フォスター&サンが既製靴ラインをローンチ!その第一報が届いたとき、服飾関係者の間では大きな期待と共に一抹の不安も漂っていた。フォスター&サンといえば、紳士靴の聖地・英国でも最高峰として知られるビスポークシューメーカー。その圧倒的完成度を知る人ほど、あれを既製で表現しきれるのだろうかと疑念がふくらんだ。

高級注文シューメーカーの歴史的な一足が既製で登場

フォスター&サンのレースアップシューズ

名品データ ●モデル名:『サンドリンガム』 ●サイズ展開:5~8.5 ●木型:『66』●素材:カーフ ●国:イギリス ●備考:ロンドン・ジャーミンストリートにビスポーク専門の店を構える、英国伝統のフォスター&サンが遂に既製靴を発信した。正統的なセミブローグは、同店を代表するモデルだ。ロンドンの新世代の紳士をイメージさせる、クラシックモダンの木型を採用。
名品データ ●モデル名:『サンドリンガム』 ●サイズ展開:5~8.5 ●木型:『66』●素材:カーフ ●国:イギリス ●備考:正統的なフォスター&サンのセミブローグは、ブランドを代表するモデル。

しかし、結果を見てそんな不安は一気に吹き飛んだ。既製靴としては極上品と呼べるオーラではないか!同社ならではの力強いスタイルを受け継ぎつつ、巧みなモダナイズによって洗練された佇まいを表現。

カラーバリエーションにも注目を!

同じ『サンドリンガム』でも、ブラックとはうって変わって靴磨きを続けると、独自の色合いが表現できそうなブラウンだ。
同じ『サンドリンガム』でも、ブラックとはうって変わって靴磨きを続けると、独自の色合いが表現できそうなブラウンだ。

ビスポークは唯一無二だが、既製ラインならではの現代性も大いにありだ。単なるディフュージョンではない既製靴作りに、名門の底力を見た。

正統派を極めるなら間違いのない一足。深めのキャップトウのみをデザインし、ムダをそぎ落としたレースアップシューズである。

※2021年春号掲載時の情報です。 

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MEN'S Precious編集部 
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MEN'S Precious2021年春号より
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戸田嘉昭・小池紀行(パイルドライバー/静物)
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石川英治(tablerockstudio)
EDIT&WRITING :
矢部克已(UFFIZI MEDIA)