窓から差し込む日差しの角度や夕方の風の温度に夏の終わりを感じる今日この頃。それでも残暑は厳しく、しっかりめに冷やしたワインやビールがおいしい日々がもうしばらく続きそう。そんな夏の終わりの部屋には、涼しげなアレンジの花を飾るのもいい。
そこで、今回のテーマはCOOL! 恵比寿「GINKGO」のオーナー・フローリスト山岡まりさんが提案してくれたのは、花ではなく、ナチュラルな趣を見せる“グリーン(葉もの)”と“実もの”でのアレンジだ。
ユーカリのふわりとしなる枝ぶりと、銀色味を帯びたクールな葉色を楽しむ
まずは、おすすめのグリーンとして「ユーカリ」をチョイス。細身のグラスに無造作に生けるだけで、涼しげな風景が目の前に現れた。
ユーカリといえば、コアラの好物として知られるオーストラリア原産の常緑高木。細く弾力性に富んだ枝についた葉は、銀色っぽさを帯びたくすんだ緑色で、シルバーリーフとも呼ばれる。また、香りにリラックス効果があると言われ、精油(ユーカリオイル)をはじめハーブティーなどにも利用されている。
実はユーカリには多くの品種があり、その数は1000種とも言われる。花屋の店頭に並ぶような花材として使われるユーカリは、そのうちの40種ほど。枝ぶりや葉の形も種類によって様々で、つぼみを付ける品種もある。
メタリックに輝く青紫の実がクールな彩りで魅せるビバーナム・ティナス
一方、実ものとして山岡さんが選んだのは、ビバーナム・ティナス。枝もたわわに実った青紫の小さな実にはメタリックな輝きがあり、葉は濃いめの緑色。大きめのタンプラーにざっくりと挿しただけで、なかなかの存在感。目の前に木陰ができたような涼しげな風景を作り出すことができる。同じ「ビバーナム」の仲間で、オレンジ色や赤色の実をつける「ビバーナム・コンパクタ」という品種もある。こちらは暖色系の実の色を生かして、秋向きのアレンジに使いたい。
ちなみに、涼しげだけど葉もの実ものだけでは寂しい、というのであれば花を一輪、添えるのもいい。ここで山岡さんが選んだ花は「ヤグルマギク」。ヨーロッパや中近東を原産地とするキク科の一年草で、「矢車草」とも呼ばれ親しまれている。すらりと伸びた茎の先に付けた花が風に吹かれて揺れる様子は、なんとも涼しげだ。
残暑とはいえ、気温の高い時期はどうしても花が痛みやすい。その点、ユーカリの葉持ちは2週間以上、ビバーナム・ティナスの実持ちは14日前後と、クールなその姿を長めに保つこともできる。涼し気な葉と実で夏の名残をたっぷりと楽しみたい。
問い合わせ先
- TEXT :
- 堀 けいこ ライター
- PHOTO :
- 島本一男(BAARL)
- 取材協力 :
- GINGO
- 参考書籍 :
- 「花屋さんに並ぶ植物がよくわかる 「花」の便利帖(KADOKAWA)」