「人中」って「世の中」という意味で使用する時は、なんと読む?
明日、8月20日は、幕末の志士として名高い人物の一人・高杉晋作の生誕日です。
天保10(1839)年に生まれの高杉晋作、長州藩を倒幕へと方向づけた歴史の立役者であり、身分に因らない「奇兵隊」を創設するなどの活躍で知られていますが、
慶応3(1867)年に、明治政府誕生を見ることなく、結核によって27歳の若さで病死しています。
27歳と言うと、現代ではまだまだ青春、と感じるような年齢です。…本当に濃密な人生を生きた人物だったのですね。
『おもしろき こともなき世を おもしろく』
という辞世の句は、あまりにも有名ですし、たった17音の句に込められた深い背景や表現力、今の時代に触れても、圧倒されます。
…ということで本日は「世(よ)」、つまり「世の中」を表現する日本語に関連したクイズをお送りします。
【問題1】「巷間」ってなんと読む?
「巷間」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「まちなか・ちまた・世間」という意味の言葉です。
<使用例>
「彼の優秀さは、もはや巷間の噂になっているほどです。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 巷間(こうかん) です。
「巷の噂(ちまたのうわさ)」という表現は大変ポピュラーですが、
「巷(ちまた)」と同じ意味を持つ2字熟語「巷間(こうかん)」、「巷(ちまた)」という読み方の印象が大きく、すぐに思い浮かばない、という例もあるようです。大人の表現としては「巷(ちまた)」よりも「巷間(こうかん)」のほうがフォーマルに使用しやすいと思いますので、おさらいしておきました。
さて、2問目に参りましょう。
【問題2】「人中」ってなんと読む?
「人中」を「世間。世の中。」という意味合いで使用する場合の読み方を、以下の選択肢の中から選んでください。
1:にんちゅう
2:にんじゅう
3:じんちゅう
4:ひとなか
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 1:にんちゅう 2:にんじゅう 3:じんちゅう 4:ひとなか のすべて です。
「人中(にんちゅう/にんじゅう)」は「人間の世界。世間。」という意味を持ち、
「人中(じんちゅう/ひとなか)」は「大勢の人間のいる場所。世間。」という意味を持ちます。
ですので、1~4のどの読み方でも「世間。世の中。」の類語となります。
※「人中(にんちゅう/じんちゅう)」と読むと、「鼻と上唇の間にあるくぼみの部分」を指す言葉にもなります。
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本日は、8月20日、幕末の志士・高杉晋作の生誕日にちなんで、
・巷間(こうかん)
・人中(にんちゅう/にんじゅう/じんちゅう/ひとなか)
など、「世の中」という意味で使用される言葉についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
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- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』(株式会社小学館)/『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱