行正り香さん流「お招きする日のワインと3皿」×3シーン
行正さんが誰か来る日に用意するのは、「3皿」が基本。前菜・サラダ・メイン、または、サラダ・メイン・パスタなど、もてなす人や時間によって構成しています。「3皿」なら無理なくつくれるし、意外と量もあるもの。手頃でエレガントなワインを組み合わせて、ゲストとかげかえのない時間を過ごしましょう。
【Scene1】女友達と、スローに家飲み│休日の夕方、軽くつまみながらのアペロを楽しむ
「気のおけない女友達と早い時間から飲むときは、キッチンとテーブルを往復しなくていい3皿を。ミートボールはスパイスを効かせればさめてもおいしく、マリネやピクルスはつくって冷やしておけるので、段取りの心配もなく気が楽です。軽くアペロのつもりが、そのまま食事にもなる満足度。ビル・エヴァンスをBGMに乾杯すれば、ボトルがあっという間に空いていきます」(行正さん)
■1:まぐろのレモンマリネ
一緒に和えるパン粉にマリネ液がしみて、さっと和えるだけで長く漬けたようなこなれた味に。バチ、ビンチョウなどの安価なまぐろでもおいしくなる。ミニトマトのみじん切りを加えれば、よりさっぱりと食べられる。
■2:カリフラワーのピクルス
食感のある生野菜を、甘酢のさっと漬けでいただく簡単ピクルス。上品な酸味がシャンパンに合い、暑さで疲れた夏の体も癒やしてくれる。セロリやズッキーニなど、食材はお好みで。前日につくっておくのがおすすめ。
■3:スパイシーミートボール
たっぷりのスパイスで、エスニック風に仕上げた大人味のミートボール。さめてもおいしいので、あらかじめつくっておける。肉だねは成形せず、スプーンで鍋に落としても。スパイスにキャラウェイパウダーを加えてもおいしい。
【詳細なレシピはこちら:「女友達とゆったり家飲みする場合の3皿とワイン」】
◆合わせるワインは…リッチな泡と、フレッシュな白ワインで乾杯!
◇ルイナール ブラン・ド・ブラン
シャルドネ種のみでつくられ、芸術とも称えられるシャンパン。爽やかな味わいで飲み飽きない。
◇ターンブル ソーヴィニョン・ブラン エステート・グロウン オークヴィル ナパ・ヴァレー
柑橘系やハーブのアロマ、ナチュラルな味わいの白ワイン。
【Scene2】趣味の仲間とテラスB.B.Q.風│太陽の下、オープンエアで楽しむB.B.Q.風レシピ
「今みたいな時世は、風通しのよいテラスや庭でのおもてなしもよいもの。料理は、パンとサラダと豪快な肉料理があれば十分。どれもソースをつくり、食材と混ぜるだけ、焼くだけ。バーベキューグリルの代わりにオーブンを活用すれば、ほったらかしでできるので楽です。あとは、太陽の光や風の香りもいい調味料に。趣味の仲間と食べて飲んで、夜は動画やドラマ鑑賞会。そんな流れも楽しそうです」(行正さん)
■1:バーベキュー味のポークスペアリブ
程よく焦げ目がついたスペアリブを大皿に盛れば、テンションが上がる。太陽の下では手づかみで、豪快にかぶりつくのも気分。時間があれば肉に切り込みを入れ、下味をつけて1時間ほどおいておくと、より味がなじむ。
■2:シンプルグリーンサラダ
ベランダで育てたハーブもたっぷり使ったサラダ。ドレッシングのベースは、すし酢とオリーブオイル1:1に、塩をひとつまみ。これは、どんな食材にも合う行正流の黄金比。サラダを和えるのは乾杯直前に。
■3:バジルガーリックブレッド
手軽にごちそう感が出せて、ガーリックバターの香りが食欲をそそるひと皿。バゲットは、なるべく長いまま焼くと見映えがする。おなじみのレシピを、ちょっとしたコツで楽しんでもらうのも、おもてなしのコツ。
【詳細なレシピはこちら:「趣味の仲間とバーベキュー風に楽しむ場合の3皿とワイン」】
◆合わせるワインは…ほのかな渋みと果実味のあるロゼと赤を
◇ミラヴァル ロゼ
ブラッド・ピットが手掛ける、世界No.1にもなったロゼ。ほのかな渋みはバーベキュー味と相性がいい。
◇ジラード オールド・ヴァイン・ジンファンデル ナパ・ヴァレー
熟したフルーツのような果実味ながら重すぎず、飲みやすい。
【Scene3】家族でゆっくりディナー│毎日の食卓を、おうちレストランに変えて
「毎日の食事は当たり前の時間だからこそ、たまにはキャンドルを灯し、チェット・ベイカーのジャズをかけ、レストランみたいな演出にするのも楽しいもの。そんな日のわが家の3皿は、サラダと煮込みとパスタ、食べ応えのある組み合わせ。ワインを開け、飲めない人にはワイングラスにスパークリングのぶどうジュースを」(行正さん)
■1:夏野菜のハーブグリル
夏野菜に下味をつけ、グリルするだけ。野菜は厚め、大きめに切ると、凝縮されたうま味、甘みを余すところなく味わえ、ハーブの香りでワインが進む。下味に使うハーブはバジルやセージ、山椒など、お好みで。
■2:しらすのアーリオオーリオ
しらすの塩気とにんにくが食欲をそそり、みょうがとディルの香味で後味は爽やか。チキンスープの素など、動物性のだしを少し加えるとうま味がふくらむ。お湯を沸かしてパスタをゆで、乾杯してから仕上げて。
■3:豚肉の白ワイン煮
たっぷりのオイルで、ほろほろになるまで煮込んだレシピ。午後から鍋を火にかけ、しっとりと柔らかくなった豚肉は、リエット風にバゲットにのせてもおいしい。時間がなければ圧力鍋で40分煮込んでも。
【詳細なレシピはこちら:「家族でゆっくり楽しむ場合の3皿とワイン」】
◆合わせるワインは…飲む人は赤ワイン、飲めない人にはぶどうジュース
◇ドネリ グレープ・スパークリング・ビアンコ
ノンアルコール、砂糖無添加のスパークリングジュース。白ぶどう果汁のフレッシュな果実味と自然な甘さがおいしい。
◇コス チェラスオーロ・ディ・ヴィットリア クラシコ
自然に任せたつくりならではの、すっきりとしたシチリアワイン。
※撮影は十分な衛生管理・感染対策をしています。
※掲載した商品の価格は、すべて税込みです。
- PHOTO :
- 神林 環
- STYLIST :
- 澤入美佳
- EDIT&WRITING :
- 松田亜子、池永裕子(Precious)
- 料理 :
- 行正り香