だれもがもっているアイテムであり、シンプルかつエレガントな「黒タートル」のニット。それゆえに、エターナルなアイテムだから…と、ついアップデートを怠っていませんか? 実は、定番アイテムこそ、デザインやシルエットが、シーズンごとに刻々と進化しているのです! そこで、「黒タートル」の新たな魅力に出合えるブランドやデザインとともに、取り入れやすい5つのコーディネートをご紹介します。
そのシンプルさで、自分だけの魅力を引き出してくれる「黒タートル」
■1:コンサバな印象のクルチアーニのハイゲージニットは、辛口アイテムで都会的に
シンプルで上質なニットに定評のあるクルチアーニ。なかでも、シルクカシミヤのハイゲージタートルニットは、女性の体を美しく見せると評判のベストセラーです。ごくベーシックでほっそりとしたシルエットゆえ、レイヤードもしやすく、それでいてアームホールなどの動きやすさもしっかり考慮されています。
シンプルなハイゲージの黒タートルは、ともすると地味な印象になることも。ライダースジャケットやシルバークラッチ、パイソンシューズといった、辛口の迫力アイテムで少しハードに仕上げるとかっこよくまとまります。
■2:モノトーン配色でカジュアルに仕上げる、プロエンザ スクーラーのスタイリッシュニット
今のムードを漂わせるリアルクローズブランドとして、N.Y.のファッショニスタから絶大な人気を誇るブランド、プロエンザ スクーラー。それだけに、一見シンプルな黒タートルもどこかスタイリッシュ! その秘密は、ニットの編み目の切り替えや、女らしいベルスリーブ、袖口のスリット…などのさりげない工夫です。
ボリュームのある黒のローゲージニットには、ホワイトデニムを合わせ、メリハリ配色で切れ味よく仕上げましょう。グレーのダウンコートが、黒と白のコントラストをなじませ、着こなし全体をカジュアルで優しい雰囲気へと変えてくれます。
■3:ラフになりがちなサルエルパンツは、白シャツをインしたフォルテ フォルテのボリュームニットで引き締めて
デザイン性の高いニットが豊富にそろうイタリアブランド、フォルテ フォルテの黒タートルは、前身ごろはモヘア、後ろ身ごろはウールと、異なる糸で編み上げたデザイン。黒一色のタートルニットでも、表情豊かな編み地により奥行きが生まれ、特別なおしゃれ感が漂います。
異素材コンビニットには、白シャツをインして辛口に引き締めて。カジュアルなサルエルパンツを合わせても、都会的で大人にふさわしい緊張感が生まれます。アクセントとなるマルチカラーのバッグも、心ときめく着こなしのスパイスに。
■4:ジャケットにインしてももたつかない!ヴィンスのごく薄ニットで仕上げるメリハリ配色
上質カジュアル服の代名詞的なブランド、ヴィンス。うっすらと肌が透けるほど薄手に仕上げた黒タートルは、暖かな空気をまとっているかのような軽い着心地で、まるでセカンドスキンのようにストレスを感じさせない肌触りです。ドレープを描くカウルネック、くしゅっとニュアンスがつくれる長めの袖丈が、着こなしにこなれ感を与えてくれます。
着こなしの主役となるジャケットをベージュにしたら、ほかは黒で統一してメリハリのある配色に。肌に吸い付くような、ごく薄手に仕上げたニットだから、ジャケットにインしてももたつかず、一日快適に過ごすことができるのです。ボトムには、適度な丸みが愛らしいバルーンスカートを合わせ、若々しい印象のシルエットを完成させましょう。
■5:アクネのワイドリブニットには、ファージレを合わせてラグジュアリー&スリムなシルエットに
ファッション性と機能性の両立にこだわった黒タートルといえば、アクネ ストゥディオズのニット。定番人気は、ファインメリノウールと呼ばれる、細く長い糸にこだわって編み上げたなめらかなワイドリブニットです。緻密に計算されたコンパクトな身幅と着丈のバランスで、一枚でも様になるモード感が漂います。
黒ニット×グレーパンツのシンプルベーシックな着こなしには、ラグジュアリーなファージレで一気に華やぎをプラス。太ももが隠れる着丈のものを合わせると、全体がのシルエットが引き締まり、着やせ効果もあるのです。
定番アイテムの「黒タートル」を使った5つの着こなし、いかがでしたでしょうか? シンプルなベーシックアイテムも、今の着こなしにすんなりとなじむものへ着々と進化中。この機会にアップデートして、旬の装いを存分に楽しんでみてください。
- PHOTO :
- 唐澤光也(パイルドライバー)
- STYLIST :
- 富岡百合子
- EDIT&WRITING :
- 藤田由美、遠藤智子(Precious)
- RECONSTRUCT :
- 難波寛彦