こういう仕事をしていると、まるで挨拶のようにしょっちゅう聞かれる「最近どのブランドがいいんすか?」という質問。

うーん、困った・・・。

山下 「実はマーガレット・ハウエルとか、ジョルジオ・アルマーニとかハバーザックとか・・・数年前から更新されていないんすよね」

相手 「あー、そうですか・・・」

山下 (あ、この人ちょっとがっかりしてる!)

今年に入ってからこんなやりとりを何度も繰り返した末に、いい加減なんか探さなきゃ!って思っていたところ、見つかりました。いいブランドが。

その名は「ドレイクス」。

え、意外性ぜんぜんないって? まあ、ある程度の服好きなら誰もが知っているネクタイブランドだとは思いますが、実はここ数年、すごい勢いでリニューアルを遂げているんです。

たとえばこのシャツ。「次に来るシャツNO.1」である、ロングポイント気味のレギュラーカラーです。

英国を代表するシャツメーカー、「クリーブス オブ ロンドン」に別注したもの。

タイスペースが妙に広いのが特徴。ネクタイ屋のシャツってことかな?
タイスペースが妙に広いのが特徴。ネクタイ屋のシャツってことかな?

クラシックファッション界の生ける伝説、赤峰幸生さんも愛するこの襟型、よくも悪くもバッチリ決まりすぎてしまうワイドカラーとは違って、カラーステイを抜くとVゾーンにいい表情が出るんですよね。

ネクタイを締めるとご覧の通り。
ネクタイを締めるとご覧の通り。

実はこのロングポイントシャツ、以前ロンドンのドレイクスショップで見つけたのですが、そのときはオックスフォード生地しかなくて断念。この10月、GINZA SIXのドレイクスショップで写真のブロード生地を発見、晴れて購入と相成りました。現在は生地のバリエーションが少ないのですが、実は某大手セレクトショップも来春に向けて大量発注しているとのウワサ。もしかしたらしばらく待てば無地のホワイトとかも見つかるかもしれませんね?

さて、お次はこんなワーク風味のカバーオールも購入。おお、まるでN.Y.のストリートフォトグラファー、ビル・カニンガムみたいじゃありませんか! 

こちらもクリーブス・オブ・ロンドンに別注したもの。お値段は確か¥27,000くらいだったかな? 英国製にしては安い!
こちらもクリーブス・オブ・ロンドンに別注したもの。お値段は確か¥27,000くらいだったかな? 英国製にしては安い!

ブルーワーカーのようだけれど、ちょっとだけ洗練されていて、どっかアーティストっぽい雰囲気のこのカバーオール。ガシガシ洗い込んで、ペンキの跡とかつけてボールペンを何本も挿したりすると、さぞかし格好いいでしょう!

クリーブスのシャツとも好相性。Tシャツも似合うけれど、タイドアップするとよりいい雰囲気。
クリーブスのシャツとも好相性。Tシャツも似合うけれど、タイドアップするとよりいい雰囲気。

ほかにもカラフルなシェットランドニットとか、ベルトレスのイタリア製スラックスとか、最近のドレイクスの洋服はどれも素晴らしい完成度。なんというか、イタリアの影響を受けすぎていない、90年代後半の日本のセレクトショップを彷彿させるんだな〜。

インバウンド狙いのショップが居並ぶGINZA SIXの中で、異彩を放つドレイクスのショップ。ぜひチェックしてみてください!

この記事の執筆者
MEN'S Preciousファッションディレクター。幼少期からの洋服好き、雑誌好きが高じてファッション編集者の道へ。男性ファッション誌編集部員、フリーエディターを経て、現在は『MEN'S Precious』にてファッションディレクターを務める。趣味は買い物と昭和な喫茶店めぐり。