フォルクスワーゲンがこのところ進境著しいように思える。端的にいうと、乗る楽しさがぐっと向上していると感じられるモデルが、いろいろ出てきているのだ。2021年5月12日に発売されたSUV「ティグアン」もそのうちの1台だ。

気持ちよく走れることが第一の魅力

LEDマトリックスライトをヘッドランプに採用し、ハイビーム走行時も対向車や先行車を照射しない。
LEDマトリックスライトをヘッドランプに採用し、ハイビーム走行時も対向車や先行車を照射しない。
全長4520ミリ、全幅1860ミリ、全高1580ミリのボディと2675ミリのホイールベースの組合せ。
全長4520ミリ、全幅1860ミリ、全高1580ミリのボディと2675ミリのホイールベースの組合せ。

ティグアンは、全長4515ミリ、全高1675ミリのボディを持つ、2列シートのSUV。全長が15ミリ伸びたことに加え、従来からの前輪駆動方式は継承しつつ、今回は1394ccエンジンに代わり1497cc4気筒エンジンを搭載した。

さらに、変更点は多い。ドライブトレインでは、6段オートマチック変速機が、あらたに7段DSG(2ペダルのツインクラッチ変速機)へ換装されている。

デザイン面でも、フロントマスクは、マトリックスLEDヘッドライトの採用とともに、大きなエアダム一体型バンパー採用と、アグレッシブな雰囲気が強くなった。

1.5リッターエンジンは、110kW(150ps)の最高出力と、250Nmの最大トルクと、従来モデルに対して、数値的にはさほど大きな特徴はない。でも「ティグアンTSI R-Line」のアダプティブシャシーコントロール「DCCパッケージ」(オプション)装着モデルを試したところ、じつに素直なハンドリングが楽しめて、見た目から想像できないほどスポーティな印象がみごとだと感じられた。

ステアリングといいサスペンションといい、じつにバランスがいい。適度な操舵力を要するステアリングホイールへの車体の反応はダイレクトで、中立ふきんからわずかに切り込むだけで、車体はさっとノーズの向きを変える。

そのさいも路面の状況がステアリングホイールを握る手に伝わっている。そのため、よく出来たスポーツカーのように、クルマと“対話”しながら走れる気分が味わえるのだ。アクセルペダルの踏みこみに対する加速性はするどいし、ブレーキは、スポーツカーのようではないものの、しっかり効いてくれる。

運転支援や快適装備も最新モードに

「TSI R-Line」には立体的なグリップ形状のスポーティなステアリングホイールがそなわる。
「TSI R-Line」には立体的なグリップ形状のスポーティなステアリングホイールがそなわる。
レザーシートはオプション。
レザーシートはオプション。

後席も荷室も広いので、荷物がたっぷり積めて、4人のおとなで出かけられるのが、ティグアンの魅力だ。欧州のベストセラーというのもわかる。後席の快適性を体験すると、新しいかたちのセダンとして、アクティブな趣味を持つユーザーに勧められると思った。

R-Lineには専用のクローム装飾がほどこされる。
R-Lineには専用のクローム装飾がほどこされる。
荷室は後席を倒さなくても615リッターと大容量。
荷室は後席を倒さなくても615リッターと大容量。

今回は運転支援システム「トラベルアシスト」採用。渋滞時追従支援システム「トラフィックアシスト」をベースに、ステアリングホイール上のボタンひとつで、先行車の追従走行と、走行レーンを維持するシステムが作動するのだ。

同時に、インフォテイメントシステムも進化。オンラインサービスとして提供されている「We Connect」により、渋滞などの情報をはじめ、窓の閉め忘れや、ドアの解錠・施錠の操作もスマートフォンで行えるようになった。

1.5リッターエンジン搭載の前輪駆動「ティグアンTSI」モデルは、407万9000円から。トップモデルの「TSI  R-Line」の価格は503万9000円だ。今回同時に2リッターの4WDでパワフルな「R」(684万9000円)も設定されている。

問い合わせ先

フォルクスワーゲン

TEL:0120-993-199

この記事の執筆者
自動車誌やグルメ誌の編集長経験をもつフリーランス。守備範囲はほかにもホテル、旅、プロダクト全般、インタビューなど。ライフスタイル誌やウェブメディアなどで活躍中。