ものごとがうまく行かない時にフォローするための言い回し、どんな言葉を選ぶべき?
緊急事態宣言中の地域も多く、ご自宅で過ごす時間を充実させたい方の多い連休…ということで、連休期間中は「語彙力アップに役立つ日本語・難読クイズ」をシリーズでお届けして参りました。
最終日となる第六弾は、事がうまく運ばない時に、さりげなくフォローするニュアンスのある言い回しを、難読クイズでおさらいします。
【問題1】「「糅てて加えて」ってなんと読む?
「糅てて加えて」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「ある事柄に、更に他の事柄が加わって。その上。おまけに。」という意味の言葉で、多くは、良くない事が重なる時に使用します。
<使用例>
「思いがけない悪天候に、糅てて加えて鉄道ダイヤの乱れ…大変な中、お越しいただき、ありがとうございます。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 糅(か)てて加(くわ)えて です。
落ち度があって恐縮していたり、反省している方をフォローしたい時、お相手の気持ちに寄り添う言葉選びには、気遣いが必要ですよね?
「バッドタイミングが重なりましたね」「運が悪かったですね」など、マイナスイメージの語彙を避けたい時、「糅(か)てて加(くわ)えて」は、なかなか重宝な言葉です。
「糅」という字は「(劣ったものを)混ぜること」を意味しており、お米が足りなかった時代に麦や雑穀を混ぜてかさを増やしたごはんを「糅飯(かてめし)」と呼んだそうです。
「Aという事柄に、糅(か)てて加(くわ)えてBまで…」という表現は、いかにも「大変な思いをなさいましたね」と、相手に寄り添うニュアンスや、温かみを感じられる言い回しだと思います。
さて、2問目でも、悪いことが重なった場合の、より強い感情を伴った言い回しをおさらいしましょう。
【問題2】「剰え」ってなんと読む?
「剰え」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「別の物事や状況が、さらに加わって。その上。おまけに。」という意味の言葉で、多くは悪い事が重なる場合に用いる言葉です。
<使用例>
「お世話になった方を裏切り、剰え、秘密まで漏らすなんて!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 剰(あまつさ)え です。
こちらは「糅(か)てて加(くわ)えて」よりも、やや強い感情を伴うような言い回しです。ある事柄に、追い打ちをかけるような事柄が加わる際に使用するイメージです。
古めかしい語調に、取り乱さず品位を保った上で、深い怒りや失望を表現する効果が見込めそうですね。大人の語彙として、いざという時に「剰(あまつさ)え」、理知的に使いこなしてください。
本日は、連休中にお送りしました「語彙力アップに役立つ日本語・難読クイズ」シリーズ第6弾として、
・糅(か)てて加(くわ)えて
・剰(あまつさ)え
という日本語の読み方、意味、使い方などをおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『朝日新聞デジタル』(2011年11月14日版)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱