関係なので、まずその壁にぶちあたったときに、正直『終わったな…』と。ありとあらゆる手段を試したのですが、まったく歯が立たず、全国の専門機関を行脚して、最後の最後に辿り着いたところもダメで、会社に帰ってから謝らなくてはならない、その帰り道に喫茶店でたまたま食べたチョコミントアイスにヒントがあったんです。チョコチップがミントアイスに溶けずにつぶつぶと点在する様子を見て、化粧品のなかにニールワンを溶かすのではなく、溶かさずに点在させたらいいのでは、と思いつきました。そのときチョコミントアイスを食べていなかったら、リンクルショットは生まれていないかもしれません」

■3:医薬部外品としての厳しい審査が待っていた

「やっとの思いで製品ができあがって7年、そこからがまた長いんです。それは、医薬部外品としての厳しい審査。審査が進むなか、2012年あたりに『化粧品の安全性トラブル』という問題が発生しました。リンクルショットの審査もこのとき、ストップ。医薬部外品にせずに製品を発売することも可能でしたが、それだと『一般の化粧品』として世の中に出ることになります。『本当に改善できる』ということ、それを皆さんに伝えたい。その熱い思いから、のべ500名への安全性テストで、ただのひとりにも製品由来のトラブルがないことを証明。この執念が実ったのか、やっと医薬部外品としての承認を得られました」

シワを「本当に改善できる」美容液。なぜ、こんなにも売れ続けるのか?

「その苛酷な15年を経て、ついに製品化が実現しました。おかげで開発秘話もたくさんできたわけですが…。ヒットの理由、それは、熱い思いと確かな『効果』。15年間、『本当にいいものをつくりたい』という思いを継承してきたこと。少数精鋭ですが、研究員の熱い思いをメンバー全員で共有して進めてきたことですね。そして効果。『本当に改善できる』、これには絶対的な自信を持っていえます。

この製品が生み出されるまでの熱い思いと効果が形になったことが、とてもうれしいです。リンクルショットという製品の素晴らしさをきちんと伝えたい、その思いが医薬部外品として認められるまでの長い道のりを乗り越える原動力になり、今があると思っています」

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戸田嘉昭(パイルドライバー)
EDIT :
渋谷香菜子