アメリカンカジュアルやフレンチシックなど、多様なスタイルを1枚で決めてくれるデニムのトラッカージャケット。いつまでも色褪せないエバーグリーンなアイテムだが、ワークウエアという出自からも分かるように着心地に関してはこれまでも多くを求めることはなかった。だが、「チルコロ 1901」が継続的に展開しているトラッカージャケットは、デニムらしからぬ快適な着心地で今や愛用者が引きも切らない、まさにブランドを代表する定番アイテムとしての地位を確立した。
「チルコロ 1901」は南イタリアの港町、バーリに拠点を構えるテキスタイルカンパニー「S.G.L」社が手掛けるブランド。伝統的なイタリアクラシコのドレスウエアに、ニットやジャージー素材を取り入れた先見性に象徴される時代性を帯びたコレクションは、世界中から厚い支持を集めている。
高い伸縮性と肌触りの良さを併せ持つ新感覚のストレッチジャージー
袖を通して初めて分かる、ジャージー生地ならではの着心地は、その優れたストレッチ性と肌触りの良さにある。寒くなればインナー使いもできる、程よくタイトなフィッテイングだが、身頃や腕のさばきなどストレスをまるで感じさせることがない。どこから見てもデニムそのものだが、実はスエットのようなコットンストレッチジャージー生地に、デニム風の転写プリントを施したもの。当然、デニム特有のガサっとした肌当たりとは無縁で、裏起毛のため保温性も高くソフトな肌触りを約束してくれる。
デザインは襟元や胸元のフラップポケットにこそヴィンテージの面影が残るが、一般的なトラッカージャケットとは異なりメタルボタンを替え、ハンドウォーマーポケットを備えるなど時代に合わせたアップデートも怠らない。今の時期なら1枚でもサマになるが、もっと寒くなればコートのインナーに合わせたレイヤードを楽しめる。
普遍的な佇まいはそのままに、着心地を格段に向上させた1枚は、新時代のスタンダードに相応しい逸品と言えよう。
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- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
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- PHOTO :
- 多田 悟(Rooster)
- STYLIST :
- 仲唐英俊(TABLE ROCK.STUDIO)
- WRITING :
- 佐藤哲也