マックスマーラやドルチェ&ガッバーナなど、Precious.jpでも人気の海外トップブランドのプレスを歴任してきたロイ・明美さんによる連載企画。

結婚を機に英国へ渡りロンドンで暮らし、2014年からはスコットランドの小さな町と村に2つの住まいをもつ彼女の素敵なカントリーライフを、自然、食、インテリアなどさまざまな側面からお伝えします。

今回は、「長い町」という別名をもつオクトラーダをご紹介。スコットランドで最も長いハイストリートにあるロイさんがお気に入りのお店と、5つ星ホテル「ザ・グレンイーグルス・ホテル」を巡ります。

スコットランドで一番長い“ハイストリート”がある町

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オクトラーダのハイストリート。

英国では町や村の中心部に、お店やサービス施設が立ち並ぶ通りを“ハイストリート”と呼びます。

スコットランドで一番長い、全長2.5kmのハイストリートがある町は、エジンバラから北に車で約1時間。パース&キンロス地区にある小さな町オクトラーダ(日本語のガイドブックにはアウキテラーダーとありますが、発音はオクトラーダが通じます)です。

オクトラーダは、このハイストリートがあることから、“The Long Town(長い町)”、ゲール語(スコットランドやアイルランドで話されるケルト系言語)では“The Lang Toun”とも称されています。

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オクトラーダへ向かうカントリーロード。

私が住むアパートメントのある町から車で約15分。モーターウエイ(高速道路)をオクトラーダで降りて5分ほどでハイストリートに入ります。町の中心までの景色も緑豊かなカントリーロードで、気持ちのいいドライブウエイです。

オクトラーダは、オーキル・ヒルズという丘陵地帯にある町なので、ハイストリートを北のほうに行くと、遠くまで見渡せる田園風景を望むことができます。

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真っ直ぐ長いハイストリート。

カフェ、ヘアーサロン、ベーカリー、野菜・果物屋さん、肉屋さん、チャリティー・ショップ、服屋さん、車修理店、薬局、教会など、日常に必要なお店が両サイドに点在しています。パース&キンロスの地域はワクチン接種者も48%までに達して、0から4まであるコロナウイルスの規制レベルも1となり、お店もオープンしています。

その中から“食”を中心に、私がお気に入りの4軒をご紹介したいと思います。

■1:「Sugar Spice」ベーカリー

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真っ赤なファサードが目を引く「Sugar Spice」ベーカリー。

こちらのベーカリーのスコッチパイとブライディ(ひき肉と玉ねぎを炒めてペストリーで包んだパイ)は、1999年から毎年行われているお肉屋さんとベーカリーがさまざまな種類のパイを競い合う「ワールド・チャンピオンシップ・スコッチパイ賞」で、何度も賞を獲っています。

ケーキ、チョコレート、ビスケットからパイが並ぶほか、各種類の粉や砂糖、農場で「放し飼い」で育てられた鶏の卵「Free Range Egg」も販売。

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スィーツから肉系のパイまで種類が豊富。
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ショーケースの左側には大事にディスプレイされたFree Range Eggが。右側には各種の粉や砂糖が積まれています。

■2:クラフト精肉店「Simon Howie」

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地元で生産している新鮮な精肉店。

スコットランドのほとんどの町に精肉店があります。

ここ「Simon Howie」は、近くの農場で生産から店頭に出るまで全て自分たちの手で行なっているクラフト肉屋さん。デリバリーやケータリングも行っています。

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写真は苦手と言っていた肉の職人さん。ちゃんとポーズを取ってくれました。

ビーフ、チキン、ポーク、ラム、ベニスン(鹿肉)のあらゆる部位から、自家製のソーセージ、スコットランドならではのスクエアソーセージ(四角い形状のソーセージ)まで種類豊富に揃います。

また、郷土料理のハギス(羊の内臓をたまねぎ、ハーブ、オートミルとミックスして、羊の胃袋につめたお料理)も自家製で、英国のベスト・ハギスにも選ばれたことがある逸品です。

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手作りビスケットやマーマレード、アップルソースもオススメです。
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テイクアウトできる温かいパイやさまざまなデリを詰め合わせたディナーボックスもシェフの自家製。

■3:フルーツ&ベジタブルショップ

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新鮮な果物と野菜のお店。  

新鮮でカラフルな果物と野菜で彩られたディスプレイのショップ。いつも笑顔の店主さんは、毎日朝いちばんにグラスゴーのマーケットに買い付けに行くそうです。

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おしゃべり好きの店主さん。

私が今日買ったのは、スコティッシュストロベリーとチェリー、ルッコラ。どれも香り、味、食感全て満足度が高く、美味しくいただきました。

■4:ラブリーなカフェ「Café Mimi’s」 

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モダンなファサードの「Café Mimi’s」

ギフトにも素敵なアフタヌヌーンティーやシャルキュトリーのピクニックボックスをテイクアウトできるカフェ「Café Mimi’s」は、ロックダウン中も大人気!

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カスタムオーダーのピクニックボックス。

ピクニックボックスは、カスタムオーダーもできるので、毎回その時の気分で好みのものを楽しめます。

今回オーダーしたのは、スコッチエッグとソーセージパイに、3種類のチーズとハニーコム、そしてクラッカー&フルーツ。2種類のスコーンとスイーツも3種類入っていてバリエーションに富んだ内容。ちょうどいいバランスでした。

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味わいも見た目も抜群のアフタヌーンティーセット。

カフェでいただくアフタヌーンティーは、不思議の国のアリスの食器を使ったラブリーなセッティング。ボリュームもあり、食べきれない時はテイクアウトボックスに入れてくれます。

それぞれの町のハイストリートは個人商店が多いので、店主さんとおしゃべりしながら、その時々の旬の新鮮な食材や調理法を教えてもらったりして、ショッピングをより楽しめるのが魅力です。

大自然の中の「ザ・グレンイーグルス・ホテル」でひと休み

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広大な敷地の中に建つ「ザ・グレンイーグルス・ホテル」

オクトラーダは、5つ星高級リゾートホテルの「ザ・グレンイーグルス・ホテル」があることでも有名です。緑豊かな約3.5km平米の広大な敷地の中にあり、3つのチャンピオンシップ・ゴルフコース、受賞歴のあるスパ、狩猟、釣り、乗馬、オフロードドライブ、猟犬の調教、ミシュラン2つ星のレストランを併設しています。

ハイストリートからは車で5分ほど。お買い物の後に、ちょっと立ち寄ってゆっくりくつろげる空間です。

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格調高い本館が迎えてくれます。
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大自然の中の素晴らしいロケーション。

今日のおすすめ「なごみワンコ」は… 仲よしなシープドッグ

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声をかけたらニコニコ笑顔を返してくれました。1              

オクトラーダでのお買い物中に出会った2匹のシープドッグ。オーナーを待っているのでしょう。いい子に始終ぴったり寄り添って、ニコニコ嬉しそう。行き交う人々も立ち止まって、2匹を見てニコニコでした。

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寄り添って笑顔を振りまく可愛い2匹。

以上、スコットランド在住のロイ明美さんの連載第11回をお届けしました。

ささやかだけれど丁寧で、センスのよさが随所に感じられる「リアル・ラグジュアリー」なライフスタイル。次回はどんなエピソードが届くのか、ぜひお楽しみに!

この記事の執筆者
東京生まれ。父の仕事の関係で小学生時代をペルーのリマで、高校から大学までを米国シカゴで過ごす。帰国後、ジョルジオ・アルマーニ、マックスマーラ、ロメオ・ジリ、シンシア・ローリー、モスキーノ、ドルチェ&ガッバーナと海外有名ブランドのプレスを歴任。東京で知り合ったスコットランド出身のカメラマンのご主人と8年の遠距離恋愛の末、2005年に結婚して英国へ。 撮影コーディネートや、伝統工芸の取材執筆などを手がけながら、温かくセンスのいいカントリーライフを楽しんでいる。掲載写真の多くは夫のコリン・ロイ氏によるもの。インスタグラムアカウント:akemi_okumura_roy