1803年、調香師であったジャン=ヴァンサン・ビュリーがパリで立ち上げた「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」。特に酢に香料を入れた香り酢(水性香水の起源)の開発などにより、成功を収め、18世紀末から19世紀初頭におけるフランスの美容品黄金時代を牽引する存在になった。バルザックが著した大作「人生喜劇」に含まれる小説の主人公、セザール・ビロトーの着想源としても知られ、彼がいかに注目を集めたかがうかがえるだろう。
まるで舞台装置のような、ドラマティックな店内
オーナーでアーティスティックディレクターのラムダン・トゥアミがフランスの美容品黄金時代に思いを馳せ、2014年に生まれ変わったのが新生「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」だ。
パリをはじめ、サンフランシスコやロンドンなどに店を構え、日本には2017年4月に上陸。日本の匠の仕事を敬愛するラムダンらしく、本国フランス以外で9店舗を構えるのは日本以外になく、日本贔屓が伝わってくる。そんな日本の旗艦店は代官山の閑静な住宅街の中にある。
店内に一歩足を踏み入れると、その内装にまず驚かされる。左右で全く雰囲気が異なるからだ。
場面転換のための舞台装置を彷彿とさせる店内は、右は大理石やウォルナット、床にはテラコッタのタイルを使用し、1803年のパリの薬局をイメージ。
もう一方はブティックのある地域の特性を反映させるコンセプトのもと、東京の持つフューチャリズムとラボのイメージを無機質なコンクリートで表現している。
内装だけでなく、それぞれで照明も変えているため、昼と夜くらい印象が違う。店作りへのこだわりも同ブランドのこだわりと言えるだろう。
ブティックに訪れたら、ぜひ試したい「オー・トリプル」のテスター
ブティックに用意されている商品はもちろん、テスターに至るまで随所にブランドの世界観を大切にしている。その一つが東京側に置かれたブランドを代表するアイテムである水性香水「オー・トリプル」のすべての香りを試すことができるテスターだ。
黒いポンプを押すと、理化学用のガラス瓶に入った水性香水の香りが漂う。一般的な香水のテスターと違い、遊び心を感じられ、思わずワクワクしてしまうはずだ。
数年の歳月を費やして開発された「オー・トリプル」は、世界でも類を見ないアルコールやエタノールを一切使用しない水性香水。持続性のある香りは主張しすぎず、しとやかに知覚に訴えかける。
苔とセージなどを中心にしたグリーンでミネラルを感じさせる「リケン・デコス」、ミネラルでウッディな「フォレ・ドゥ・コミ」など14種類の香りが揃う。
フランス製のガラスボトルも雰囲気があり、洗面台や寝室に並べてもしっくりと調和する。
アルコールを使わないことで乳液状のテクスチャーになり、肌を乾燥させないのも魅力だ。
フランスの名だたる調香師を招き、ルーブル美術館とコラボレーションしたエクスクルーシブな「オー・トリプル」の「ルーブル美術館コレクション」。ルーブル美術館所蔵の代表的な作品にインスパイアされた香りを創作する、刺激的な試みだ。
ジョルジュ・ドゥラトゥール作「大工の聖ヨセフ」にインスパイアを受けた香りはウッドとピンクペッパー、バーベナとスギの四重奏。「サモトラケのニケ」はジャスミンやオレンジの花、ローズなどの地中海のブーケと海と塩の要素を組み合わせている。
目の前でカリグラフィーを書く様子を堪能しよう
「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」では、パーソナライズドサービスとして無料でカリグラフィーによるメッセージ書きを行っている。
オンラインからもオーダーできるが、ブティックであればスタッフが書いている様子を見ることができる。
次回はおすすめの自分へのギフト、紳士から淑女へのギフトを紹介していく。
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- TEXT :
- 津島千佳 ライター・エディター
- PHOTO :
- 黒石あみ(小学館)