ラグジュアリー・ブランドとして確固たる地位を築いているキャデラック。それはかつてのフルサイズセダンに象徴される、豪華絢爛さが世界のセレブリティを魅了してきたからに他ならない。そんなキャデラックも時代の流れに歩調を合わせており、最近ではSUVラインアップの拡充にも積極的だ。実際、日本では昨2020年に新型クロスオーバーモデル「XT6」の販売が開始され、今年1月にはフラッグシップの「エスカレード」と新型コンパクトSUV「XT4」が登場。そのXT4を都内で試した。

常に最新技術を取り入れてきたキャデラックの先進性は健在

XT4のデザインは社内の若手チームによるもので、スタイリッシュかつアクティブ。
XT4のデザインは社内の若手チームによるもので、スタイリッシュかつアクティブ。
すべての写真を見る >>
グレードはプレミアム(570万円)、プラチナム(670万円)、スポーツ(640万円)の計3タイプを用意。
グレードはプレミアム(570万円)、プラチナム(670万円)、スポーツ(640万円)の計3タイプを用意。

120年近くに及ぶキャデラックの歴史のなかでも、コンパクトSUVの投入は初めてのこと。もっとも、同社はSUV製作に関しても経験豊富だから、その造りに抜かりはない。

ボディサイズは兄貴分のXT5よりひとまわり小さく、アメリカでも人気を得ているトヨタRAV4と同等の全長4,605×全幅1,875×1,625mm。若手デザイナーチームが手掛けたスタイリングは、プレスの効いた折り目正しさを持ちつつ、男のジャケパンスタイルにも通じる、程よいカジュアルさを漂わせた、キャデラックの現代的なエレガンスが表現されている。

本革をふんだんにあしらったキャビンは清潔かつ上質な空間に仕立てられ、そのうえでタッチスクリーンを主体としたインフォテイメントシステム“CUE”やクラウドストリーミングナビ、良好な後方視界を確保するリアカメラミラーなどを装備。その使い勝手の良さに、現代では当たり前のエアコンやパワーステアリングといった、時代ごとの最新技術を他メーカーに先んじて採用してきたキャデラックの先進性を感じるはずだ。

今の気分を汲み取ったミニマムラグジュアリー

清潔かつ上質な設えのキャビン。ダッシュパネル等もレザーで覆われ、細かなステッチがきっちりと入る。
清潔かつ上質な設えのキャビン。ダッシュパネル等もレザーで覆われ、細かなステッチがきっちりと入る。
荷室容量は637〜1,358ℓ。両手が塞がっている場合でも開閉できるハンズフリーパワーゲートを備える。
荷室容量は637〜1,358ℓ。両手が塞がっている場合でも開閉できるハンズフリーパワーゲートを備える。

2リッター直列4気筒のツインスクロール・ガソリンターボエンジンは約1.8トンの車体を軽々と引っ張り、同じクラスのコンパクトハッチバックにも引けを取らない。そのフットワークの軽さは、まさに若々しくスポーティ。それが故にボディは実際のサイズよりもコンパクトに感じられるから、左ハンドルのみの設定ながら取り回しはしやすい。ドライブトレインには走行状況に応じて瞬時に駆動力配分を切り替えるツインクラッチ式電子制御4WDシステムと9速ATを組み合わせており、高い走破性や良好な燃費も期待できる。

全グレード共通の2ℓ直4ターボは230ps/350Nmを発生。気筒休止システムを組み合わせる。
全グレード共通の2ℓ直4ターボは230ps/350Nmを発生。気筒休止システムを組み合わせる。
装備のほかにも外装のクローム処理やタイヤサイズ等がグレードによって異なる。
装備のほかにも外装のクローム処理やタイヤサイズ等がグレードによって異なる。
すべての写真を見る >>

キャデラックという歴史と伝統の上に立つブランドのなかでも、XT4は決してオールドファッションには陥らない、実に今の気分を汲み取ったミニマムラグジュアリーと言える。格調の高さを感じさせるモダンなデザインを纏い、最新装備を車体の隅々にまで行き渡らせた現代的なもてなしに、往年のキャデラックを知らない世代のハートもがっちりと掴まれるはずだ。

問い合わせ先

ゼネラルモーターズ

TEL:0120-711-276

この記事の執筆者
自動車専門誌『CAR GRAPHIC』で編集記者として取材・執筆から進行管理のデスク業務を担当したのち、ライター・エディターとして独立。専門知識を軸に読み手の知的好奇心を刺激する記事の執筆を心がける。