ムートンアウターを買う前に徹底的に考えたいのは、それが長年の着用に耐えるものなのか?ということ。その点最も大切なのは、最上級の素材である。安価なムートンは重いし手触りも悪いので、絶対にすぐ飽きてしまう。多少予算は張ろうとも、レザー使いに長けたメゾンブランドから選ぶのが正解なのだ。そして次なるポイントは、シルエット。1980年代のオーバーサイズや近年のスーパータイトなど、トレンドから影響を受けすぎたものは、素材がどんなによくても数年で着られなくなってしまう(苦い思い出のある方も、多いですよね?) うれしいことに、今季は中庸ともいえるほどよいシルエットを備えたムートンアウターが、メゾンブランドからたくさん登場している。10年後、20年後のヴィンテージとなりうる一着を、この機会に選ぼうではないか!

BRUNELLO CUCINELLI/ブルネロ クチネリ

うれしい機能も備えた長年愛せる一着

滑らかなファー仕立てにした極薄のムートンコートは、圧倒的な存在感とは裏腹の、軽やかな着用感が魅力。しかし撥水加工により汚れや水滴には強いから、淡いベージュであっても安心して日常使いができる。ライトグレーのニットやパンツと合わせるような、繊細かつ贅沢な着こなしを楽しみたい。

コート¥890,000・ニット¥130,000・シャツ¥60,000・ストール¥72,000・パンツ¥112,000・グローブ¥92,000(ブルネロ クチネリジャパン)

BERLUTI/ベルルッティ

洒落た色味で差がつくフレンチ流ムートン

ごくプレーンなデザインながら、まるでマラケシュの赤土のような鮮やかなブラウンをまとった、フレンチブランドならではの極上ムートンコート。ボタンの留め方によって雰囲気に変化をつけられる、ダブルブレストという点も魅力だ。コートと同様に全身ブラウンカラーでまとめれば、落ち着きと華やぎを併せ持つスタイルに。

コート¥760,000・ニット¥60,500・ストール¥101,000・パンツ¥101,000・靴¥276,000(ベルルッティ・インフォメーション・デスク)

LANVIN ランバン

真冬の海が似合うピーコート風ムートン

どっしりとしたハーフ丈の肉厚ムートンコート。落ち着いたブラックカラーや、合わせの深いシングルブレストという大人っぽいデザインが、往年のフレンチシネマを思わせる一着だ。錨マークをあしらったボタンや、肩やそで口、ポケットの縁などに配したスムースレザーも、洒落たアクセントとして効いている。こんなコートに合わせるアイテムは、1960年代っぽいタートルネックニットしかない!

コート¥778,000・ニット¥87,000・パンツ¥124,000(ランバン ジャパン)

BOTTEGA VENETA ボッテガ・ヴェネタ

どこか懐かしさを感じるナチュラルな素材使い

ちょっと巻き毛気味のナチュラルなムートンにホーン製のトグルを配して、ショート丈のダッフルコートのようなデザインに仕立てた一着。そのラグジュアリーながら気どらない雰囲気は、デニムなどのカジュアルなパンツとも相性抜群だ。襟を立てて、無造作に着るのが格好いい。実はリバーシブル仕様で、シアリング面を表にして着ることも可能!

コート¥830,000・ニット¥120,000・パンツ¥60,000・靴¥90,000(ボッテガ・ヴェネタ ジャパン)

HERMÈS エルメス

ムートンの常識を覆すターコイズの鮮烈

アントラシト(ダークグレー)とターコイズブルーという鮮やかな色使いに惹かれる、シアリングパーカ。いわゆるボンバージャケットとはまた違う、モダンなデザインも魅力的だ。配色とデザインにばかり目がいきがちだが、素材にはベビーラムが使われており、もちろんその手触りは抜群。どんなに大胆に見えても、エルメスのムートンは買って損なし。それは歴史が証明していることだ。

ブルゾン¥1,890,000・ニット¥213,000・ストール¥62,000・パンツ¥122,000・靴¥122,000(エルメスジャポン)

GIORGIO ARMANI ジョルジオ アルマーニ

アルマーニ流ミニマルムートン

ボタンを露出させない比翼仕立てで、スタンドカラー。切りっ放し風に仕上げた襟。ブラックに近い、ダークネイビーカラー……。ジョルジオ アルマーニお得意の美意識をちりばめたムートンコートは、長年愛せるシンプルなデザインがうれしい一着だ。裏側はラグジュアリーなファー仕上げだが、決して毛足は長くないので、日本の気候にもぴったり。ウールのスラックスはもちろん、ジーンズなどにも合わせたい。

コート¥500,000・ニット¥180,000・ハット¥69,000・パンツ¥173,000・眼鏡/参考商品(ジョルジオ アルマーニ ジャパン)

LOUIS VUITTON ルイ・ヴィトン

フレンチメゾンならではのミリタリームートン!

ミリタリーテイストのハードなデザインと、ヴィンテージ調の肉厚ムートンを融合させた、男の冒険心をくすぐるブルゾン。ウールカシミアのリブや、写真に写っていない左の身頃にルイ・ヴィトンの象徴たるトランクスタンプをあしらうなど、洗練をアピールする意匠も随所に盛り込んでいる。ぜひスラックスに合わせて、上品にコーディネートしたい。

ブルゾン¥985,000・ストール¥62,000・パンツ¥132,000(ルイ・ヴィトン クライアントサービス) 他/私物

LOEWE ロエベ

ラフに着こなしてこそ粋な最上級「ナパレザー」のムートン

最近では珍しくなった、1970年代を彷彿させるクラシックなムートンコート……しかもそれがロエベのものなら、手に入れぬ理由はどこにもない。素材にはもちろん最上級の「ナパレザー」が使われており、その質感はちまたのムートンとは別格である。見た目を裏切る軽さも自慢。こんな極上ものなら、往年のセレブリティを気どったラフな着こなしにも、知性と品格が宿るのだ。

コート¥695,000・ニット¥92,000・パンツ¥120,000・靴¥74,000(ロエベジャパン カスタマーサービス)

PRADA プラダ

珍しいネイビーカラーのモダンなムートン

ネイビーのムートンにヴィンテージ風の加工を施 した、ショート丈ブルゾン。スポーティなデザイ ンながら、巻き毛気味のファーがラグジュアリー な印象を放っている。こんなブルゾンなら、ジー ンズに合わせてもシックに見える。¥516,000(プ ラダ ジャパンカスタマーリレーションズ)

DUNHILL ダンヒル

1950年代のアーカイブから着想を得たカーコート。メリノ種の最高級ムートンは、一見重厚に見えるが抜群に軽く、しかもやわらかい。アクセントの大きな襟はなんとビーバー製で、取り外しも可能。実に嗜好性の高い、ロマン搔き立てる一着だ。¥570,000(リシュモン ジャパン〈ダンヒル〉)

DSQUARED2 ディースクエアード

ミリタリームートンの傑作『B-3』と、ライダースジャケットを融合したようなデザインの一着。個性的ではあるが決してハードにはならず、とても自然に見える点が魅力。グレイフランネルやツイードのパンツに合わせると、実にエレガントに映えるはず。¥465,000(ディースクエアード 東京)

SALVATORE FERRAGAMO サルヴァトーレ フェラガモ

美しいネイビーとダブルの6つボタンを特徴とする、ピーコート風ムートン。フロントには同色の表革をトリミングすることで、ラグジュアリー感をプラスしている。ムートンのおおらかさと、端正さを併せ持つ希有な一着だ。¥690,000(フェラガモ・ジャパン〈サルヴァトーレ フェラガモ〉)

HERNO ヘルノ

ヘルノが誇るダウンジャケットの身頃をムートンで切り替えた、唯一無二の一着! 薄く削いだラムスエードとカシミアシルクの質感とのコントラストが、実に美しく際立っている。その質感と軽さは、はおった瞬間にため息が漏れるほどだ。¥410,000(ヘルノ プレスルーム)

ETRO エトロ

落ち着いたグレーカラーと長めの毛足がエレガントな、シアリングコート。襟を寝かせて着ればドレッシーに、立てればラフにといった具合に、様々な表情が楽しめる。襟裏はもちろんポケットの裏地にもペイズリーを配するなど、エトロらしい意匠も満載。¥760,000(エトロ ジャパン)

以上、ラグジュアリームートンを14点紹介しました。冬を暖かく過ごす必須アイテムを取り入れてみてはいかがでしょうか?

※価格はすべて税抜です。※価格は2016年冬号掲載時の情報です。

この記事の執筆者
TEXT :
MEN'S Precious編集部 
BY :
MEN'S Precious2016年冬号 「ムートンアウター」豊穣の季節がきたより / 2018.2.21 更新
名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
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撮影/北浦凡子(SIGNO/人物)、小池紀行(パイルドライバー/静物) スタイリスト/櫻井賢之 ヘア&メーク/HIROKI(W management) モデル/Yaron 構成/山下英介(本誌)
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