「え!?あの言葉って〇月の話だと思ってた!」…意外な時期を指す日本語たち
明日、6月29日は、作曲家・滝廉太郎の忌日『廉太郎忌』です。
1903(明治36)年6月29日、なんと23歳の若さで病死したこの転載は、その短すぎる生涯に、後世に残るギフト…数々の名曲を残してくれました。現在でも、新年の定番ソングになっている童謡『お正月』や、日本で初めて、西洋音楽の旋律を使用した中学校唱歌『荒城の月』などは、現代を生きる皆さまにもお馴染みでしょう。
本日の1問目は、滝廉太郎の代表作『荒城の月』の「月」という字の入った言葉の難読クイズです。
【問題1】「月不見月」ってなんと読む?
「月不見月」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「陰暦5月の異名」です。
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 月不見月(つきみずづき) です。
「月不見月」は、ヒントで書いたように「陰暦5月の異名」です。
五月雨(さみだれ)に隠れて、月の見える日が少ないことから、この異名がついたそう。
…というところで、2問目に参りましょう。
【問題2】「五月雨」は、いつごろ降る雨?
「五月雨」とは、いつごろ降る、どんな雨を指す言葉でしょう?以下の選択肢の中から、正しいものを選んでください。
1:新緑を輝かせる5月の雨
2:梅雨時の小雨
3:初夏のスコールのような雨
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 2:梅雨時の小雨 です。
「五月雨」は、「梅雨時に続く小雨」を指す言葉です。「五月雨」という言葉ができた頃は、現代の梅雨のオンシーズンである6月は、「陰暦5月」だったのです。
ビジネス上など「五月雨式」という言葉、今でもしばしば使われていますよね?「一回のメールで必要な情報を網羅できず、1日に何通もメールを送ってしまう」ような時に「五月雨式になってしまい、恐縮です」などのエクスキューズが定番です。
「五月雨式」とは「梅雨時の小雨のように、やんだと思ったらまた降るように、ダラダラと続く様子」を指します。
1問目の「月不見月(つきみずつき)」も、「陰暦5月の異名」でありながら、現代に当てはめて考えると、「あえて使うなら、6月の異名」という事になります。
言葉の成り立った背景をひもとくと、意外な真実が見えて来ますね。
本日は、6月28日『廉太郎忌』に関するトリビアと合わせ、
・月不見月(つきみずづき)
という言葉の読み方と、
・五月雨(さみだれ)
・五月雨式(さみだれしき)
という言葉の背景をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』株式会社小学館
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱