今シーズンのアウターは、いつにも増してダッフルコートが豊作だ。「グローバーオールやモンゴメリー」といった定番はもちろん、ラグジュアリーブランドを含めて様々なタイプがリリースされており、何を選べばよいものか実に悩ましいところ。普遍的な佇まいをキープしつつ、他とは被らない個性を演出できる。「シーラップ」のダッフルコートは、そんな難しいリクエストを叶えてくれる、とっておきの1枚である。
1935年創業の「シーラップ」は、イタリア・ミラノ発のラグジュアリーブランド。90年代に高品質のレインウエアが一躍注目を集めると、レインウエアとアウターウエアの専業ブランドとして、今日に至るまで世界中のセレブリティを始めとする、数多のスタイルアイコンを魅了し続けている。
重厚な佇まいはそのままに、落ち感のある優美なシルエットをプラス
ウールとナイロンを混紡した生地は、高い保温性はそのままに、シワや形崩れし難いだけでなく、耐久性までも兼備。何より最大のポイントは、フードを排した潔いデザイン。ダッフルコートといえば元々、冬の荒れた海で漁師が着ていたものが出自とあって、フードは機能的にもなくてはならないものだったが、現代のタウンユースにおいてはさほど重要な仕様ではない。
結果、思い切ってフードをなくし、Pコートのような襟周りにする事で、ぐっとエレガントなムードに転換。木製のトグルや紐のループといったクラシックなディテールを残しつつ、ファイヤーマンジャケットのようにサイドにずらした配置がモダニティを後押しする。
ゆったりとした身幅とストレートに落ちる美しいシルエットは、ジャケパンなどシックなスタイルとも好相性。アイビーそのままでもなく、もちろん浪人生や苦学生風でもない、コンテンポラリーに進化したダッフルコートがこの1枚である。
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- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
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- PHOTO :
- 多田悟(Rooster)
- STYLIST :
- 仲唐英俊(TABLE ROCK.STUDIO)
- WRITING :
- 佐藤哲也