サンダルを履く機会が増える季節がやってきた。紳士たるもの、足先やかかとも清潔に、美しくしておかなければならない。

そこで、足のケアとネイルのトリートメントの施術をしてもらえる、ザ・リッツ・カールトン スパ 東京の「ペディ:マニ:キュア スタジオ バイ バスティアン・ゴンザレス」を訪問してきた。

本稿はそのレポート記事である。

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ザ・リッツ・カールトン スパ 東京のレセプション。

フランスに、ポディアトリスト(=足医学専門家)なる職業があるのをご存じだろうか? 魚の目やタコ、巻き爪、外反母趾など、足のトラブルを解決してくれる専門家のことだ。フランスでは、4年生大学で学んだ後に得られる国家資格を取得した上で就ける職業だ。

歯のトラブルがあれば歯科にいくように、足に異常があれば、フランス人はポディアトリストを頼る。

世界的ポディアトリスト(足医学専門家)のバスティアン・ゴンザレス氏が手がける「ペディ:マニ:キュアスタジオ バイ バスティアン・ゴンザレス」は、世界中のラグジュアリー リゾートやスパ内で展開され、高い評価を得ている。

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「ペディ:マニ:キュア スタジオ バイ バスティアン・ゴンザレス」スタジオマネージャー、ブノワ・ペリエ氏。

ザ・リッツ・カールトン スパ 東京には、バスティアン・ゴンザレス氏の右腕である、スタジオマネージャー、ブノワ・ペリエ氏が在籍し、施術をしてくれる。

ペリエ氏は、大学を卒業後、パリの足医学のクリニックに5年間勤務。そして、2006年にモナコでバスティアン・ゴンザレス氏と出会う。

同氏の元でキャリアをスタートすると、その後、スペイン、メキシコ、トルコ、ベトナムにあるホテルやリゾートで「ペディ:マニ:キュア スタジオ バイ バスティアン・ゴンザレス」のスタジオマネージャーを務めてきた、この道のプロフェッショナルだ。

真面目で温厚な人柄で、優しく丁寧に接客してくれる。英語も堪能で、施術に関する内容であれば、日本語までも話せる。インテリジェンスを感じられる人物だ。彼の顧客は、経営者をはじめとしたビジネスパーソン、芸能人、スポーツ選手、そして、最近は政治家も増えてきているんだとか。

さて、以下では施術内容を紹介していく。

スパも利用可能。1時間早く到着して、身体を温めてリラックス

ホットバスとそこから見える景色。
ホットバスとそこから見える景色。

施術の前後で、ホットバス・コールドバス・スチームサウナ・ドライサウナも利用可能。1時間くらい前に到着して、スパを利用しリラックスした状態で施術に向かうことをおすすめする。

湯に浸かりながら、東京ミッドタウン46階の大きな窓から景色を望めば、都会の喧騒を忘れられた。

ネイルケア、角質除去、フットマッサージなど、75分間のメニュー

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ペリエ氏が施術内容について丁寧に説明してくれる。

今回は、「バスティアン・ペディキュア」という、ネイルトリートメントを含む総合的なペディキュアを受けられる75分間のメニューを体験した。ネイルを優しく磨いてくれ、角質や乾燥した皮膚を除去するスキントリートメントをしてくれる。仕上げは、フットマッサージ。

トリートメントルームは、ヒーリング音楽の流れる癒しの空間で、この部屋からも東京の眺望が見られる。

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衛生面にも入念な配慮が。洗浄・殺菌などを徹底している。

施術器具は、歯科で使用されるものに似ていた。フランスで使われているものと同じらしい。

最大のポイントは「医学」×「美容」

専門の機器で魚の目の処置をしてもらっている様子。
専門の機器で魚の目の処置をしてもらっている様子。

一見、痛そうに見えるかもしれないが、まったく痛みを感じない。ここが、皮膚科での手術と違うポイントだ。リラクゼーションを目的としているため、痛みがないように工夫してあるのだ。

皮膚科ではもちろん爪を磨き上げてくれないし、逆に、爪を磨いてくれるネイルサロンでは、魚の目などの足の悩みへ根本的な処置はしてくれない。

「医学」のアプローチ+リラクゼーションや、美しさを追求する「美容」の両方が合わさっているのが、「ペディ:マニ:キュア スタジオ バイ バスティアン・ゴンザレス」が提供するサービスの魅力なのだ。

ラテン語で「ペディキュア」とは、足の不調を治すこと

ペリエ氏の話によると、「ペディキュアの語源を辿っていくと、ラテン語に行きつきます。足を意味するラテン語『pedis』と、手入れを意味する『cura』が合わさってできた言葉です。甘皮処理なども含めた足のケアを意味します。そのため、本来、爪に塗料を付けることとは、意味が異なるのです」とのこと。

「ペディ:マニ:キュア スタジオ バイ バスティアン・ゴンザレス」では、まさに、この語源に根差した施術がなされているわけだ。

革靴文化が生んだ、フランス式「ペディキュア」

フランス人は、足にトラブルがあると、ポディアトリストのクリニックに向かうと先述したが、これがなぜ、日本で普及していないのか、ペリエ氏に尋ねてみた。

「ヨーロッパでは、以前から革靴を履いていたので、足の問題を解決するスペシャリストが必要でした。少なくとも、フランスの『ペディキュア文化』の歴史は200年は続いています。

しかし、日本では江戸時代頃まで下駄や草履を履いて過ごしていたため、革靴に悩まされることがありませんでした。そのため、ヨーロッパと比べると、日本人の足の悩みは最近起こったことだと言えるでしょう。

このほか、フランスの足医学のクリニックでは、腰の痛みの原因が足にあると考えられる場合、インソールを作って体の歪みを治すことで対処します。そうした治療もしています」

こうしたフランスの土壌が生んだノウハウが、「バスティアン・ゴンザレス」のメソッドに詰まっているのだ。

身体の循環が良くなる仕上げのマッサージ

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照明を落として、さらにリラックス。

最後の仕上げに、つま先から膝まで丁寧にマッサージしてくれる。筋肉の張りを和らげ、身体全体の循環が良くなる効果がある。

美しく、細やかな仕上がりに

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施術後の足。

これまでに見たことのない爪の輝きに、感動! その他、魚の目が消えていたり、不要な角質が落ちていたり、様々な変化が。

革靴を履いたら、効果を実感!

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革靴を履いていることによるストレスがほとんどなく、実に快適。

施術の効果を最も感じたのは、靴を履いてしばらく歩いたときだ。小指の魚の目がなくなっていることと、おそらくマッサージのデトックス効果で足のむくみが取れ、足がひと回り小さくなったような感触があった。

革靴なのに、スニーカーを履いているのかと錯覚するくらいの快適さだった。効果は絶大だ。


この夏、サンダルを履く予定があるなら、日本で唯一、ブノワ・ペリエ氏しかできない特別なペディキュアを、ぜひ、一度、体験してみてはいかがだろうか。サンダルを履かない人も、革靴の履き心地の違いを味わってほしい。

※新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下では一部情報が変更となる可能性があります。公式HPなどでご確認ください。

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